概要
現在のTOKYO FMの前身である東海FMで1967年から始まったFMラジオ放送での深夜番組としては長寿番組であり、イージーリスニングをメインとした音楽番組である。開始からずっとパーソナリティを「機長」と称した夜間飛行のパイロットのイメージが設定されている。
日本航空(現:JAL)が番組当初から関わっている。(経営再建の際にスポンサー複数体制の時期があった)
初代機長を務めた城達也のナレーションが現在でも根強い人気を誇っており、1万回を超える放送回数の中でも7000回を超えている。
深夜ラジオ黎明期から現在でも続くこの番組は受験勉強に励む学生が聴いていた事もあり、受験戦争という言葉が白熱していた世代には記憶に残るラジオ番組の一つとなっている。
番組開始の頃は民間の海外渡航が解禁された頃であったが、現在に比べると海外旅行はまだまだ高嶺の花であり一般的なものではなかった。そこで、音楽とナレーションで海外旅行の気分を演出するこの番組は人気を博したのである。
正式な表記は「JET STREAM」である。
番組のテーマ曲は「ミスター・ロンリー」。ただし、使われていなかった時期がある。また、JALの機内ラジオ放送でも流れる事もある。
ナレーション
初代バージョン
遠い地平線が消えて、 ふかぶかとした夜の闇に心を休める時、
はるか雲海の上を音もなく流れ去る気流は、 たゆみない宇宙の営みを告げています。
満天の星をいただく、はてしない光の海を ゆたかに流れゆく風に心を開けば、
きらめく星座の物語も聞こえてくる、 夜の静寂の、なんと饒舌なことでしょうか。
光と影の境に消えていったはるかな地平線も 瞼に浮かんでまいります。
日本航空があなたにお送りする音楽の定期便 ジェットストリーム
皆様の夜間飛行のお供をするパイロットは私、城達也です
※余談であるが、実はこのナレーションは初期は全く異なるものであった。
現行バージョン
遠い地平線が消えて、 ふかぶかとした夜の闇に心を休める時、
はるか雲海の上を音もなく流れ去る気流は、 たゆみない宇宙の営みを告げています。
満天の星をいただく、はてしない光の海を ゆたかに流れゆく風に心を開けば、
きらめく星座の物語も聞こえてくる、 夜の静寂の、なんと饒舌なことでしょうか。
光と影の境に消えていったはるかな地平線も 瞼に浮かんでまいります。
これからのひととき 月曜から金曜の毎晩、あなたにお送りする音楽の定期便 ジェットストリーム。
皆様の夜間飛行のお供をするパイロットは私、(現行機長)です。
Dream Skyward JALがお送りします。
歴代パーソナリティ
初代
- 城達也(1967年7月放送開始~1994年12月)
初代機長。長年番組の顔として夜間飛行のパイロットを務めたが、病気による降板後に逝去。
収録には機長を意識してスーツを毎回着用、夜間飛行の雰囲気で臨む為にスタジオを暗くしていた逸話がある。詳しくはリンク先を参照。
二代目
- 小野田英一(1995年1月~2000年3月)
初代に次いで人気があった機長で、降板が惜しまれる声もあったという。
三代目
- 森田真奈美(2000年3月~2002年9月)
歴代でも唯一の女性パーソナリティであり、機長ではなくフライトアテンダント。
この時期は番組構成が現在と異なっていた。
ちなみに三代目のみ「LOVE SOUNDS ON JET STREAM」のタイトルだった。
四代目
- 伊武雅刀(2002年9月~2009年3月)
この代で初代のスタイルに回帰した。当初依頼が来た時は驚いたんだとか。
これまで歴代2位の在任期間であったが、2017年に後述の大沢たかおの在任期間が更新されて3位となった。
実は彼は歴代パーソナリティでもかなり変わった経歴を持つ(後述)。
五代目(現在)
- 大沢たかお(2009年4月~)
先代のスタイルを引き継いで放送中。2017年4月には先代の在任期間を超えて歴代2位となった。2019年にはついに就任10周年となる。
機長就任は嬉しかったが、いざ就任の日が近づくにつれ番組のスタイルを確立した城、原点回帰に成功した伊武の功績がある当番組に畏れ多い気持ちが強くなってギリギリのところで撤回するかどうかで悩んだという。
その他
長寿番組故にパロディにされる事もあり、四代目の伊武雅刀は伝説のラジオ番組「スネークマンショー」でかつて当番組をパロディにした「JET STRIP」で欲情達也を演じた事がある。つまり、パロディと本家を両方やった唯一の機長である。
まさかの本人もスネークマンショー時代には思ってもいなかったであろう。
あと、ストライクウィッチーズの「スターライトストリーム」。こっちはガチでミスターロンリーのBGMを使ったOPとEDのパロディである。
毎年8月12日前後にはスポンサーを自粛する。これはかつて日本航空123便墜落事故があった為の追悼の意味を込めている。
基本は収録放送だが、稀に生放送で行われる事があった。最近では2011年の東日本大震災による放送中断から復帰後に行われた。オープニングでは旅客機の離陸音は無く、オープニングテーマの「ミスターロンリー」の通常では流れない楽曲イントロ部分から始まった。