三省堂現代新国語辞典とは?
「三省堂国語辞典」から派生した、高校生にはうってつけの国語辞典。近年生じた意味や用法の採録にも積極的。なんと「誤爆」「爆死」「反則」「マウント」の新しい用法も収録されている、類書も裸足で逃げ出さんばかりのすごいやつ。
かつては「三省堂現代国語辞典」として発行したが、改題してこの書名になる。三省堂国語辞典とは違って、特に高校生の学習用に特化されている。そのため、語釈に分かりやすい表現を用いている。基本的に小学校で習わない漢字には振り仮名が付いている。高等学校の国語などの教科書に掲載されている語を丹念に採録している。作品名・人名の固有名詞も収録してある。本文の書体には、モリサワの「UD黎ミン」が採用されているので、非常に文字が見やすい。万人受けすること請け合いである。
無料辞書にたやすくアクセスできる時代に求められる、高校生向け辞典の真価とは――
●教科書や評論文に書いてある語句や語彙も、国語以外に限らず、科目特有の定義や、大型の辞典に載っていないものまで、広く採録してある。
●全ての常用漢字の項目に、原則5~6段階(「鬱」は13段階)の筆順付き。2017年公示の学年別配当や音訓割り振りにも対応。字義ごとの熟語や、小中高の音訓割り振り、独自の手書きの字体解説も示してある。
●平成26年に告示された、最新の「『異字同訓』の漢字の使い分けの例」に対応。使い分けが明確に解説されている。同音異義語も、それぞれ別項目として載っていて、見出しの上に「相互参照の矢印」も示してある。
●その語の標準的な表記と参考表記が分けて示してある。その語は、どのように表記すれば相手に伝わりやすいのかが分かる。
●平成19年に告示された、「敬語の指針」にも対応。それぞれの語の、敬語での言い方は、〔尊敬〕〔謙譲〕のラベルで示してある。
●対義語・類義語や関連語も、多く示されている。言葉の使い分けの解説も示してある。「ことばの世界」では、その語に関係する熟語・故事成語やことわざなども掲げてある。
●巻末は、常用漢字の画数索引、ABC略語、画数で引ける難読語一覧、敬語解説、同じ表記の異なる読み方、同音異字熟語の使い分け、漢字の書き間違い、手紙の書き方、季語一覧などがあり、充実した内容になっている。
●笑う意味での「w」も、ABC略語集で掲げてあり、第五版で三省堂国語辞典に次いで掲載された。さらに、第六版でネットスラングの「草」や、「ググる」「orz」「バズる」「沼」「(ツイッターの)FF」なども追加された。
●[くだけた言い方][ぶっきらぼうな言い方][新しい言い方][硬い言い方]など、その語の用法やニュアンスなどが多く示されている。
書籍情報〔第六版〕
【項目数】
77,500語〔第五版より約1,000語追加〕
【編者】
小野正弘・市川孝・見坊豪紀・飯間浩明・中里理子・鳴海伸一・関口祐未
【発行日】
2019年1月10日発行
●1998年11月20日 第一版発行
●2004年01月10日 第二版発行
●2007年11月10日 第三版発行
●2011年02月25日 第四版発行
●2015年01月10日 第五版発行
※第五版では、本文の端に「ファイナル>ファンタジー」と書いてあり、一時話題になった。しかし、残念ながら第六版では「ファイター>ファルセット」変わってしまった。
【ページ・価格】〔税抜き〕
1,632ページ
B6判 2,800円