概要
蝸牛くも氏のライトノベル「ゴブリンスレイヤー」に登場するキャラクターの一人。冒険者でありながらNPC同様悪役側にいるという珍しいキャラクターである。
鋼鉄等級であり一見すると明るいお調子者で、ゴブリンスレイヤーのことを「楽な仕事ばかりして銀になった男」と思っており、自分も楽な仕事ばかりしてお金を稼ぎ、有名になりたいと思っている。
武僧、戦斧士、妖術師とパーティを組んでいたが、ある冒険で斥候という立場を悪用して洞窟にある宝箱を盗み出し、それを売って自分の装備代に充てていた(素早く動くために常に裸足でいるはずの圃人にも拘わらず、都会にかぶれて靴を履いていた)。
しかし、彼だけが羽振りがいいことがギルドに知れ、昇格試験の際に受付嬢および監督官、そしてゴブリンスレイヤー立会いのもと査問され、上記の事を追求され、嘘をついてやり過ごそうとするが監督官の《看破》で見破られてしまい、白磁への降格と街での冒険者業禁止を言い渡され、ギルドを事実上追放されてしまう。
当然納得いかずにゴブリンスレイヤーに同じ冒険者のよしみで助けを求めるが、『その冒険者を裏切ったのではないか』と切り捨てられる。激昂し、一度は受付嬢を人質にしようと考えたが、そうするとゴブリンスレイヤーの反撃を受けて返り討ちにされる事を想定し、捨て台詞を吐いて逃げ去った。
以上の逆恨みから邪教団の生き残りの闇人の甘言に乗ってNPCになり、収穫祭のときに受付嬢とゴブリンスレイヤーを奇襲。毒塗りの手投矢をすばやく投擲し、ゴブリンスレイヤーをすばやく制圧(と思っていたが、実は鎖帷子でガードし「死んだふり」でごまかしていた)。ゴブリンスレイヤーを倒したと思い込んだ彼は受付嬢に迫り、あんなことやこんなことをしようとしていたが、起き上がったゴブリンスレイヤーに背後から突き刺され、死亡という相応の末路を辿る。
ギルドと冒険者の力関係や毅然としすぎた受付嬢の態度(※)など言い分には一部わかるものがあるのだが、その受付嬢の言い放ったとおり彼がやらかしたことは結局冒険者への社会からの信用を築こうとしているギルドの失墜を招きかねない上、なにより同じ冒険者仲間への裏切り行為(彼の仲間達はみな困窮し、特に武僧は家族を持つ所帯持ちであり、なおさらネコババが許されない状況であった)である。
本来なら逮捕されてもおかしくない所を初犯という事で降格・追放程度で済んだにも拘わらず、逆ギレするという身勝手極まりない行為である。逆恨みの襲撃時のゲスさもあって、トータルで見ると同情の余地はほとんどない。
※これは、冒険者相手にナメられないために気丈に振る舞っているためであり、実際圃人斥候が出ていったと同時にゴブリンスレイヤーの目の前にも拘わらずヘタりこんで弱音を吐いていた。
更に言えば、冒険者は信頼がなければチンピラと同等であり、そんな彼らに比べれば国営の役所であるギルドの方が権力が上なのは当然の事だろう。
しかし、戦闘能力は低くないどころか俊敏さを持ち、頭に血が上っても白昼に戦士職と真っ正面から戦えば絶対に勝てないと理解する程度には頭が回る。
祭りの際にゴブリンスレイヤーに不意討ちできたのは、暗闇で遮蔽物に隠れるというこれ以上もない有利な状況だったからであり、ゴブリンスレイヤーの『まず勝てない』という言葉の様に、普通の冒険者なら仕留めても不思議ではなかった。
しかし、相手は常にゴブリンの不意討ちに備えて鎧の下に鎖帷子を着込んでおり、死んだフリによる騙し討ちも辞さないなど『普通の冒険者』では無かった事が運の尽き。不意討ちが成功して舞い上がり、相手が死んだかどうか確認しなかった事が彼の敗因であろう。
AA版では賭博黙示録カイジの三好が充てられている。
関連タグ
チルチャック …… 漫画版アニメ版でのデザインが似ている
アドン(ベルセルク) …… 矮小な人格と侮れない戦闘能力を併せ持つ者繋がり