解説
MARVELのスーパーヒーロー「スパイダーマン」を主役にしたアニメシリーズ。
ディズニープラスにて2025年1月からシーズン1が全10話で配信され、既にシーズン3まで内定している。
製作はマーベル・アニメーションと、日本のポリゴン・ピクチュアズ。
沿革
2021年11月、製作決定が発表された当初は『Spider-Man: Freshman Year』と題し、MCU版(いわゆる「ホーム三部作」)の前日譚、アベンジャーズと関わる前の市井での活躍を描く予定だったとされる。
しかしそれだと『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』にてトニー・スタークと出会う結末で固定されてしまう、つまり物語の制作自由度が下がってしまうという理由からMCUの正史に含まれない、独立した作品に変更され、2023年12月に『Your Friendly Neighborhood Spider-Man(親愛なる隣人)』と改題された。
『Spider-Man: Sophomore Year』、つまり2年目を描く続編アニメの制作も報道されていたが、同時にシーズン2として統合された模様。
特徴
作画は曰く「(スタン・リーとともにスパイダーマンの生みの親として知られる)スティーヴ・ディッコ時代を意識した」とのことで、コミックをそのまま切り取ったような画風。
一応これまでのどのバージョンとも異なる新規の世界ではあるが、ストーリー面は初期案の名残か、例えば『シビル・ウォー』で描かれたソコヴィア協定の施行とそれに伴うアベンジャーズの内乱など、正史と似たような出来事は起きている。
MCUから入る視聴者には「もしスパイダーマンのメンターがトニーではなくノーマン・オズボーンだったら」と言えば分かりやすいだろうか。
あらすじ
両親と叔父ベンを亡くし、叔母メイと一緒に暮らしている高校生ピーター・パーカーは、ミッドタウン高校入学の日にドクター・ストレンジとヴィランの戦いに遭遇し、ポータルを通って現れた特殊なクモに噛まれて超人的な力を手にする。力を得たピーターは、その力で人助けをしたいと考え、自作のスーツとウェブシューターを開発、「スパイダーマン」としてヴィジランテ活動を始める。
また、ストレンジの戦いでミッドタウン高校が半壊したため、ロックフォード・T・ベイルズ高校に臨時登校することとなったピーターは、変わり者のニコ、ラグビー部のロニー、幼馴染のパールなどと親交を深める。
そんな中、ニューヨークの大企業オズコープ社の社長ノーマン・オズボーンが、ピーターをインターンとしてスカウトする。思わぬチャンスに喜ぶピーターだったが、なんとノーマンはスパイダーマンの正体がピーターだと知っていた!
驚くピーターに、ノーマンは「君のヒーロー活動を手伝わせてほしい」と申し出て…
キャラクター
これまでのアニメ・映画でお馴染みだったMJ、グウェン・ステイシー、フラッシュ・トンプソン、ホーム三部作のネッド・リーズは登場しない。
※括弧内は日本語版CV / 特記事項のある場合は原語版。MCUの過去作から続投の場合は☆印。
メイン
ご存じ主人公。今作は珍しいことに、ベンおじさんが亡くなった後に蜘蛛に嚙まれた(MCU正史では言及なし)。
原語版はアニメ『ホワット・イフ...?』と同じだが、日本語版は榎木淳弥から変更。
ピーターの親友枠。
家出した少年少女たちのチーム「ランナウェイズ」のメンバーとして有名だが、こちらでは里親の元で暮らしている。
- ロニー・リンカーン(増田俊樹)
ピーターのクラスメイト。ピーターが想いを寄せていたパールの彼氏で、ラグビー部のエース。当初ピーターは彼を苦手に思っていたが、科学の授業でペアを組んだことをきっかけに友人になる。
コミックではトゥームストーンという先天的アルビノのヴィランだが、本作では黒人になっている。
もはやお馴染みの宿敵グリーンゴブリンだが、本作ではピーターのメンター(指導者)。初の黒人設定。
この世界でも起きたアベンジャーズの騒動を受けて、スパイダーマンを新たなヒーローとして育てる(よって本作の時代設定は『ホームカミング』頃と思われる)。第1話ラストでピーターの家を訪ねたシーンは、『シビル・ウォー』のトニーのオマージュとなっている。
ノーマンの息子。ピーターの同級生ではない。
半ば事故でピーターの正体を知り、"椅子の人"として協力する。
その他
MCU版と同じく若々しい外見。
- パール・パンガン(深田愛衣)
ピーターの幼馴染で初恋の相手。
コミックでは2019年にデビューしたフィリピン系のスーパーヒーロー「ウェーブ」で、エージェンツ・オブ・アトラスのメンバー。
ピーターと同時に招かれた、オズコープのインターン生。
- アシャ(茅野愛衣)
同じくインターン生。ワカンダ出身で、コミックでも市民として登場している。
- ジーン・フーコー(東内マリ子)
同じくインターン生。
コミックでは『アベンジャーズ・アカデミー』でノーマンにスカウトされた1人としてデビューした、タスクマスターの娘「フィネス」。
- カーラ・コナーズ(高梁りつ)
インターンでピーターを担当する、エネルギー部門のトップ。
性別こそ女性だが片腕を欠損しているため、カート・コナーズに相当すると思われる。
- ベントレー・ウィットマン(多田野曜平)
インターン全体を監督する老齢の博士。
コミックではファンタスティック・フォーのヴィラン「ウィザード」。
ヴィラン
- ブタン(後藤光祐)
- 110ギャング
- ビック・ドン(竹田雅則)
- ヘンリー・キャンプ / ブルドーザー(鷲見昂大)
- オットー・オクタビアス / ドクター・オクトパス(坂詰貴之)
- ヴィンセント・パティリオ(槙野旦)
- ウィルソン・フィスク / キングピン(??? / ???)
ゲスト
第1話に登場。ある意味、ピーターが能力を得た元凶。
ノーマンのオフィスにツーショット写真が飾ってあり、親交がある模様。
- マット・マードック / デアデビル(☆内田夕夜 / ☆チャーリー・コックス)
オズコープ社に侵入し、スパイダーマンと一戦交える。なにがしかのデータを狙っていたらしく、またスパイダーマンに「ノーマンは怪しい」と忠告する。
シーズン1の配信中に公開される『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』ではハリソン・フォード演じる大統領だが、この時代はまだ国務長官。外見と吹替は故ウィリアム・ハート版を踏襲している。
ノーマンともビジネス上の付き合いがある。
正史と同じくソコヴィア協定に調印し、ロスの要請でドク・オックを捕縛する。
どちらも『ホワット・イフ...?』から続投。
- クレヴ(秋葉恭平 / ☆ザック・チェリー)
『ホームカミング』『シャン・チー/テン・リングスの伝説』に登場した配信者。