概要
既成概念的には京都にあるような茶屋や料亭に使われるようなフレーズであり、その店と面識がある人からの紹介がなければ入店できない、という意味である。また、「一見さんお断りの商品」なるものも存在する。
「一見さんお断り」と言われて「何だ、こん畜生!」とキレる、腹を立てる人もいると思われるが、実は合理的なビジネスである。
その理由は、一見さんお断りの店は、その客を楽しませるための食事代や、芸者などの依頼料、果てには帰宅するまでの交通費までその店が立て替えているのである。請求するのはその一か月後であり、何人もの客がその店に入ると立て替えきれず破産してしまうからである。
また御贔屓が気前よく利用してもらうためにも、店のルールを分かった常連が御新規を連れて愉しみ方をレクチャーしてくれるよう促すことで、店全体の雰囲気を台無しにするリスクを減らし、かついわゆる「お客様」と呼ばれる迷惑な客の来店を予防する必要がある。
憧れから雅なお店に飛び込むのも悪いといわないが、そうした店には店なりのルールと事情があり、客側もそれを踏まえて遊びの場を提供してもらっているという謙虚さも必要なのである。
頭ごなしに「店が客を選ぶなんて偉そうだ」と言っている貴方。
そんな貴方の様な「不躾な客」を寄せ付けないために、一見さんお断りは存在するのです。
「一見さんお断り」がネタにされた作品
- さよなら絶望先生 - 糸色望が京都を下見に行った際、ある店に「一見さんお断り」と言われて「一見ではなく、百見なら…」といったネタが出ている。
- 『MAIKOHAAAAAN』 - 映画。「一見さんお断りの真実」が、作中終盤で明らかにされる。