対戦車ライフルとは、歩兵が戦車を撃破するために作られたライフルのこと。
概要
第一次世界大戦時、ドイツ軍が新兵器として登場した戦車に対抗する必要上から開発したのが対戦車ライフルの始まりである。
当初は歩兵銃と同一口径の強装弾を使用するものであり、当時の戦車がエンジンの出力や装甲の材質(最初期の戦車は軟鋼で装甲されていた)の制約を抱えていたために小口径弾でもある程度の効果を得ることができたが、戦車の側の改良に対抗して大口径弾やタングステン徹甲弾なども使用されるようになった。
第一次大戦後も対戦車ライフルは歩兵の対戦車火器ととして配備され続けたが、戦車の装甲は対戦車ライフルの威力を上回る速度で発達し、第二次世界大戦の頃には対戦車ライフルが戦車の正面装甲を貫通することはかなり難しくなってしまった(弱装甲の代名詞のようにいわれる日本軍のチハ車でさえ、全周において12.7㎜弾に抗堪すると言われる)。
それでも対戦車ライフルは集中運用による弾幕射撃、戦車の視察窓や履帯などの弱い部分を狙った狙撃など、運用方法を変えて使用され続けたが、バズーカやパンツァーファウストなど軽便で大威力の成形炸薬弾を使用する対戦車兵器が普及するにしたがい、歩兵部隊の対戦車火力としては完全に陳腐化した。
現代では大口径ライフルが対戦車戦闘に用いられることはほぼないが、類似した大口径の銃砲弾を使うものが対物ライフルとして軽装甲の目標や長距離からの対人狙撃、それに障害物越しの狙撃等に使われている。
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