仮面ライダーキバに登場するククルカンについてはこちらを参照。
概要
マヤ神話の神の一柱。中央高原のケツァルコアトルに対応し、ケツァルコアトルと同様、「ククルカン」という名はユカテク・マヤ語で「ケツァルの羽-蛇」を意味するとされる(ただし「ククル」の正確な語釈については諸説ある)。
キチェ族の伝承である『ポポル・ヴフ』には「ククマッツ」(グクマッツ)というキチェ語名で登場する。イシュムカネーとイシュピヤコック、フラカンと共に、3回にわたる人類の創造に関与した。
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ククルカンの成立
実はククルカンはマヤ古来の神ではなく、ケツァルコアトルのマヤ版翻案という性格が強い。ククルカンという神自体はマヤ文明最盛期である古典期には登場せず、ククルカンの存在感がもっとも大きいのは、マヤ文明衰退期にあたる後古典期の、トルテカの影響が強いチチェン・イッツァ遺跡である(同遺跡のククルカン神殿が有名)。したがって、ククルカンという神は、古来のマヤ神話で重要なシンボルであった「幻の蛇」(Vision Serpent) が、トルテカで盛んだったケツァルコアトル信仰の影響で変容したものである可能性が高い。
よく一般に「ククルカン」として出回っている、垂直に立った蛇の口から人の頭が出ている図像(ヤシュチラン遺跡リンテル15のレリーフ)は、ククルカンではなくこの「幻の蛇」を描いたもの。幻の蛇は瀉血儀礼(自分の体を傷つけ血を流す)に際して現れると信じられており、この絵も、瀉血した女性が、自らの血を注いだ椀から立ち昇る幻の蛇を見ている。瀉血による貧血で幻覚が見えてるだけだろうなどと言ってはいけない。