『十分に熟達した技術は、魔法と見分けがつかないものよ。』
『いっつもゴブリンゴブリン言ってる何か変なのにかんぱーい!!』
概要
CV:東山奈央
ひょんなことから鉱人道士と蜥蜴僧侶と共に辺境の街のゴブリンスレイヤーと一党(パーティー)を組むことになった森人(エルフ)の女性冒険者。階級は第三位『銀等級』。
森人の中でも妖精に近い原種・古代種的な存在である上森人(ハイエルフ)で、老衰でだけはまず死なないほぼ永遠の寿命を持つ血統の出身。
その為、森人特有の美貌とうら若い容姿とは裏腹に2000歳と一党内では最年長だが、種族柄故か成長への貪欲さが少なく故郷の森を旅立ち数年そこらのため、まだまだ見聞は狭く精神年齢も未熟(子供っぽいふるまいの時の精神年齢を、鉱人道士は「いいとこ13歳くらい」と評している)。“未知を知る”事を喜びとし、またそのための“冒険”を好む。
一党内での役割は野伏(レンジャー)及び斥候(スカウト)。
探索では人の何倍も優れた感覚で危険をいち早く察知し、戦闘では飼っている蜘蛛の糸を弦としたイチイの弓・木の芽を鏃とした矢を用いての狙撃を本分とする。ひとたび弓を持てば後衛として呪文遣いにも劣らぬ火力を発揮する。
射撃精度は恐ろしく高く、曲げて当てる、部位を狙う程度は当たり前に行う。
威力も只人の弓兵基準で言えば3人力程であり、相当高位のモンスターや大型兵器相手でなければまず遅れは取らない。
更に一党内ではずば抜けた聴力で周辺警戒を行い、上森人ならではの身体能力でたちどころに高所での位置取りをして視界と射線を確保する場面が多い。
手持ちの矢が足りなくなればゴブリンの死骸から鹵獲するなど現地調達を行う。
ただしゴブリンのものは「作りが雑」と嫌っており、あくまでも非常手段である。
また、種族の特性として自然の手助けを得ることができ、木々のある場所であれば急成長を促した枝を矢として調達でき、弓の弦もその辺の蜘蛛から糸を出してもらって即座に張り直すことができる。
馬などの動物に語りかけ落ち着かせることもできる。
一線を画す射撃・索敵・立体的な機動・継戦能力などにより、接近戦以外の場面ではまんべんなく活躍して一党を支えている。
同じ遠隔攻撃の分野でもスリングなどの投擲武器に関しては、森人の投擲能力が只人のそれより遥かに劣ることもあって不得手。
同様に接近戦も苦手だが、複数のゴブリンに組み付かれて半裸にされつつも、ほぼ自力ではね除ける程度の力量は持っている。
森育ち故に木々の間を駆け巡る程の身体能力を持ち、大目玉の《分解》の邪眼の連射を悉く避けたりできる(ただし本人曰く『姉なら避けるついでに攻撃できたのに』との事)。その身体能力から、原作者から度々超トールキン人と称されている。
人物
性格はお転婆で好奇心旺盛、じゃじゃ馬で跳ねっ返り。鉱人道士も初対面時は「森人にしちゃあ珍しい」とコメントした。自由気ままで遠慮がなく、その動作は地の文で度々『猫』と例えられている。
「星風の娘」と呼ばれる氏族の長の娘でもあり、書籍7巻では姉と従兄の結婚を祝うため、仲間を伴って故郷であるエルフ王の森を訪れた。
外見年齢は只人の17,8歳ぐらい。
すらりとした華奢な体躯で、長身設定(実際、受付嬢などよりも背が高い)。初登場時には鉱人道士の倍は背が高いと地の文字で説明されているが、映像化された場合は流石にそれ程離れては無く、せいぜい頭一つ分ぐらい。
白緑色の長髪はリボンで結っている。服装は動きやすさを重視し、意外にも主要登場人物の中では露出度が高い方である。
桁違いの長命種故に未だ成熟途中のスタイルが悩みであり、鉱人道士(と読者や作者)からはその体形を度々金床になぞらえてからかわれている。それに反応して彼と喧々囂々のやり取りをするのも日常茶飯事。
酒も嗜むが、ワイン数杯で酔い潰れるほど弱く、鉱人道士の火酒を飲んで悶絶した。おまけに酒癖も悪く、多くの場合は近しい人間が絡まれる羽目になる。
また、この世界の森人も多くのファンタジー作品同様獣肉食の文化を持たない(チーズなどの乳製品は食べられる)が、この世界では生態系におけるコストパフォーマンスと、森から授かったものを頂くという観点から、成長力と繁殖力に優れる昆虫類を用いた料理が主な蛋白源として重宝され、合わせて絹織物を始めとする虫関連の工業技術に定評がある種族と位置付けされている。
パーティの頭目となったゴブリンスレイヤーの事はエルフ語の『オルクボルグ(小鬼殺し)』という字名で呼び、ゴブリン退治に執着する彼に「本当の冒険」を教えてあげようとしている。
一方で彼女の知的好奇心は、冒険者としては異端な存在であるゴブリンスレイヤー本人にも向けられており、彼の一挙一動に興味を示す光景もまま見られる。
突っかかることもあるが「只人の一生分ぐらいなら付き合ってもいい」と考える程度には彼には好意的で、有象無象に彼を悪く言われる事には仲間として明確な不快感を示している。とある冒険者がゴブリンスレイヤーを侮蔑しつつ自身に言い寄ろうとした時は、当てつけとばかりにゴブリンスレイヤーの下に向かい、彼と親密な様子を周囲に見せつけるという行動に及んだこともある。
およそ冒険とは言えないゴブリンスレイヤーの行動に対しては、一般的な冒険者の視点からしばしばツッコミ役に回り(女神官は早々に慣れてスルー気味。鉱人道士もたまにだがツッコむ)、冒険を台無しにするような奇策の使用をその度禁じている。だが、彼と共に冒険していくに連れて彼の和マンチスタイルや合理的思考の影響を受けつつあり、状況的に致し方ない場合に限っては発言を撤回している。
とは言え、ゴブリンスレイヤーを真っ当な冒険者にするという目的は揺らいではおらず、ゴブリンロード撃退の報酬として「冒険1回(勿論彼女の望む形での)に付き合う事」を引き出して以降は、彼から頼み事を請け負う際は大抵「冒険」を依頼料としている(大抵の場合はその冒険でもやたらゴブリンに出くわし、切っても切れない嬉しくない縁を嘆くまでがお約束だが)。
鉱人道士とは種族的にも性格的にも気が合わないため口喧嘩が絶えないものの、冒険中でさえ軽口を叩き合い、戦闘時には背中を預け合える良き仲間。
女神官からは姉のように良く慕われており、キャンプの時は彼女が作ってくれた豆のスープのお礼としてエルフの保存食を分け与えた。徐々に変なの2号と化す彼女に、『オルクボルグの悪影響』と嘆きつつある。
蜥蜴僧侶とも彼のチーズ好きをからかったり竜になるという望みを応援するなど、良き友人である。お互い冗談か本気か、彼が「竜になり寿命を超越した暁には伴侶として迎えに行く」といった趣旨の発言をした時はからかいながらも満更でもないような様子を見せた。
持ち前の明るさもあって(特に漫画版ではコミカルな動きと表情も相まって)、本作のダークな雰囲気に対する清涼剤の1つになっている。
ゴブリンスレイヤーのそれ以上に私室はちらかっている。
因みにこれは彼女の姉も同様であり、姉の婚約者曰く「(あの姉妹には)片付けの習慣がない」との事。なお、森人の里に住んでいた時は、洗濯と掃除は水精と妖精に頼んでいたため、森を出てそれらを自分でやらなくてはならないと知って不便だと感じていた。
下着が苦手らしく、日常でもほとんど身につけていない。一度、よりにもよってゴブリンスレイヤーに下着の必要性を訊ねた事があり、彼から『俺に聞くな』と盛大なため息と共に呆れられてしまう。
自分たちの文化では専ら水浴びが主流であるらしく、女神官と一緒に入るまで、温泉(お風呂)につかったことがなかった模様。一度入ってからはハマったのか、王都に訪れる時には逆に女神官を浴場に誘っていた。
ゴブリンの嗅覚を誤魔化すために奴らの血ワタを浴びる事には、諦め混じりに慣れてしまった女神官と比べ未だに抵抗が消えず、臭い消しの香を女神官用も合わせて購入するようになったがうっかり忘れて洗礼を受ける事も……。
前述の通り、何でもかんでも興味を持つ性分故に、臭い消しの香や耳当てといった小道具や、よくわからない玩具や冒険娯楽小説といった趣味に関するものを何も考えずに購入するため、金欠になる事もしばしば。そのため、姉からも『普段から節制しろ』と説教されている。
この性分も、前述の部屋を散らかす癖の原因の一つと思われる。
書籍11巻では、砂漠が舞台であるためか女商人に頼んで露出度が高いアラビアンな衣装を購入し、着用する(11巻表紙の衣装)。そのためか、美貌もあって目立ちそうな格好にも拘わらず、敵地に上手く溶け込めていた(もっとも、他が薄汚れた鎧を纏った変なのや明らかに異形な見た目であるため、かえって目立たずに済んだと言った方が正しい)。
なお、砂漠を移動する際はちゃんと日除け用のローブを纏っている。
ゴブリンスレイヤーへの呼び名である“オルクボルグ”は、ホビットの冒険に登場するゴブリン殺しの伝説の魔剣「オルクリスト」を元ネタにしていると推測される。やる夫スレでは、「オルクリスト」と呼んでいる。
やる夫スレではシノン(SAO)のAAを当てられていた。
余談
- 原作者曰く、彼女の故郷である森人の里に攻め込むとレゴラス級が500人ぐらい出てくるらしい。しかもレッサーレゴラス、グレーターレゴラスなる者も存在するとの事。……何それ怖い。言わずもがな彼女自身もご多分に漏れず、2体の飛竜(ワイバーン)を一本の矢で同時に仕留めるレベルの達人である(コミカライズの同じシーンでは二本の矢を同時に放ち、それぞれの矢で飛竜2体を撃墜する描写になっている)。
- 彼女が故郷の森を飛び出したきっかけは、若干160歳の同族の子が歴史に残るような大冒険を成し遂げたのが羨ましくて、とのこと。
- 書籍12巻の妖精弓手の証言によると、かつては万全な状態であれば、剣から斬撃を飛ばせる森人の勇者がいたとのこと。……もうやだこの種族。
関連イラスト
関連タグ
ゴブリンスレイヤー エルフ エルフ娘 アーチャー 貧乳 金床
小鬼を殺す者 女神官(ゴブリンスレイヤー) 鉱人道士 蜥蜴僧侶
リュー・リオン・・・同じレーベル作品に登場するエルフ。アプリゲーム『メモリア・フレーゼ』にて共演を果たし、共に戦った。ちなみに年齢は21歳で、妖精弓手とは実に100倍の開きがある。ついでに言うと、彼女の親友の中身はあの女武闘家と同じだったりする・・・