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圃人斥候

ごぶりんなみのげす

蝸牛くも氏のライトノベル「ゴブリンスレイヤー」に登場するキャラクターの一人。
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CV:岩中睦樹


概要編集

蝸牛くも氏のライトノベル「ゴブリンスレイヤー」に登場するキャラクターの一人。冒険者でありながらNPC同様悪役側にいるという珍しいキャラクターである。


辺境を拠点に活動している斥候(スカウト)の冒険者。等級は鋼鉄等級

ゴブリンスレイヤーの事は「楽な仕事ばかりして銀等級になった男」と認識しており、自分もそのようにありたいという勝手な同族意識を持っていた。

一見すると人懐っこいお調子者の圃人だが、人好きのする容貌の裏には後述の通り、醜悪な本性を隠し持っている。


経歴編集

武僧、戦斧士、妖術師とパーティを組んでいたが、ある冒険で斥候という立場を悪用し、自身が発見した財宝を独り占めする行為に及んでいた(財宝は換金され、ブーツなどの彼の装備品の新調に充てられていた)。

その後、意気揚々と臨んだ昇格試験にて受付嬢からその事を追求された末、白磁等級への降格及び街周辺での冒険者稼業禁止を言い渡され、ギルドを事実上追放される格好となった。


通常はパーティが冒険中に見つけた戦利品は、パーティの共有財産として帰還時にギルドに申告されるのだが、他のパーティメンバーが困窮にあえぐ中、彼のみ妙に羽振りが良くなっている事がギルド周囲の金回りから判明し、先述の悪行の発覚へと繋がってしまった(彼は「故郷からの仕送り」とごまかしたものの、同席していた監督官の《看破》で即座に嘘だと見抜かれている)。


当然この処分に納得いかない彼は反論するも、受付嬢に毅然とした態度で論破され、立会人であるゴブリンスレイヤーに同じ冒険者として助けを求めるが、「その冒険者を騙したのだろう?」と断じられる。激昂のあまり受付嬢に襲い掛かろうとするも、ゴブリンスレイヤーの反撃を恐れて思い止まり、捨て台詞を吐いて逃げ去った。


書籍3巻ではこの一件の逆恨みから、邪教団の生き残りの闇人の甘言に乗って『祈らぬ者』となり、収穫祭で受付嬢とゴブリンスレイヤーを強襲した。毒塗りの手投矢がゴブリンスレイヤーに直撃し、次のターゲットを受付嬢に定めるが、鎖帷子でガード出来る事を見越して、不意を突く前提であえて手投矢を受けていたゴブリンスレイヤーからの騙し討ちによって絶命した。


ギルドと冒険者の力関係や毅然としすぎた受付嬢の態度(※)などから、彼の不満には共感出来る部分もあるが、受付嬢の言ったとおり彼がやらかしたことは、冒険者の信頼を築こうと尽力するギルドの顔に泥を塗る行いであり、何より同じ冒険者仲間への裏切り行為(彼の仲間達はみな困窮し、特に武僧は家族を持つ所帯持ちであり、なおさらネコババが許されない状況であった)に他ならない。

それを抜きにしても彼の言動の端々には、受付嬢に対して歪んだ欲望を抱く、悪事を追求された際に反省よりもその場をやり過ごす事に腐心する、本来なら逮捕されてもおかしくない所を恩情により降格・追放程度に留まったにも拘わらず逆ギレする、などといった歪んだ人格が表れており、トータルで見ると同情の余地はほとんどない。

また、ネコババについても、圃人斥候は「斥候の特権」と嘯いていたが、ギルドに「よくある事」と目を付けられた事から、ネコババしたのがバレて処罰を受けた冒険者の例は多く、圃人斥候が初めてではない事が示唆される。仮にもし、一党内でそういう取り決めをしたり、ギルドに申告していたのなら話は別だったのだろうが、一党やギルドを欺いて私腹を肥やした事が彼の転落の一因だろう。

また、冒険者の中には一癖も二癖もある者もおり、監督官の《看破》に引っ掛からない様にハッタリで昇格に乗り切る者もいる。バレないと高を括り、対策しなかった圃人斥候に非がある。


※これは、冒険者相手にナメられないために気丈に振る舞っているためであり、実際圃人斥候が出ていったと同時にゴブリンスレイヤーの目の前にも拘わらずヘタりこんで弱音を吐いていた。

 更に言えば、多くの在野冒険者は特定の住居や戸籍を持たないある種の流民であり、名声以外に身を立てるものがなく、ギルドの保護や信用がなければ無宿の無頼者でしかないため、そんな彼らに比べれば国営の役所であるギルドの方が権力が上なのは当然の事だろう。



しかし、戦闘能力は低くないどころか俊敏さを持ち、頭に血が上っても白昼に戦士職と真っ正面から戦えば絶対に勝てないと理解する程度には頭が回る。短剣での白兵戦も、ゴブリンスレイヤーが不意討ちでやられては分がないと諦める程度には優秀。

収穫祭の際にゴブリンスレイヤーに不意討ちできたのは、暗闇で遮蔽物に隠れるというこれ以上もない有利な状況だったからであり、ゴブリンスレイヤーの『まず勝てない』という言葉の様に、普通の冒険者なら仕留めても不思議ではなかった(しかも受付嬢を守っての戦いになる為、ゴブリンスレイヤーにとっては圧倒的に不利な状況下である)。

しかし、相手が『普通の冒険者』では無かった事が運の尽き。結果、初撃が命中して舞い上がったのか、相手に不意討ちを許すという斥候らしからぬ失態を最期に演じてしまった。


AA版では賭博黙示録カイジの三好が充てられている。



関連タグ編集

ホビット 小悪党 クズ

チルチャック …… 漫画版アニメ版でのデザインが似ている

アドン(ベルセルク) …… 矮小な人格と侮れない戦闘能力を併せ持つ者繋がり







































書籍9巻では、ゴブリンスレイヤーが書籍1巻でオーガを倒した事を知っており、その話は雇い主の闇人を介して魔神王の残党内に広まっていた。

それにより、オーガの弟が兄の仇討ちに燃える遠因となった。


それによりゴブリンスレイヤーは混沌の勢力内で名を知られる事となったが、彼らからすればゴブリン退治しかしない変なのより、魔神王を初めとして幹部や邪教団を次々と葬ってきた超勇者ちゃんの打倒の方が最優先なので、オーガ(弟)以外は誰も打倒ゴブリンスレイヤーに声を挙げる者はいなかった(これは丁度「ゴブリンの対応より魔神クラスの対処の方が先」という祈りし者たち側の状況と同様であり、皮肉にもゴブスレさんの「つまり俺は奴らにとってのゴブリンだ」と言う言葉を図らずとも証明していると言える)。


書籍10巻のドラマCDでは、女騎士槍使いから性格はともかく斥候の腕に関して一目を置かれていた事が判明。

しかし、女騎士から『根性は叩き直さねばならない』、重戦士から『見所はなかった』『てめぇが功名を得る事しか考えてない』『抜け駆けされてみろ、一党全体がやべぇぞ』と本性を見抜かれており、槍使いもゴブリンスレイヤーの方が良くも悪くもストイックで裏切る心配はないと納得している。

なお、彼が混沌勢に堕ちてゴブリンスレイヤーに殺された事は周囲には知らされておらず、彼の最期に関わっていたゴブリンスレイヤーや受付嬢は気まずそうな雰囲気だった(彼らの性格的に、事実とはいえ死体蹴りする様な真似はしたくなかったかと思われる)。


つまり、彼がゴブリンスレイヤーや受付嬢に逆恨みせず、闇人の甘言に乗らずに一からやり直していれば、まっとうな冒険者として生き残れた可能性があったと考えられる

なお彼の元同僚達は青玉等級に昇格し、書籍10巻ではさらに翠玉等級となって再登場しており、混沌勢に堕ちた事が彼の最大の不幸と言っても過言ではないと思われる(更には、やけに白粉の匂いがする森人の美女が斥候として新たに加わっている)。


アニメ2期では書籍3巻の出来事が丸々とカットされたが、原作者のコメントによるとカットされただけで3巻の出来事はちゃんと起こっているとのこと。

そのため、アニメ2期開始時点で圃人斥候は既に故人であると示唆されている。

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