概要
『祈り持たぬ者』とも書かれる。
ドラゴン、悪魔、冒涜的な名前の大目玉、邪神に仕える神官、そして時として心ない山賊たち……
祈りを持つ者(プレイヤー)にとっては不倶戴天の敵の総称である。
英語表記は「Non Prayer」となるが、言うまでもなく「Non Player(ゲームプレイヤー以外のキャラ)」と掛けた言葉である。
※ただし元ネタの方はあくまでも「プレイヤー以外」と言う意味なので、主人公の味方でもゲームマスターが操るキャラ(本作で言えば受付嬢や牛飼娘あたり)は全てノンプレイヤー扱いである。
主なモンスター
ゴブリン
祈らぬ者の内、最も数が多いモンスター。
祈らぬ者の中では最弱ではあるが、数を活かして襲いかかった時の驚異は馬鹿にはできない。
上位種も数多く存在する。
詳しくはゴブリン(ゴブリンスレイヤー)を参照
ジャイアント・ラット
下水道に住み着く巨大なネズミ。モンスターというより害獣の一種。20~30センチメートルならまだ可愛い方で、大きい方は50~60センチメートルに至る。
放置すると夜な夜な地上に這い出ては、子供や老人を捕食してしまうと謂われる。
これの討伐は駆け出し冒険者が受けられる依頼の1つであり、病原菌があるため解毒薬の所持が必須だが、下水道は洞窟と比べて広いため得物を振り回しやすく、尚且つ上位モンスターが出現する危険性も低い為、冒険者ギルドで受けられる中では一番簡単な依頼である。ただし、報酬は1日に金貨1枚と、ゴブリン退治より安い。
簡単な依頼とはいえ、それでも油断した結果、命を落とす駆け出しの冒険者も珍しくない。たとえ命からがら生還しても、これに手こずる手合いは、資金調達がままならなくなった結果、冒険者を廃業するかそのまま破滅の道を辿るケースもある模様。
また、ネズミは群れるものなので、無策で大群に襲われれば、骨すらも残らない。
ジャイアントローチ
その名の通り、巨大なゴキブリ。更に超巨大なヒュージローチという亜種もいる。
雑食で、死体に刺さっている剣までも丸呑みにしてしまう。
また、見た目に反して体が柔らかく、狭い隙間にも潜り込める。
薄暗い下水道でこれの大群とか羽を広げたこいつを目撃したら、失禁もやむ無しだろう……。
また、下水道だけでなく森などの野外に棲息している事もある。
粘菌(スライム)
流動体の怪物。魔法で産み出された生物、はたまた宇宙からやって来た生命体とも言われる。
物陰や天井などに張り付いて息を潜め、獲物が近付くと飛びかかり、顔に張り付いて窒息死させ、そのままゆっくり溶かして捕食する。
ブロブの様に、強酸で相手を生きながら溶かして捕食する個体もおり、対策として兜を被る冒険者もいる(張り付かれても、すぐに兜を脱いで引き剥がせるため)。
物理攻撃で倒せなくはないが、顔に張り付かれると引き剥がすのは困難である。個体によっては魔法攻撃に弱い。
なお、冒険者の中にはやたら粘菌に襲われまくったせいで粘菌が苦手になった人もいる。
オーガ
「我をゴブリン風情と同じに思うな!」
CV:各務立基
戦鎚を携え、青黒い巨体を持つ人喰い鬼。
銀等級の冒険者でも、立ち向かうにしては恐るべき難敵であり、強固な盾を持った騎士をも葬るほどの腕力に加え、魔法も使え、数多の術を収めた魔術師をも返り討ちしてしまう。
魔神将なる者から軍を預り、ゴブリンを率い、森人の土地にある遺跡を自分達の砦にしていた。
青い炎の玉で広範囲を焼き尽くす、《火球》の魔法を使う。基本的な魔術の1つだが、オーガのそれは、呪文遣いの鉱人道士でさえ驚くほどの威力を誇る。事実、当時白磁等級とはいえ、女神官の《聖壁》を二枚張りしなければ防げなかったほど。
しかも、その肌は足の腱であっても生半可な武器では刃が通らないほど固く、妖精弓手に右目を潰されても瞬時に治癒される再生能力を持ち、戦鎚を振るい一撃でゴブリンスレイヤーに重傷を負わせる(鎧と兜のおかげで一命はとりとめた)。
妖精弓手、鉱人道士、蜥蜴僧侶の銀等級三人がかりでも歯が立たず、本人の言葉通り、ゴブリンとは比べられないほどの強さを見せつけた。
AA版ではカーズが当てられた。
アニメ4話公開後の原作者のリアルタイムコメンタリーにて、元々は超勇者ちゃんがLV30で殴り合うはずの中ボスだったことが判明。
更には会議などで手薄になるエルフの里後方(敵国内部)に拠点作って押し寄せるという魔神王陣営にしてはわりとガチな戦略であり、基本的にゴブリン以外に興味のないゴブリンスレイヤーからも評価されている。
ゴブリンを雑兵程度と見て扱い方は悪かったものの、孕み袋を与えれば増やす事ができると理解している。
本作初のゴブリン以外のモンスターにして、ゴブリンスレイヤーの奇策が発動するまで銀等級三人を相手にしてなお圧倒する強さを見せつけ、『こんなのと比べれば、確かにゴブリンは最弱』という印象を読者や視聴者に改めて植え付けてくれた存在として、ファンからは敬意と親しみを込めて『オーなんとかさん』と呼ばれている。
また、物理攻撃に特化した個体や、呪文に長けた個体、物理攻撃と呪文の両方をこなす『将軍』の個体が存在する。
沼竜(アリゲイタ)
「AAAAAARRRIGGGGGG!!!」
水の街の下水道に現れたワニに似た白い怪物。
竜とは名ばかりであり、実態は蜥蜴の仲間。水を切り裂いて泳ぎながら、獲物を大きな顎で噛み砕く。
なお、『ゴブスレ辞典VoL1』によると顎の力はトロルの腕をも噛み砕くほどらしい。
名前を呼んではいけない怪物
CV:高橋伸也
「BEBBEBEBEBEHOOOO!!」
地下墳墓の最奥にある礼拝堂を守護している、空飛ぶ目玉の怪物。
人の背丈ほどの大きさの眼球で、瞼から先端に目玉がついた幾本の触手を生やしている。
名前なんてどうでもいいと言うゴブリンスレイヤーによって『ビッグ(B)アイ(E)モンスター(M)』、略して『大目玉(ベム)』と名付けられた。
非常に危険すぎる鳴き声を放ちながら、本体の目からは詠唱と魔法を打ち消す《解呪》、触手の目からはあらぬるものを融かす熱線《分解》の邪眼を使用する。故に真正面から戦って勝つ事は困難。
部屋に入ってきたものを襲うようになっているため、部屋から出ると襲ってこない。
また、人語を喋り、邪神復活を画策する個体も存在する。
闇人(ダークエルフ)
「大方、第五位の紅玉ーーー否、第六位の翠玉程度と見た!」
魔神王の残党の一人。
混沌の神々から託宣(ハンドアウト)を受け取り、手の内にある呪物によって百手巨人を呼び起こすために暗躍する無秩序の召喚士。
《分解》の魔法を扱い、更には呪物を触媒に百手巨人の加護を繰り出す。矢避けの加護で飛び道具を無効化する。
魔術だけでなく、突剣で鎖帷子の隙間を突き刺すなど、その実力は銅・銀等級以上と思われる。ゴブリンスレイヤーの技量を翠玉等級程度と見積もった。
燭台に似た一本腕の呪物でゴブリンどもを従わせ、生け贄となる女を集めさせ、街中で混乱を起こすためゴブリンスレイヤーと受付嬢に逆恨みを抱いた圃人斥候を雇い、秋祭りに受かれる辺境の街の四方をゴブリン軍団で囲い、攻めようと企んだ。
しかし、(呪物の加護で)個人の戦闘能力は充分あるものの指揮に関しては三流以下としか言いようがなく、ゴブリンスレイヤーから『素人』『舐めてるとしか思えん』『ゴブリンロードの方が、よほど手間だったな』と、これでもかと酷評されている。
用兵は下手なものの戦略に優れているオーなんとかさんや、戦略はクソ雑魚ナメクジなものの同族の用兵に優れたゴブリンロードに比べ、原作者から戦略・用兵共に酷評されている。
そもそも彼は、難病の幼なじみを救いたいと願う寒村の女の子のために、幻想の女神様が彼女とその仲間達が勝てる程度に揃えた敵の一人であり、幻想がファンブルしたおかげで生き残っただけである。つまりは素の戦闘能力は白磁等級の一党でも攻略できるレベルの可能性が高い。
おそらく百手巨人といった力は、呪物に目をつけた真実の神様が与えたものと思われる。
なお、闇人全てが祈らぬ者となる訳ではないらしく、稀に善なる心を以て秩序の勢力に与する者も存在している。
岩喰怪蟲(ロックイーター)
岩喰い、オルゴイコルコイとも呼ばれる。
硬い外殻を持つ、巨大なミミズのような怪物。
鋭い牙で岩を噛み砕きながら地面を掘り進み、音を便りに獲物に襲いかかり、鎧を着た冒険者でさえもあっさり喰い殺す程。
彼らが掘り進んだ洞窟には鉱石がよく採掘されるが、ブロブの様に、それを利用して洞窟にやってきた人間を捕食する怪物もいる。
禁制品として幼虫を使う仕掛人もおり、鍵開けに利用される事もある。
巨人(トロール)
白い肌にずんぐりとした巨体の怪物。呪文は使えないものの、豪腕から繰り出される攻撃は脅威である。
日の光で石化する、トンネルにはトロールが住み着くものなどという逸話も持っている。
基本的に愚鈍な性格だが、仕掛人として街に潜伏する者や、国王に変身して一国を乗っ取る個体も存在するため油断ならない。
ドラゴン
説明不要の最強の怪物。
財宝を溜め込み、強大な力を持つことで広く知られており、基本的にゴブリン以外は興味がないゴブリンスレイヤーも知っている程。
「ドラゴンに手を出すな」という格言があるように、下手に手を出すと報復として近くの町にまで被害が及ぶため、余程の事が無い限り戦わずに逃げる方が賢明である。また、ドラゴンが溜め込んでいる宝を盗むのも、逆鱗に触れる事である。
また、トンネルにはトロールが生息していると認知されているように、『ダンジョンにはドラゴンが生息しているもの』という認識が広まっている。