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ゴブリン(ゴブリンスレイヤー)

ごぶりん

ゴブリン(ゴブリンスレイヤー)とは、小説及びそれから派生した漫画、アニメの「ゴブリンスレイヤー」に登場するモンスター。
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他の作品におけるゴブリンの設定はゴブリンの項目を参照。


概要編集

祈り持たぬ者(ノンプレイヤー)の筆頭である小型種の怪物、その中でも最弱に分類されるモンスター。小鬼とも呼ばれる。

小鬼殺し曰く2つの月の内、緑の月(Green Moon)から来たとされる。


ファンタジーRPGなどに登場するありふれたゴブリンそのものだが、ことこの作品においては生態や性質を深く掘り下げる事によって、ヒトとは相容れないものとしての存在感を際立たせている。


性質編集

成体でも膂力・知能は人間の子供並程度で、原始的且つ簡素な武具を扱い、簡易な衣服を纏う程度の知力は有しているがその知力はあまり生産には使われず、略奪行為を主とする。

只人の間で『誰かが失敗する度に1匹湧いて出る』と揶揄されるほどに数が多く、繁殖力も強い。適応力も高く下水道から雪山まで様々な環境にも順応する。単体では弱小だが徒党を組んで襲撃してきた時の脅威は馬鹿に出来ない。


性格は一律して残忍かつ極めて自己中心的で執念深い。

夜目が利き、暗所を好み、闇夜に乗じて害を振り撒く。

知力こそヒトに劣るが狡猾であり、運良く生き永らえた個体は経験を通して学習し、得た知識を群れに伝播させるという性質を持つ。

「奴らは馬鹿だが間抜けではない」とはゴブリンスレイヤーの弁。


性別は雄しかおらず他種族と交配することにより生殖を行い、産まれた子は全てゴブリンとなる。

そのため他種族の女を攫い生殖用の道具(孕み袋)として使う他、食料、娯楽の道具として他種族の女、しばしば人間種のそれを拐かす。

孕み袋にもならない男は捕虜にしても暴れるし面倒だからと殺され、彼らの食材にされる(もしくは、捕虜の心を折るために見せしめに殺される役割)。


成長が胎児の内から早いために妊娠期間が短く、出生後も急速に成長するので、孕み袋さえあれば短期間で増殖出来る。

その悪辣さは幼体の時から既に培われており、情に駆られて見逃したはずの子ゴブリンから不意を討たれて不覚を取る、逃げ延びた個体が上位種となり、新たな脅威と化すといった事例が後を絶たない。

故に子供であろうと情けをかけず、一匹残らず根絶やしにする事が推奨されている。


略奪種族だが勇敢とは程遠く、加害対象は主に弱者。集団行動に長けており、一見すると仲間意識が高いようにも見えるが実際は利用し合う関係でそれは自身の加害行為を正当化するための建前であり、同族への社交的な態度はフェイクに過ぎず、自分本位の為と絆は皆無である。

そのため、利他を学び「優しさ」に目覚めることは決してない。


例として、ゴブリンは捕虜を盾にする肉の盾で相手の攻撃を躊躇させる事を学んでいるが、敵がゴブリンを盾にした所で同様の効果は望めず、むしろ捕まった仲間の失態を嘲笑い、平気で攻撃を加える。それでいて自分に同族を殺させたとして、ゴブリンを盾にした相手を憎む。

乱戦になれば範囲攻撃を行うのを躊躇るが、それも仲間を巻き込むことを恐れてではなく、巻き込むことで自分の盾になるゴブリンが減るのを心配してである。

大規模な戦いにおいて数的優位にあっても、自分への消耗や負傷が嫌で逃げ出す事もあり、とことん自分本位な性質。

また、その筆舌に尽くしがたい残虐な行為をやり尽くしてなお、罪悪感どころか相手からの報復は全く理解できない、歪に肥大した被害者意識の塊で、他者が生産して得た正当な糧も自身の所持品が奪われたかの如く妬むほど。

総じて、弱い者いじめを好む身勝手な悪ガキから完全に倫理を欠落させ更に性質悪くした存在か、もしくは思想や大義を持たず欲望に任せて行動するテロリストと言える。

実際、劇中におけるゴブリン達の行動はテロリストのそれその物(破壊殺戮略奪婦女の凌辱拉致であり、特に小鬼聖騎士の勢力の体裁は殆どテロリストに等しく、国の転覆や反逆を目論む正真正銘のテロリスト達がゴブリンを利用していたケースすらもある。


下記の上位種や他の祈り持たぬ者に従う事はあるが忠誠心はなく、むしろ『何か偉そうにしてるのが気にくわない』と思っており、スキあらば出し抜こうと常に機会を窺っている始末である。

故に、彼らを統率する強大な祈らぬ者は、自身が返り討ちにした女性冒険者を物資として与えるなどして従わせているが、基本的には一時的なものにすぎない。


まれに番犬、もしくは乗騎として狼を飼うケースも存在する。

狼を基本的に食料としか見ていないゴブリンにとって、狼を使役する事自体が、群れの蓄えに比較的余裕があるという証左であり、コミュニティの規模を測る一つの指標となっている。


やる夫スレ版でのAAはまさかのテラフォーマーが当てられていた。・・・なにこれ超恐い。


ゴブリンへの対応編集

そんな有様でも国家は冒険者に対応丸投げなのだが、結論から先にいうと原作者曰く



とのこと。


事実として四方世界にはゴブリンよりも遙かに強大な、世界を滅ぼしかねない魔神や竜などが跋扈しているため、ゴブリンのみが重要視されることはまず無い。

単体が弱いために脅威度評価は低く見られがちで、国家や領主がその害に対して動く事はほとんど無い。正確には、冒険者ギルドが国営の組織であり、国が冒険者を送り込む形となっており、そしてそれで事足りてしまうために軍隊が動くことがない。


弱いとはいえモンスターの中で最弱という意味であり、一定数の規模に膨れた群れは、自衛力の乏しい村落にとっては十分脅威であり、その害は重大問題なのだが、収入の乏しい村落が依頼主と言う事から実入りも少なく、討伐依頼を敬遠する冒険者は少なくない。そのため、駆け出しの冒険者が引き受ける例が多い。

ただし社会貢献度の評価に関しては比較的高めであるらしい。


駆け出しは経験不足からゴブリンを弱小怪物として侮る傾向が強く、事実、単体としてはさほどの脅威ではない。

多くは苦戦しながらも勝利し、冒険を侮ってはいけない事を学ぶが、その一方で全滅してしまうケースも発生する。


無残な敗北を辿る原因としては単体の弱さから侮る慢心や、洞窟や廃墟など夜目のきくゴブリンに優位な環境に攻め込む際に十分な対策を取らないこと、後述の上位種の存在を頭に入れていないことなどがある。

本作の世界においては識字率もさほど高くないのも手伝い、冒険者志望の若者にゴブリンのリスクが十分伝達されているとは言い難い。

はぐれた弱いゴブリンをたまたま倒しただけで調子に乗ってしまったり、討伐がうまくいった自慢話を表面的にしか受け取らないことでの慢心も生まれやすい状況とも言える。


また本作においては世界を支配するのが神々の骰子(ダイス)であることから、熟練者であったとしても100%の勝利は確定されず、総じて「面倒くさい」相手とされている。

故に実力者の冒険者が討伐に乗り出そうとすることはあまりなく、ゴブリンスレイヤーが異色の存在たる理由でもある。


拐われた村娘や敗北した女冒険者など、ゴブリンに捕らわれた者は熟練冒険者でさえ直視をためらう程の悲惨な末路をたどる事が多い。だがゴブリン退治全てにおいてそういう状況と対面する訳ではなく、大概はその前に他の依頼を受けるようになるため、結果多くのベテランがゴブリンという種族を十全に理解できていないのが実情である。

一方で、ゴブリン襲撃とは無縁な街や都ではゴブリンの脅威が伝わる事はほぼ皆無であり、ゴブリンに殺されたり、ゴブリンに捕まって陵辱された冒険者を嘲笑い中傷する者も少なからず存在する。


だからといって女冒険者を同行させなければいいのかと言えばそうでもなく、青年剣士の様に男冒険者は肉塊にされるまで叩き殺され、遺体は捨てられるかゴブリン達の食材、果てには上述にあるように捕虜の心を折るための材料として使われ、男性であっても負ければ悲惨な最期にあう事には変わらない(ボイスドラマの様に、早期に救援が来たことで無事だった例もある)。

女性であっても孕み袋にされることなく惨殺される事もあり、「貴重な孕み袋だから大事にしよう」という考えはなく、「壊れたらまた他所から拐えばいい」感覚で使い潰される。


……と、ゴブリンの脅威について述べてきたが、忘れてはならないのは『ゴブリンは最弱の怪物』であり、ゴブリンスレイヤーもそれを認めているという事(ゴブリンに関して国が兵を動かせない事に言及しており、なおかつ不平不満を言っていない)。


十分に準備をして臨めば初心者でも群れのゴブリンを倒せないわけではなく、実際慢心や準備不足で全滅した序盤のPTでさえも群れの半数近いゴブリンをちゃんと倒している。

また、準備を怠っていても生きて帰ってくることができた冒険者もいる(新人時代のゴブリンスレイヤーも、本編で大ポカをやらかした冒険者と同じミスをしつつも、策をねって何とかゴブリンどもを殺している)。

要は失敗しても落ち着いて対処すれば、容易に倒せるのである(事実として、ゴブリンに敗北した冒険者達は皆、予想外の事態に動揺し、追い込まれた)。

銀等級の重戦士は『きちんと準備していれば、ゴブリンなんて大したこたぁない』と述べている(事実、駆け出しの頃にゴブリン退治をしていた彼の一党は、入念に準備した上で度重なる失敗をフォローしあっていた事もあり、痛い目を見つつも生きて帰ることができた)。


作中ではゴブリンスレイヤーの一党視点で描かれるためにゴブリンに敗北する冒険者が目立つように見えるが、彼らはゴブリン討伐に挑んだ冒険者の内の、極々稀な一例に過ぎない

ゴブリン退治に成功した例を書かれる事は少ないが、これは現実の歴史書の様に当たり前だからこそ特筆する必要がないとも捉えられる。

原作者もゴブリン退治は死亡確定な最難関案件ではないと度々発言し、ゴブリン退治に失敗した冒険者達を蔑むつもりも無いとも発言している。

事実、書籍12巻では新米戦士の一党がシャーマンやホブといった上位種がいない群れを相手に、毒を警戒しつつ連携して戦った事で勝利を収めている。……というより、これが本来のゴブリン退治の流れである

外伝作品の『鍔鳴の太刀』でも、最初の方でゴブリンと戦って勝利している。こちらではゴブリンの脅威はあまり描かれず、どちらかといえば見窄らしい男(と粘菌)の方がより脅威的に描写されている。


また、上位種も含めた特徴として『待ち伏せはするが、自分達が待ち伏せされるとは微塵にも考えない』とある。そのため、待ち伏せや伏兵には弱い。誘導にも引っ掛かる。


なお、事情をよく知る受付嬢は駆け出しに対して「ネズミ捕りなど簡単な仕事で練習する」「自分より上位のPTに参加する」事をやんわり勧めているが、原則ギルドは強制力を持たないが故に、主に忠告を聞き入れない新米を始めとした、それなりの数の冒険者が不幸にも犠牲となる事態を止められずにいる。


また、前述のゴブリンの実態が伝わりにくい事もあって、ゴブリン共を従える立場でありながら彼らの生態をまるで理解せず、特性を活かしきれていない祈り持たぬ者(特に人間種)もおり、それらについてはゴブリンスレイヤーから素人と酷評されている。


しかし、数が多く手っ取り早く増やせることから混沌の勢力が雑兵目的でゴブリンを生み出す事もある。

よって、たとえ四方世界のすべてのゴブリンを殲滅しても、他の祈り持たぬ者が健在である限り、どこかで何者かが新たなゴブリンを産み出してしまうと思われる。

故に、ゴブリンだけを見てゴブリンの危機を声高に叫ぶ者は些か視野が狭くなっている


現に「ゴブリン退治だけに力を入れた結果、他の怪物に滅ぼされた国」の歌も広まっており、一丸となって他の脅威を無視してゴブリン対策すればいい訳ではない(他ならぬゴブリンスレイヤーや令嬢剣士もそう思っている)。たとえ打開案を考案しても、今度は「それを実現するのに必要な人材と財力はどこから出すんだ?」という話になり、今まさに西方辺境の国王が頭を悩ませている事例である。

ゴブリンスレイヤーや勇者、国王などの主要人物達が自分のやるべき事と相手の役割を理解しているからこそ、(多少の被害は出ているものの)この世界は均衡を保っていると言え、急な変化はむしろその均衡を崩しかねない。

仮に作中世界でゴブリン系モンスターの完全殲滅に成功したとしても、人類にとって脅威となるモンスターは他にも数多く存在する以上、「他の数多くのモンスターの中から『ゴブリンの立ち位置を引き継ぐ存在』が新たに出てくるだけ」という負の可能性も否定出来ず、下手をすればゴブリンよりも強力で厄介な種が世界各地で大量発生し、ゴブリンと同等かそれ以上の惨劇を巻き起こす事にさえなり兼ねない。

そしてそれ以前に、作中でのゴブリンは「人類にとってそれなりの脅威であるのに加えて凄まじいレベルでの繁殖力を備えている」という性質から、他のモンスターだけでなく国家転覆を狙う悪意を持った「人間」にさえ「容易に増やせる手駒」として利用されるケースも珍しくない為、ゴブリンの被害を世界から完全に無くすのは、実質的に「不可能」に近いとも言える。


ただし、国やギルドもこの状況にいつまでも甘んじている訳では無く、いくつかの対策を水面下で進めている事も付け加えておく。


上位種編集

ゴブリンの多くは子供並みのサイズと実力だが、中にはそれを超える体格と実力を持った者がおり、群れの用心棒や指導的立場になることがある。


冒険者と同じように用心棒のような職種を得る者もおり、そういった者は巣窟を移動していく“渡り”となる。

知能は低い一方で経験を積んで成長してゆく社会性が窺え、その経験や適応力が新たな群れで還元され、チームワークを生み出すので、やたらと機転の利く厄介さを持ち合わせており、馬鹿だが間抜けではないのはこれがいい例で要するに世渡り上手なのである。


上位種の分類編集

  • 渡り

巣穴を様々な理由で追われたはぐれゴブリン。

厳密には上位種ではないが、群を渡り歩いた個体はその経験により群での地位が相対的に高くなり、前に所属していた群で得た知識を次の群へ伝えることで結果的にその群が強化されることになる。

また、そうして知識を蓄積した大人は上位種を生む可能性が、知識を得た子供は上位種へ成長する可能性がそれぞれ高くなるという性質がある。

継承する知識は千差万別であるがどちらにしろ厄介な存在であり、ゴブリンは子供ですら一匹残らず殲滅し、逃がしてはならないとされる理由の一つである。


  • 田舎者(ホブ)

先祖返りにより大きな躯体となった者。

周囲より強い自分は尊敬されるべきだと威張り散らし、巣穴のボスや用心棒を務めることも多い。

人間一人を軽々と投げ飛ばすほどの力を持っており、駆け出しの冒険者にとっては脅威たる存在。


  • 呪術師(シャーマン)

何らかの方法で精霊と交信した呪文使い。獣骨や人骨を使ったトーテムを好んで作る。

ゴブリンの中でも高めの知能を持ち、大体は一般的な白磁等級の魔法使いを越える実力を持つ。

呪文より厄介なのが毒や罠などを使用することにより群れ全体の脅威度を上げることであり、率いられた群れは経験を積んだ冒険者を返り討ちにしてしまう事すらある。

ホブさえも従え、群れの指導的立場になることも多い。

使用する術は主に「雷矢(サンダーボルト)」であるが、さらに複数の術を行使する個体も稀に発見される。

また、真言呪文を扱う小鬼呪文使い(マジシャン)もいる。


  • 騎兵(ライダー)

狼を乗騎とするゴブリン。

ゴブリンの群れの中でも、狼に乗りながら各地を放浪、略奪行為を働く群れは放浪部族(ワンダリング・トライブ)と呼ばれる。


  • 小鬼英雄(チャンピオン)

CV:山根雅史

ホブよりも更に豊富な戦闘経験を積み、戦いに特化した猛者中の猛者。

超大型の棍棒を片腕で難無く振り回す等、単純な戦闘力に関してはゴブリンの中でも最強クラスであり、激戦を経て得たホブを凌駕する2~3m以上の体躯と膂力は、肉弾戦において銀等級の冒険者とも十二分に渡り合う程。加えて長年の経験からか、他のゴブリンを躊躇なく囮や盾に使うなどの戦法をも心得ており、その力故に数多くのゴブリン達も付き従っている。

……とはいえ、ヒーローでなくチャンピオンという英語表記から察する通り、単純に力だけで成り上がったにすぎず、「英雄」らしさは当然ない。

ただし、流石にここまで変異すると「所詮はゴブリンだ」等と最早馬鹿には出来ず、駆け出しの冒険者が挑めば間違い無く自殺行為で、ゴブリンとの戦闘経験豊富なゴブリンスレイヤーの一党も、初めて交戦した際はゴブリンスレイヤーが重傷を負わされ、危うく全滅しかけている。また、普段からこいつらよりヤバいのを相手にしている重戦士であっても、女騎士との連携が無ければかなり危うかったとされている(アニメ版では加えて槍使いと一騎討ちを繰り広げた個体も登場した)。


  • 小鬼王(ロード)

CV:井上和彦

ゴブリンとしては異例なレベルでの高い知能と統率能力を獲得した小鬼の首魁。拙いながらも人語を操る個体も存在する。

彼に率いられ、多数の上位種をも擁する程の大規模な群れに成長したゴブリンの一群は、従来の群れとは比べ物にならないレベルの脅威と化す。


……しかし、所詮はゴブリンなので、軍の指揮や作戦立案などの戦術面はともかく目標達成後のビジョンや戦況分析・撤退判断などの戦略面は無能。少人数の冒険者の一党が相手ならまだしも只人の軍隊には荷が重いと思われる(原作者も、ゴブリンロードの戦略はクソ雑魚ナメクジと称している)。

また、やはり普通のゴブリンと同じく臆病者なので、劣勢になれば仲間を切り捨てて逃げ出す(経験を糧に学習する種族なので負け戦でロードが知識を取得して逃亡するのは正しい判断だが)。


書籍1巻では街へ攻め入る足掛かりとするべく、牛飼娘の牧場を狙う個体が登場した。回想にて数々の戦いを生き延び、力を付けていく過程が断片的に描かれている。

牧場戦では軍隊さながらにゴブリンの群れを運用して見せ、策を十重二十重にも巡らせて牧場を襲うも、戦術を読み切っていたゴブリンスレイヤーと、彼の下に集った冒険者達にそのことごとくを阻まれる。

やがて小鬼英雄を繰り出した所で敗色を悟り、単身逃げ延びて再起を図るが、それすら予見していたゴブリンスレイヤーによって退路を絶たれた事で進退窮まりその場凌ぎの命乞いをするも聞き入れられるわけがなく、最期は彼と女神官の連携によって倒された。


なお、牧場戦の個体は、かつて子ゴブリンの頃に討伐にやってきた女性冒険者に命乞いをし、情が湧いて見逃してくれたその冒険者を手にした大石で後ろから頭を殴って殺害していた。その後の残虐な行為も合わせ、視聴者に『ゴブリンは決して改心しないし、むしろ見逃すと他の誰かが襲われるため、絶対に討伐しなければならない』と改めて印象付けた。


アニメ版第1期では彼が率いるゴブリンの軍勢との戦いが終盤に後倒しにされており、この関係でアニメ版第1期におけるラスボスポジションになっている。


やる夫スレ版でのAAではジョーカーアンデッドが当てられていた。


  • 小鬼聖騎士(パラディン)

CV:森川智之

書籍5巻、及び劇場版アニメ「GOBLIN'S CROWN」に登場。

鎧騎士を思わせる風貌を持つ、『外なる智恵の神』より知恵と奇跡を授かったゴブリンの個体。

聖騎士は「異教に抗う軍勢を率いる者」という意味でゴブリンスレイヤー一行が名付けた呼称。

雪山の城址に居を構え、ゴブリンとは思えぬ頭脳で貪欲に吸収した人族の知識を用いて近辺の村を襲い、先遣の冒険者を撃退してきた。

加えて食糧(と言っても描写的に長期保存に耐えられるとは思えないが)や武器の備蓄、金属精錬による武具の製造を目指すという、只人の軍隊並みの計画を練っていた可能性も示唆されている。


作中では只人の儀式を真似た叙勲式を執り行い、群れの結束を固めようと目論むも、ゴブリンスレイヤー一党の乱入で式典が中断。更に蓄えていた物資を奪われ諸々の計画が水泡に帰した事で、怒りのままにゴブリンスレイヤー一党を追撃する。

令嬢剣士から奪った宝剣と人族との戦いで盗んだ剣術を巧みに操るが、ゴブリンスレイヤーにそれらの技術が猿真似である事を看破され、ゴブリンが到底思い至らなかったであろう捨て身の戦法によって宝剣を奪い返され敗れる。


なお、物語終盤の異教に抗う軍勢たらしめる(ゴブリンらしからぬ)死を恐れぬ行軍は《狂奔(ルナティック)》の奇跡によるもの。

計画が破綻した際に再起ではなく狂奔を選択したのは、恐らくは覚知神による入れ知恵であり、彼自身がロードに匹敵する知能を持っていたとは言い難い。


  • 小鬼邪神官(プリースト)

書籍8巻に登場。

小鬼聖騎士と同じく『外なる智恵の神』からの干渉があったと思しきゴブリンの突然変異種。血を触媒として邪神から奇跡を授かる術を得ている。

奇妙な手の入れ墨を施したゴブリン一派を率いる頭領であり、ある目的の為に暗躍する。


  • 竜に乗った小鬼

書籍11巻に登場。

D&Dの赤箱をリスペクトしたゴブリンスレイヤーTRPG限定版の箱に描かれていたゴブリン……の小説版。TRPG版に描かれているのはゴブスレ一党の5人だが小説版では女商人も参戦している。

最弱のゴブリンが最強のドラゴンを従えているかのような構図であるが、真相は寝ぼけているドラゴンに跨って操っているつもりのホブ。


小鬼《クリエイトゴブリン》

ゴブリンの歯を触媒にゴブリンを召喚する魔法。

厳密にはゴブリンの姿をしたゴーレムみたいなものであり、術者の命令に忠実であり、倒されると跡形もなく消える。

初心者向けの迷宮作りにて冒険者の相手として使用された(本物ではないのでゴブリンスレイヤーも不満を言っていない)。


余談編集

もし、四方世界に銃や火器が一般化した場合、ゴブリンどもがそれをどこかから奪い、出回ってしまう危険性があると原作者は説明している。


整備や掃除ができずに使えなくなっても基本的に略奪で賄ってる種族であるため問題はなく、むしろゴブリンからしたら馬鹿な人間どもはそんな危険な物を一ヶ所にまとめて置いて、隠そうともしないから楽に略奪できると見られている。


なお、厳密には四方世界に単筒やフリントロック式の拳銃は存在するが、一発にかかる費用は高く、一般化されていない事を明記しておこう。

拳銃(短筒)に関しては懐に隠し持てる誰でも容易に扱える強力な飛び道具ということで王国内では御禁制となっている。悪魔殺しの一党の治療師が使う単筒が所持を許可されている理由は不明。大きすぎて隠せない為に所持が認められている抱大筒の一種なのだろうか、あるいは信用を得て正式に許可を得たと見るべきである。

もっとも、銃があるにもかかわらずいまだに剣が武器として主流であるということは銃にも致命的な欠点があるということであり、事実、大量の鉄砲で武装した軍が《矢避》の魔法で守られた騎馬隊に一方的に蹂躙されたという笑い話が残っている。


関連タグ編集

ゴブリンスレイヤー


ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかメモリア・フレーゼ:コラボにてゴブリンスレイヤー達同様にダンジョンに現れる。テキストでは翻訳付きでチンピラじみた言動をしており、牛飼娘ヒタチ・千草を慰み者にしようとした。(中の人が同じ故、カシマ・桜花が混乱した)なお、ダンまち世界にはゴブリンスレイヤーのいう「人前に出ないいいゴブリン」がいるが、幸いゴブリンスレイヤーとは遭遇していない。


ルーンクエスト:似た生態を持つ混沌の種族ブルー(BROO)が存在する。

(雌が二割ほど居る代わりに、雄が異種族の雄をアッーして孕ませる事も可能)

原作者はTRPGプレイヤーだそうだし参考にしたのだろうか?

ただしブルーはゴブリンとは比べ物にならないほど強いが(姿も(一般的なのは)山羊頭悪魔である)。


ゴブリンみてぇなクソガキ:本記事のゴブリンの同類とも言える存在。詳細は個別記事を参照。

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