概要
Mouflon、またはMoufflonとも。
ヒツジの一種で、家畜の羊の先祖の一種とも言われている。
学名はOvis orientalis orientalis。要するに野生の羊。
体毛は主に赤茶色で、ところどころ黒っぽかったり白っぽかったりする。羊としては短めの体毛である。
オスだけでなくメスにも角が生えていることがあり、大人になるとほぼ360度に曲がり長さは85cmにも及ぶという。
体重はオスでおよそ50kg、メスでおよそ35kg。高さは肩先の高さはおよそ90cm。
イラク北部、イラン北部、コーカサスなどに生息しており、3000年前まではアナトリア半島やクリミア半島、バルカン半島などにもいた。ケルゲレン諸島やブリユニの一部でも生存が確認されている。他にもアメリカ大陸に持ち込まれているらしいが一部は他の羊などと交配している。
普段は高山の森林付近に住んでおり、冬になると降りてくることもある。
かつては生息地や体形によってヨーロッパムフロン・アジアムフロン・ウリアルと分けられていたが、その後の遺伝子調査により、それらは全て同一のムフロンと判明した。また、コルシカ島やサルディニア島に生息する個体は、ムフロンを羊として家畜化し始めた頃に大陸から持ち込まれた模様。
キプロスでは航空会社のシンボルだったりコインに描かれていたりラグビーチームのシンボルだったりといろんなところで見られる。アルメニア共和国のシュニク地方でも旗や墓石などに見られる。
また、家畜の羊に近い種であることや国際自然保護連合により危急種と指定されていることから関心が高まっている。