概要
「嚢胞性線維症(CF症)(のうほうせいせんいしょう、Cystic
Fibrosis)」は白人に多く見られる遺伝性疾患の一種。
日本人では症例は非常に少ないが、アメリカの白人では約3300人に1人の割合で発症するというデータがある。
生まれて間もない頃から、気管支、消化管、膵管などが粘り気の強い分泌液で詰まりやすくなり多様な症状を表す病気(その他詳細は下記の症状へ)。
嚢胞性線維症患者の症状は、重症や軽症と様々で後者の場合は成人後に発病することもある。
先進国での寿命は42歳から50歳である。
平均生存期間は約20年というデータ(2014年10月現在、難病情報センター 嚢胞性線維症(指定難病299)のサイトより)があるが、長くて40年ほどというデータもある(キスを選んだケイティ|ザ!世界仰天ニュース|日本テレビのサイトより)。
症状
嚢胞性線維症の原因は遺伝子の異常で、水分の流れに異常をきたし粘液の粘度が高くなる。
中でも呼吸器では、粘性の高い分泌液が気管支に詰まり細菌が体外へ出づらく、 増殖しやすいため気管支炎などの感染症を繰り返す。
鼻汁の粘性が強くなると副鼻腔に痛みを感じ、痰の粘性が強くなると、気道を閉塞し肺炎を繰り返すようになり、ついには気管支拡張症をきたす。
アレルギー性気管支肺アスペルギルス症も併発しやすい。
胆汁の粘性が強くなると、胆石をおこしたり、膵炎をおこしたり、肝機能障害からついには肝硬変をきたす。
感染症にかかると治りにくいため、炎症が続き、徐々に肺の組織が壊れていく。多くの患者では、膵臓から消化酵素が分泌されなくなり消化不良になる。
治療法
患者の症状に合わせた長期間にわたる治療が行われる。
例えば
- 呼吸器や膵外分泌障害(膵臓で分泌される体液の障害)などの症状に合わせて大量の薬を服用。
- 粘稠(ねんちゅう)な喀痰(かくたん)を喀出(かくしゅつ)するために気道を広げ、痰をとる薬剤や抗生物質の吸引治療。
- 高浸透圧性造影剤を浣腸し、胎便を溶かす治療。改善しない場合には手術が必要である。
症状によっては肺や肝の移植が必要となる場合が多い。
その他詳細は関連サイトを参照。