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解説編集

CV:遠藤綾

西方辺境一帯における神官職の頂点、至高神の大司教(アークビショップ)を務める聖女。「水の街」の神殿を預かる。

10年前に魔神王の1柱を撃退したパーティーの一人として、冒険者序列2位の金等級に列せられている。これは伝説の勇者ら白金等級に次ぐ序列で、国家規模の事態への対処を求められる地位である。

役職のイメージとは裏腹に豊満で扇情的なプロポーションを非常に露出の高い神官衣に包み、その肉体美に負けず劣らずの美貌を併せ持つが、普段その目元は布で覆い隠されている。

「水の街」で相次ぐ女性惨殺事件の犯人が、街の地下水道に潜むゴブリン達だと判明したため、吟遊詩人にも謳われる”辺境勇士・小鬼殺し”へ名指しでゴブリン討伐を依頼する。現在の国王とは互いの旧きを知る間柄で、友人関係にある。


極度の弱視であるが、紙を指先でなぞりインクの高さでもって文字を読み、わずかな足音で種族まで識別し、(予想してたとはいえ)追剥の奇襲を天秤剣で難なく返り討ちにするなど、他の器官で十分すぎるほどカバーしており殆どハンデになっていない。

書籍2巻時点の銀等級4人+黒曜等級のゴブリンスレイヤー一党なら単独(ソロ)でもわりと何とかなるとこと。


天秤剣を持ち、目隠しをした至高神の大司教というイメージのモデルは、おそらく正義の女神ユースティティア





















ネタバレ編集

実は駆け出し時代、ゴブリンの群れに襲われ救出されるまでの数ヶ月間、ゴブリンたちに陵辱されたという凄惨な過去を経験している。

その時に両眼を焼かれて辛うじて失明は免れたものの極度に視力が落ちてしまった。


それ以来ゴブリンに対して恐怖の余り戦えないほどのトラウマを抱く様になり、毎晩のようにその悪夢にうなされている。

しかも、英雄視されている自分が最弱のゴブリンに怯えている事など立場上公に明かすことも出来ず、それが輪をかけて彼女を苦しめている。

また、普段は白く傷ひとつない綺麗な肌をして見えるが、入浴などで体温が上がると過去の傷痕が全身に浮かび上がる。


水の街での一連の事件は、彼女と浅からぬ因縁を持つ魔神王の残党が引き起こしたものだった。

彼女は事件の全貌をいち早く察しており、彼女自身で決着をつける事もやぶさかではなかったものの、残党が尖兵としてゴブリンを使役していたが為にトラウマを刺激され、自ら討伐に赴く事が出来ずにいた。

そこであえて事件の真相を伏せ、地下水道に巣食うゴブリンの仕業であると触れて回り、冒険者ギルドに討伐依頼を出す事で、ゴブリンの脅威を知らしめつつ事態の収拾を図ろうとした。

が、平和慣れした民衆がゴブリンに対する認識を改める事は無く、結果的に黒幕を放置した事でいたずらに犠牲者を増やすだけの徒労に終わってしまう。

誰にも打ち明けられない苦悩を抱えた彼女が出来る事と言えば、使徒を見張りに立ててゴブリン達を地下水道に封じ込めるのが精一杯であった。

ゴブリンスレイヤー一党が地下水道でエンカウントした沼竜(アリゲイタ)は至高神の使徒であり、迷い込んでしまった冒険者を追い出しつつ、ジャイアントラットやジャイアントローチといった害獣・害虫を駆除していた(水の街に下水道保安の依頼がないのはそのため)。

彼女と沼竜は感覚を共有しているため、間接的とはいえゴブリンに触れてしまった嫌悪感から風呂に入った際、女神官に傷痕を見られてしまう(その傷の意味を痛いほど理解している女神官は、追求しなかった)。


ゴブリンスレイヤーはゴブリン退治の過程で、一連の事件を自然発生したゴブリンの仕業と片づけるには不自然すぎる状況の数々から、この小鬼禍が人為的要因によるものと推察する。

幾度目かの探索を経て、ゴブリンの住処に繋がる『転移(ゲート)』の鏡を見つけた一行は、ゴブリンをこの地に呼び寄せ害意を振りまく者の存在を確信。地下水道に巣食うゴブリンの大集団を殲滅し、真相を明らかにすべく剣の乙女のもとへ向かった。

なおゴブリンを利用し、剣の乙女への報復を企てていた魔神王の残党その人は、時をほぼ同じくして独自に行動を起こしていた勇者一行に居場所を突き止められ、あっけなく討伐されてしまう。

計画の要となった鏡も、ゴブリンスレイヤーの意向で鏡面を混凝土で塗り固められた状態で沼竜の寝床にされ、彼らの目論見は完全に潰えることとなった。


ゴブリンスレイヤーから真相を隠していた事を問われ、彼女は全てを打ち明けた。

そんな彼女に彼は咎めも同情もせず、「ゴブリンが出たなら呼べ」「たとえ夢の中でもゴブリンなら俺が殺してやる」ただそう告げて彼女の心を救う。

以来、毎夜安らかに眠れるようになった彼女は、前よりも精力的に活動を行う一方で、自分の悪夢を打ち倒してくれた勇者にも勝る希望(ヒーロー)にぞっこんになり、彼絡みの案件になると途端に乙女回路がフル稼働を始めるようになった。












さらなるネタバレ編集


実は子供っぽさがある意外と面倒くさかった人物であると判明(コミック版5巻の書き下ろし小説によるとゴブリンスレイヤーと出会う前からそういう性格であったらしい)。

ゴブリンスレイヤーに恋してからは更にポンコツ度に磨きがかかり、彼に会いたいが為に辺境の街の祭に行きたいと駄々をこねたり、ゴブリンに拐われた令嬢剣士の救出依頼にかこつけて恋文よろしくな情熱的な手紙を送ったりして、部下からは更に呆れられてしまっている。

他愛もない会話の最中に想い人の事を考えて惚けてみたり、彼を取り巻く女性と自身を比較して物憂げになるなど、年頃の恋する乙女のような振る舞いを度々見せている。


センシティブな作品駄々っ子の乙女


「天の火石」事件の折は対策の為の御前会議に緊急招聘され、道中にゴブリンライダーが跋扈し始めた懸念から、ゴブリンスレイヤーに護衛を依頼し王都へと向かった。

だが御前会議の最中、王妹がゴブリンどもに攫われたとの報が入り、場は騒然となる。

むやみに軍を動かせない状況下で、信用ある実力者としてゴブリン討伐及び王妹救出を自身が託されたことでトラウマを再発させられそうになるが(彼女のトラウマの件は、国王ですら知り得なかった、もしくは知った上で彼女に頼らざるを得ない状況下だったと思われる)、女商人(元・令嬢剣士)の手引きにより、ゴブリンスレイヤー一党がこれを代行。

その後、死の迷宮から王妹を救出したものの、満身創痍かつ四面楚歌の状況下にあったゴブリンスレイヤー一党の援護に、神官戦士たちを率いて駆けつける。

彼女自身、挫けそうになりながらも勇気を振り絞り、ゴブリンの群れに立ち向かった。


実は、原作者蝸牛くものAA作品の1つ、『Wizardry ユース・アンド・アッシュ・サイドバイサイド』の登場人物でもあり、10年前の魔神討伐のパーティーとはこちらの主役達の事である。

ゴブリン退治に失敗した事が噂として広まったせいで仲間から見放され、鑑定屋として柄の悪い冒険者に絡まれた所を侍の青年『君』に助けられた。

そして『君』を始め、その従姉である魔術師、半森人の斥候、槍使いの女戦士、蟲人僧侶と共に、自身は司教として地図描き担当も兼ねつつ、『死の迷宮』へと挑んだ。

なお、時系列的に、この時の冒険ではゴブリンへのトラウマを払拭することは出来なかった様で、ボイスドラマにて女戦士に立ち直った事について喜ばれている。

なお、AAの配役はラクス・クライン


センシティブな作品


この冒険については、外伝2作目『鍔鳴の太刀《ダイ・カタナ》』にて連載中。

なお、ゴブリン相手には恐慌をきたしてまともに戦闘に参加することもままならなかったが、相手がゴブリンでさえなければ『祈らぬもの』と成り果てた盗賊(人間)の脳天を躊躇いなく天秤剣(の分銅)で叩き潰すなど、冷徹にして武闘派な面も見せている(まあ、相手も初心者を殺して装備品を売るような外道なので是非もなし)。


『君』の事を慕っていた様子だが、現在を見るに想いは実らなかった様である(とはいえ、現在も仲間と交流があり、当時の事を楽しそうに思い返しているので、割りきったようである)。


使える奇跡編集

これ以外にも多数の奇跡を高いレベルで用いることが出来ると思われる。

  • 蘇生(リザレクション)

最大級の回復の奇跡。名前に反して死者を復活させるものでは無く、瀕死の者を最大限賦活させるものである。

発動の際は「神殿などの神聖な場所で行う」「対象者と処女とを同衾させる(ただしそれ以上に至ってはならない)」などの条件が設けられており、おいそれと使用出来るものではなく、並の冒険者には縁遠い奇跡となっている。

ゴブリンスレイヤーに使用した際には女神官を介して発動した。


  • 聖壁(プロテクション)

「《つるぎの君よ、見るべきを見、語るべきを語るものに、守りの加護を》」

8巻冒頭、10年前の回想シーンで使用。女神官も使える術だが、仕える神が違うために詠唱は異なっている。


  • 沈黙(サイレンス)

「《汝らに、黙秘の光あれかし(ライト・トゥ・リメイン・サイレント)》」

同じく10年前の回想シーンで使用。蟲人僧侶との連携で、対峙するグレーターデーモン2体の呪文を封じ込めた。

何故か詠唱が英語だが、これは警察が逮捕した被疑者に告げる「あなたには黙秘権があります(You have the right to remain silent.)」からだと思われる(権利(right)と光(light)を掛けている)。


  • 聖撃(ホーリースマイト)

「《裁きの司(つかさ)、つるぎの君、天秤の者よ、諸力を示し候(さぶら)え》」

見習聖女の祈りの言葉と同じ言葉で発動する雷撃の奇跡だが、見習聖女のそれが一発だけを放てる物なのに対して、剣の乙女のそれは天上から無数の雷撃を敵勢に叩きつける凄まじいものである。

死の迷宮でのゴブリンスレイヤーの援護にて使用され、数多のゴブリンを一瞬にして葬り去った。


また、奇跡の他に真言による魔法も心得ており、鍔鳴の太刀《ダイ・カタナ》ではパーティーメンバーとの連携で一節ずつ真言を唱えて魔法を放つシーンが多く見られる。

なお、元ネタでも、司教はアイテムの鑑定能力のある僧侶と魔法使いのデュアルクラス。

前述の「鑑定屋をしていた」というのもここからだと思われる。

実際、当初の彼女のように「かんてい」として補欠ビショップを酒場に留守番させていたプレーヤーは多かったことだろう。


関連イラスト編集

センシティブな作品センシティブな作品

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関連タグ編集

ゴブリンスレイヤー 聖職者 鍔鳴の太刀

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