概要
春のマイル王決定戦・安田記念。2024年に第74回目を迎えた歴史あるこのレースは、この年もマイルチャンピオンシップ覇者のセリフォスやナミュール、20世代のクラシック戦線の主役の一頭にして長期療養を経て復帰したステラヴェローチェ、福永祐一厩舎初のGⅠ挑戦となる2022年NHKマイルカップ覇者のダノンスコーピオン、芝・ダートどちらにも対応可能でこれが休養明け復帰戦となるガイアフォース、復活を期す2022年皐月賞馬ジオグリフ、悲願のGⅠ制覇を目指すソウルラッシュなど、多くの優駿たちが揃った。
そして、香港より遠征してきたロマンチックウォリアーとヴォイッジバブルという2頭の外国馬がこれに加わった。
そういった中でも特に注目を集めていたのがロマンチックウォリアー。地元で数多くの外国馬を退けたこの香港最強馬は中距離が主戦場ながら、マイルでも2戦1勝2着1回と実績がない訳ではなく、直前調教でも抜群の動きを見せていた。加えて当日は鞘重馬場と発表され、日本馬を押しのけて1番人気に支持された。、
- 外国馬の出走は18年ウエスタンエクスプレス(香港)以来6年ぶり。6年前と同様香港からの参戦となる。
- ロマンチックウォリアーのJ.マクドナルド騎手は14年ワールドオールスタージョッキーズ以来の日本での騎乗で、東京コース及びJRA・G1での騎乗は初。また近年主に10F路線を使っているロマンチックウォリアー自身は前年の香港スチュワーズカップ(2着)以来1年ぶりのマイル戦となる。
出馬表
番 | 馬 | 性齢 | 騎手 | 調教師 |
---|---|---|---|---|
1 | カテドラル | 牡8 | 斎藤新(栗東) | 池添学(栗東) |
2 | ガイアフォース | 牡5 | 長岡禎仁(栗東) | 杉山晴紀(栗東) |
3 | レッドモンレーヴ | 牡5 | 横山和生(美浦) | 蛯名正義(美浦) |
4 | ジオグリフ | 牡5 | 北村宏司(美浦) | 木村哲也(美浦) |
5 | ナミュール | 牝5 | 武豊(栗東) | 高野友和(栗東) |
6 | ドーブネ | 牡5 | 菱田裕二(栗東) | 武幸四郎(栗東) |
7 | ロマンチックウォリアー(IRE) | セ6 | J.マクドナルド(AUS) | C.シャム(HK) |
8 | エアロロノア | セ7 | 幸英明(栗東) | 笹田和秀(栗東) |
9 | パラレルヴィジョン | 牡5 | C.ルメール(栗東) | 国枝栄(美浦) |
10 | ソウルラッシュ | 牡6 | J.モレイラ(BRZ) | 池江泰寿(栗東) |
11 | ウインカーネリアン | 牡7 | 三浦皇成(美浦) | 鹿戸雄一(美浦) |
12 | フィアスプライド | 牝6 | 坂井瑠星(栗東) | 国枝栄(美浦) |
13 | ステラヴェローチェ | 牡6 | 横山典弘(美浦) | 須貝尚介(栗東) |
14 | コレペティトール | 牡4 | 岩田康誠(栗東) | 中竹和也(美浦) |
15 | ヴォイッジバブル(AUS) | セ6 | Z.パートン(HK) | P.イウ(HK) |
16 | エルトンバローズ | 牡4 | 西村淳也(栗東) | 杉山晴紀(栗東) |
17 | セリフォス | 牡5 | 川田将雅(栗東) | 中内田充正(栗東) |
18 | ダノンスコーピオン | 牡5 | 戸崎圭太(美浦) | 福永祐一(栗東) |
事前評価
人気 | 馬 | オッズ |
---|---|---|
1 | ロマンチックウォリアー | 3.6 |
2 | ソウルラッシュ | 4.1 |
3 | セリフォス | 6.1 |
4 | ナミュール | 10.0 |
5 | ガイアフォース | 11.6 |
(単勝・最終オッズ)
レース結果
着順 | 馬 | タイム/着差 |
---|---|---|
1 | ロマンチックウォリアー | 1:32:3 |
2 | ナミュール | ½ |
3 | ソウルラッシュ | ハナ |
4 | ガイアフォース | 1 |
5 | セリフォス | ½ |
ドーブネが先手を取る。ペースは1000m58.4とこの距離では平均的。直線に入り、中団にいたロマンチックウォリアーが進路が開くのを待って抜け出し、後方から併せで猛追するナミュールとソウルラッシュを半馬身差凌いだ。平均ペースながら上位は軒並み33秒台前半の速い脚を使うヨーイドン決着となった。ヴォイッジバブルは左回りが合わずブービー17着惨敗。
- 勝ち馬ロマンチックウォリアーは前年コックスプレートからGⅠ5連勝としてGⅠ通算8勝目で、マイルのG1は初勝利となり2階級G1制覇となった。外国調教馬として06年ブリッシュラック以来18年ぶり4頭目、香港馬としては3頭目の本レース優勝。外国馬のJRA・GⅠ優勝は15年高松宮記念のエアロヴェロシティ(香港)以来9年ぶり、1番人気の外国馬の優勝は11年エリザベス女王杯のスノーフェアリー(イギリス)以来13年ぶり。
- アイルランド産馬によるJRA・GⅠ優勝は本年高松宮記念のマッドクール以来で、本レースでは意外にも初(ブリッシュラックはアメリカ産、フェアリーキングプローンはオーストラリア産。国内調教ではイギリス産の優勝がある)。
- J.マクドナルド騎手及びC.シャム調教師はJRA初勝利及び同GⅠ初勝利が本レースとなった。
動画
ラジオNIKKEI(実況:)
フジテレビ系(実況:)