概要
第4部「ダイヤモンドは砕けない」のその後を描いた小説版「The Book」の主人公。
抜群の記憶力をもつ少年。東方仗助たちと同じぶどうヶ丘高校に在籍している2年生。
生後間もない頃に捨てられ、施設で育った。
体格は貧弱。いつでも学ランを着ており、胸ポケットに万年筆を指している。肩に馬のような形のアザがある。
以下ネタバレ含む解説
スタンド 「The Book」
自分の記憶が書かれた茶色い革表紙の「本」。器物型のスタンド。
スタンドであるためいつでも手の中に出したり、また消したり出来る。ただし琢馬の体から30m以上離れると自動的に消えてしまう。
琢馬が傷つくとThe Bookも傷つくという点はスタンドの基本的な性質に沿っているが、本からページを切り離した場合は琢馬にはダメージがなく、そのページも30m以内であれば消えずに残る。
本の厚みは実在する紙での380ページほどだが、The Bookのページ数は無限。どこまでめくっても白紙のページが続いている。
琢馬が幼少の頃、その良すぎる記憶能力に悩まされ自殺を試みた際に発現した。
本の中には自分が生まれてから現在までのあらゆる記憶が現在進行形で綴られており、言わばこの本に記憶を「移す」ことによって琢馬は自分の記憶能力に悩まされる日々から開放された。それは「記憶」と「思い出」を切り離すとも表現されている。
特定の過去の出来事に該当するページを読み返すことで当時の状況を完璧に思い出し、まるでその時間にタイムスリップしたかのように自身の中で「再現」することができる。そのため、どんなに些細な記憶であっても琢馬に思い出せない出来事は基本的に存在しない。
音楽のような視覚以外の情報であっても全て文字に置き換えられて保存されるため、そのページを読み返せば音楽プレーヤーのようにその曲を聴いて楽しむことも出来るという。
この「再現」は本の内容を読んだと同時に強制的に行われる。そのため、琢馬は苦痛を負ったときの記憶などは【禁止区域】と定め、目に触れないようにしている。
また「The Book」を他人が読んだ場合、その他人にも「再現」が行われる。琢馬はこの現象を、本に書かれている文章への「感情移入」と表現した。敵へ【禁止区域】のページを読ませる、などといった方法で攻撃に使うことが出来る。
非スタンド使いには見えないが、あくまで本を認識できないだけであり、その視界の中にThe Bookの文章が入れば「再現」が行われる。
琢馬本人の経験に依拠しているため、即死級のダメージを与えるようなことはできないが、「危うく死にかけた」「すぐに手当てをしなければ死んでいた」というような経験を読ませることで死に至らしめることは可能。
The Bookという名前は、終盤において虹村億泰と交戦した際、彼のスタンド「ザ・ハンド」を参考に付けられた。