概要
前作である第25作『イタリアン・ゲーム』から約3年ぶりのテレビスペシャルであり、完全新作のストーリーとしては第24作『隠された空中都市』以来、およそ6年ぶりの「完全新作」として制作されて、2019年1月25日の「金曜ロードSHOW!」にて初放送された(この初放送の予告編の時点から、本作が「6年ぶりの完全新作」であることは既に強調されていた)。
本作は、長年の相棒である次元大介が(一時的とはいえ)ルパンの敵役として描写されること、また、AI技術を用いた量子コンピューターや、クライマックスでのピアノ連弾などが、大きな特徴になっている。一方で一時的に敵対関係になりながらもどこか長年の相棒としての信頼やコンビネーションを見せている。また本作では次元の過去も少し明らかになり、彼のかつてのラブストーリーも描かれていた。
ファン待望の完全新作であったからか、当日のTwitterではトレンド上位に入るなど、一定の盛り上がりをみせていたが、次元の裏切り期間が予想以上に短すぎる、黒幕が特殊部隊に所属していたものの影武者を用意したり、最終決戦で呆気なく射殺されるなどから元視聴率はまさかの「8.7%」(関東地区。これはルパン三世のTVスペシャル史上では初めての10%切りである)で、「(ルパン三世のTVスペシャル史上での)歴代最低視聴率」という失意の結果になってしまった。
原作者モンキー・パンチが4月16日に亡くなられたため、生前最後に放送されたルパン三世ということになる。
あらすじ
ルパン三世との犯罪の共謀の容疑で、銭形警部が逮捕される。
それを知ったルパンはテレビに出演し、それは誤解であることを伝えるが、その証明の代わりに特別なダイヤモンド『タイムクリスタル』を盗むはめになる。
そのダイヤは、世界征服をも可能にするスーパー量子コンピューター・エミルカを起動するためにひつようなものだった。
また、その裏でロンドンに住むショパンコンクール最有力優勝候補の少女アリサ・カートライトが誘拐された。
誘拐犯はアメリカ大統領にも関わる政治家、ロイ・フォレスト。
彼はアリサに自分の心音とリンクしている爆弾を付けて『とある男』への人質にする。
ルパンは見事ダイヤを盗むことに成功するが、仲間のはずの次元大介に奪われてしまう!
普段の彼が愛用している銃が変わった時から、違和感を感じていたルパンは裏切り者になった次元と早撃ちをするが、心臓を射抜かれ倒れる。
次元を裏切るように仕向け、『タイムクリスタル』を奪うように指示したのはロイ。
アリサは次元に対する人質だったのだ!
次元とアリサのつながりとは?
ルパンの生存は?
『タイムクリスタル』の力とは?
余談
- ルパンと次元のジャケットの色
今回ルパンのスーツの色は、序盤は赤だが、後に黒色になる。
ただし、ネクタイは一貫してピンクのものを使用している。
また、次元は普段黒いスーツを着ていて、黒尽くめのイメージが強いが、今回はダークグリーンのジャケットであり、アリサとのやりとりで出てくる「何も無い手から花を出す手品」から、『カリオストロの城』でのルパンとクラリス姫のオマージュである可能性があると推察され、本作のキーアイテムである『タイムクリスタル』や世界中のコンピューターのハッキング、それを斬る五ェ門などテレビスペシャル第1弾の『バイバイ・リバティー・危機一髪!』のオマージュと思われ、タイトルとも少しながら関係性を見せている。次元が敵に回ったのも過去に何度かあり、特にかつての恋人がいて、既に亡くなっている点も『セブンデイズ・ラプソディ』と共通している。