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プルトニウムの編集履歴

2011-05-17 20:09:27 バージョン

プルトニウム

原子番号94の元素。原子炉の副産物として生成されるが、天然にもわずかに産出する。

天然のものも大半は原子炉内と同じ原子核反応にて生成される。

概要

単体のプルトニウムはニッケルに似た銀白色の光沢を持つ大変重い金属であり、水分を吸うと自然発火する。特に粉末状の時は自然発火しやすい。過去のプルトニウム事故の多くが、この自然発火による火災事故といわれている。

また臨界反応もおきやすく、ちょっとした不注意で臨界反応を起こしてしまい、核関連工場作業員だけではなく科学者でさえも臨界反応による多量の放射線被曝によって死亡している。

ただし、これらの作業では核爆発のような事故は起きない。(核爆発が起こる前に臨界反応が起きるため)また、さまざまな同素体を持ち、その結晶構造や密度が異なるため、加工が難しい。そのため、加工の際は合金にして加工されることが多い。


特性(Pu239)

比重19.8
融点639.4℃
沸点3228℃
原子量244.06
臨界量(球状)16kg(中性子反射体を用いると10kg)

同位体とその半減期

同位体半減期比放射能
Pu23887.84年641.3G[Bq/g]
Pu2392万4100年2.292G[Bq/g]
Pu2406564年8.379G[Bq/g]
Pu24114.4年3.804T[Bq/g]
Pu24237万3000年146.2M[Bq/g]
Pu2448080万年669.5k[Bq/g]

生成のしくみ(Pu239)

原子炉内で次のような反応が起きて生成される。

ウラン238が中性子を捕獲

 ↓

ウラン239になり、ベータ崩壊

 ↓

ネプツニウム239になり、再びベータ崩壊

 ↓

プルトニウム239(このとき他の同位体も生成される)


プルトニウム239は、アルファ崩壊してウラン235になる。


地球上で人為的な行為によって拡散したプルトニウム

プルトニウムは核実験などで地球上に約10t拡散しており、これらは二酸化プルトニウムとなって存在している。二酸化プルトニウムは水に非常に溶けにくく10億リットルの純水にプルトニウム原子1個が溶ける程度といわれている。

飲み込んでしまった場合は0.05%が吸収され、あとは排泄される。吸入してしまった場合は4分の1が肺に沈着する。その後、肺に留まるか、胸のリンパ節に取り込まれるか、あるいは血管を経由して骨と肝臓に沈着する。吸収された分のプルトニウムによる害は、他のアルファ崩壊する物質の放射線障碍と同じである。

用途

・核兵器

・原子炉用核燃料

・心臓ペースメーカー用原子力電池(Pu238)※


※…崩壊モードがアルファ崩壊なので放射線の防護が簡単で、崩壊熱も半減期も人間の

  体温や寿命からすると適切なものなので過去に使われていた。現在はリチウム電池を

  使用したものに代替されている。また、日本では法規制に抵触するため、製造・使用

  ともに不可能。

関連タグ

 放射線 放射能 原発 原子爆弾

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