用途記号は「タ」。主に石油・天然ガスなどの液体やセメントなどの粉末を運ぶための貨車であり、車体に巨大なタンクがつけられている。
基本的に、有蓋車やコンテナ車と違って積載物に最適化された構造であるため「往路でガソリンを輸送し、復路は塩酸を積む」といった使い方は不可能である。
これは、タンクそのものの構造や材質もさることながら、安全対策や荷役装置が積載物によって大きく異なることや、仮に全く異なる性状の積載物に乗せ変える場合、タンクの洗浄作業は大きなコストと(積載物によっては)危険が伴うためである。
このため、自ずと車両によって荷主が決まるので、荷主たる化学薬品メーカーや石油製品専用の運送事業者など所有者としながらも、運行・保守管理を国鉄やJR貨物などの鉄道会社とした「私有貨車」とすることがほとんどである。