「ほんっとムリですからッ!」
「ケーサツ呼びますよ。ケーサツッ!」
概要
『逆転裁判2』第2話『獄中の逆転』&第5話『大いなる逆転』に登場。年齢24歳。身長178cm。
『タチミ・サーカス』の新米団員で猛獣使い。『タチミ・サーカス』は企業化されている為、猛獣使いの草太は『興行部猛獣使い課』に所属している。社内では新米平社員として扱われており、課長のミリカは上司に当たる。この様な勤務事情から職業を質問されると「サラリーマン」と答える様にしており、草太本人曰く「サーカス団員だって立派なサラリーマン」との事。
上司のミリカは無邪気な性格に反して、人使いが荒い一面があり「草太は彼女に最も翻弄されて苦労を重ねている立場にある」と言っても過言ではない。現に彼は多芸多才の実に優秀な青年ではあるのだが、その有能ぶりからミリカに付け込まれており、他の団員にはさせない様な多種多様な雑用、無理難題な仕事の数々を押し付けられて酷使されている。若干24歳の新社会人という立場に反して、その苦労が絶えない多忙ぶりからは、どことなく「既に一般サラリーマンの平社員の如き哀愁」が漂っている。
普段は柔和な笑顔を浮かべた穏和な青年だが、非常に臆病な性格で些細な事に怯えては「ムリムリムリ!」と叫び出すのが口癖。恐怖感や緊張感を感じると「見ざる聞かざる言わざるを元にしたポーズ」を取る。入団したばかりの猛獣使い見習いなだけに、まだまだ力量不足の模様だが、現時点でも舞台に立つのは許可されていて、大抵は動物達と共演するショーで悪役ばかり任されている。
サーカスの動物では曲芸師を担当する「猿のルーサー」が相棒。ルーサーからは大いに懐かれていて、仕事でも私生活でも片時も側を離れようとしない程である。草太がルーサーを肩車して登場する事も多い。但しルーサーは大のイタズラ好きの為、相棒の草太にも髪を引っ張ったり、持ち上げたりするイタズラをしている。草太本人は何をされてもどこ吹く風で、いつもルーサーの好き勝手な振る舞いを許して思うがままにされている。その光景は「草太がルーサーに操られている様子」に見える。草太の名前の由来も「猿が代わりに操作する」の捩りとなっている。
民間セキュリティーのボディーガード内藤馬乃介とは、お互いに唯一無二の幼馴染にして親友の関係にある。彼とは同じ小学校に通学していた。ちなみに甘い物が嫌いで、外出先で知り合った弁護士・信楽盾之から飴を差し入れされた時も拒んでいた。
茶髪のロングヘアで、頭頂部の左右をツーサイドアップにした独特の髪型の持ち主。しょっちゅうツーサイドアップは、ルーサーにレバーやロープの様に扱われて弄ばれており、草太本人もそれに合わせて手を動かすのが癖のようになっている。ピンクのパーカーの下には特撮ヒーロー・オニャンコポンの顔が描かれたTシャツを着ている。青い半ズボンは裾を捲って履いてサンダルを履いて移動する。
第1話『逆転の標的』での殺人事件の真犯人だと暴かれて逮捕された親友・内藤の面会目的で、彼の収監先とされた美和マリーが所長を務める刑務所を訪問する。しかし不幸な事に内藤は何者かに殺害された挙げ句、草太が容疑者とされてしまう。仕事で偶然、刑務所を訪れていた検事・御剣怜侍は親切心から「草太の弁護役」を自ら請け負い、彼の無実を立証する事に成功する。草太は御剣に深く感謝し「これからは馬乃介の分も頑張って生きて行く」と誓うと刑務所を後にした。それから数日後、思いがけない形で御剣と仲間達との再会を果たし、同時にサーカスで専用の衣装を着て働く姿を初披露した。
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以下ネタバレ注意!
※以降は逆転検事2での活躍についての既述です、未プレイの方はご注意を!
悲哀の猛獣使い、激動の生涯
「‥‥ウソとかホントとか、どうでもいいよ」
「ただ、ミツルギさんがオレを怒らせたってだけさ」
猛獣使いの本性
『逆転検事2』のラスボスにして、常に存在がほのめかされていた「赤いレインコートの男」の正体。『検事2』の全ての事件を影から意のままに操って来た「正真正銘の黒幕」である。第3話『受け継がれし逆転』の真犯人・風見豊の実の息子に当たる。草太本人も自分が黒幕である事は、強く自認した上で意識して振る舞っている。何かと「オレが黒幕」との強調して発言するのが口癖となっている。スタッフ曰く「真の黒幕であり裏主人公」との事。
最終話となる第5話では、とうとう御剣に一連の事件の黒幕だと気付かれ、自分の潜伏先にして生活拠点も兼ねる『タチミ・サーカス』のテント内部へと突入して来た御剣と仲間達を迎え打つべく、本性を現して応戦する。この時は普段からサーカスのショーで身に纏う紫のピエロの装束となり、顔にはピエロ専用の厚化粧が施されている。表情も激変し、ピエロの格好をした端正な顔立ちの持ち主ではあるが、今までは内に秘めていた狡猾さや残忍性が如実に反映された凶悪な面構えとなっている。普段のショーでは、サーカスの動物達にこき使われているかの様に見える草太だが、恐るべき本性を現した時には動物達にも畏怖の念を抱かれているのか、彼らを奴隷の如く扱う主人として振る舞う。小動物達をトーテムポールの様に立たせて自身の肘掛けにしたり、会話相手をおちょくる時にはリス達をお手玉にしている。他人を馬鹿にする時には顔芸とも言える位、コミカルだが邪悪な表情を浮かべる。豹変直前でのイベントでは「ピエロメイクすらも、支配下に置いている動物達に行わせている事」が判明する。
「全ての黒幕」並びに「人間という猛獣を操る猛獣使い」とも称し、その自称も頷ける程「他人を意のままに操って様々な犯行を教唆する、非常に優秀な知能」を備える。「『逆転』シリーズ史上、最高の知能犯」との呼び声も高い。草太は『検事2』での一連の事件のほぼ全てを意図的に引き起こしている。彼が関与していない事件は第1話『逆転の標的』での大統領・王帝君の影武者による狂言暗殺、内藤が個人の私情から起こした上司・外城涯殺害事件、そして第3話『受け継がれし逆転』にて実父・風見豊の犯行に当たる事件のみである。追っ手から逃れて生き延びる為だけに、ありとあらゆる才能を磨き上げて来た為、人間離れした多芸多才の持ち主となっている。「日常生活とは無関係の分野」でも優れた適正や才覚を発揮し、トラックや気球の運転、点字の通訳、ボイスチェンジャー無しでの声帯模写もこなす。『逆転』シリーズの歴代犯人の中では随一のハイスペックを誇る。
少年時代
幼少期は外見も性格も「どこにでもいる様なごく普通の少年」であった。黒髪のショートヘアの穏やかな顔付きの子供で、年相応の明るく素直な性格をしていた。今では総白髪の父親も若い頃には黒髪だったので、青年である現在の草太も地毛は黒髪で、自分の正体を隠す目的で髪を茶色に染めていると思われる。物心付いた頃には母はおらず、シングルファザーの風見に男手一つで育てられて来た。唯一の自分を養育してくれる肉親なだけに父親への愛情は強く、菓子職人でありながら味覚障害を患ってしまった風見を助けたい一心で、彼の仕事の手伝いも積極的に行っていた。味が解らない風見の代わりに試食係を担い、味を判別して父に助言を与えるのが草太の役目であった。風見からは「ワシのお菓子を食べるのが大好きな子供じゃった」と語られている。
菓子職人・氷堂伊作、彼の実子・内藤馬乃介とは幼い頃から親交がある。内藤と同じ小学校に入学した事を切っ掛けに2人とは知り合った。更に息子同士に友情が芽生えたが故、父親同士の風見と氷堂も知り合い「菓子職人としての互いの短所を互いの長所で補い合う仕事仲間の関係」に至る。「風見は味は上質だがデザインが未熟、氷堂はデザインは優れているが味は今一という難点」を抱えていた為、共に仕事仲間に自分の苦手分野を任せる事で職務に対応していた。作中では「草太と内藤の小学校の入学式での記念写真」が見られる。当時から両家の父親達は既に相手を快く思っていなかったのか、息子達の背後に立つ彼らは憮然とした表情と化している。その前に立っている息子2人は出会って即座に意気投合した様子で、肩を組み合い満面の笑顔を浮かべている。内藤とは「菓子職人でシングルファザーの父親と2人暮らしをしている」という家庭環境の共通点にも後押しされて、すぐさま打ち解けた模様。この時の草太は父が作ったペロペロキャンディーを口にし、隣の坊主頭の少年だった内藤はピースサインをしていた。10歳手前から「途轍もない悲劇の連鎖」に見舞われた草太の人生の中で、恐らく「唯一無二の幼馴染・内藤と只の親友同士として共に通学していた頃が、人生で最も幸福だった期間」だったと想像が付く。
IS-7号事件(『逆転検事2』第3話『受け継がれし逆転』)
出会って間もない草太と内藤が「仲睦まじい幼馴染」となって一緒に楽しく小学校生活を送る裏で、長年の仕事仲間だった2人の父親・風見と氷堂の信頼関係は、風見の味覚障害が原因で綻び始めていた。試食係をさせている「息子の草太以外の人間に、味覚障害者である事実を知られてしまえば、菓子職人として再起不能となる事」を恐れる余り、風見は誰とも協力せずに極秘かつ自力で障害を克服しようとする。そんな彼にとっては「救済措置とも言えるイベント」が開催される。それは当時「天下一の菓子職人」として名を馳せていた天海一誠が主催する『お菓子コンテスト』であった。このコンテストの優勝賞品は通称『究極のレシピ』と言い、天海グループが開発した未発表の新薬の調合書なのだ。「味覚障害も万能薬の調合書『究極のレシピ』を使って自主製作した薬であれば、誰にも弱味を握られる事の無いまま完治させられる」そう悟った風見は仕事仲間・氷堂、試食係・草太を引き連れて万全の態勢を整えてコンテストに挑む。まだ幼い為、父の氷堂から引き離せない内藤も同行者に加えられた。
当時の草太は馬乃介の父親が自分の父親を殺害し、馬乃介自身もその殺害に手を貸したと思い込んでいた。親友である彼に密かに恨意を持ち続け、その死を計画。これがすべての事件の発端となる。
逆に、自らを助けてくれた了賢のことは強く慕っており、12年前、本物の王帝君暗殺の口封じとして影武者、美和マリー、一柳万才に殺害されそうになった彼を助けるために灯油をばら撒き、放火。三人が火を消火している間に、了賢を逃がした。
だが、これが原因でマリーから毎日尋問され、孤児院から逃亡。三人及びその追手からの逃亡生活を送ることになる。万才の影響もあり、警察に頼ることも出来なかった。
三人と馬乃介に復讐心を燃やすようになり、自身の所在を隠す目的もあってタチミサーカスの一員になった。
しかしIS-7号事件の真犯人は草太の父親の風見豊であり、被害者の氷堂伊作こそが馬乃介の父親であった。当時凍死寸前までいったこともあり記憶が混乱し、氷堂が自分の父で風見が馬乃介の父と逆に勘違いしていた。しかも馬乃介自身は氷堂の遺品を受け取っており、そこから真実にたどり着いた可能性が高く、すべて知っていながら草太と親友関係を続けていた。
その真実が明かされると錯乱、自らがすべての事件の黒幕であることは明かしてしまうものの、具体的な関与・指示については否認し、証拠がないとして逃げようとするトリッキーな態度を取る。
父親である風見から見捨てられ、了賢以外の大人たちに常に追い詰められてきたため、自分と了賢以外を見下している。だが、使用したトリックや、舌を出す笑い方、そして「自分を守るために他人を犠牲にする」など、皮肉にもとても父親との共通点が多い。
また、かつては味覚消失の風見のお菓子の味見をしていたにもかかわらず「甘いものが嫌い」と言ったのも、信楽の推測によれば菓子職人であった父親に見捨てられたトラウマからであり、ものの見事に伏線が張られていた。
自分自身は人を殺さずに、人を操って人を殺す「人という猛獣を操ってる猛獣使い」と自称し、証拠を残さない巧みで狡猾な策と、自身の手を汚さず、他人に殺人を犯させる策略の前に御剣を幾度も追い込む。
だが、美雲誘拐の時に想定外の事態が発生。籠目つばさと一柳万才の衝突させ、美雲を巻き込むために気球でタワーの屋上に向かったが、そこに水鏡秤と王帝君の密会があり、王は水鏡を帰して草太と気球に隠し持っていた銃で応戦。草太も、咄嗟の反撃で気球で突進し、王の殺害をしてしまう。その後も機転を利かせて罪から逃れるべく工作するが、人を操り、自分は手を汚さないスタンスを取っていた草太にとっては、言い逃れが出来ない実行した犯罪行為だったので、追求を避けようと話をすり替えようとした不自然さが仇となる。
最後の最後まで諦めない御剣達の奮闘によって、証拠が暴かれて御用となる。この時、ずっと自身が「こき使っていた」動物達から次々にフルボッコされた。
真実が明らかになるのを見計らって姿を表した虎狼死家左々右エ門に、大統領暗殺未遂事件で暗殺を依頼した際に「ターゲットに関するウソをついた」(影武者であることを知りながら大統領本人として依頼)「自分もコマとして扱おうとした」として殺されそうになるが、すんでのところで了賢が間に入ったことで救われる。しかし、了賢から、大人として過ちを犯せば償うことを教えられるべく(了賢曰く灸を据えるとのこと)、彼と一緒に刑務所へ入ることとなった。
大人たちに裏切られ、翻弄され、警察も含めて頼る者がなく過ちに手を染めてしまった草太。
恐ろしいけれども哀しい、ムジュンをはらんだ彼の存在が、御剣は権力を持つ側としてその役割を正していく必要性を覚えて、「”検事”として人を救う」という道を選択するキッカケとなった。
また、御剣とは『狭いところに閉じ込められて死にかけた』、『子供の頃親を失った』、『誰も信用できなくなった』等、共通点もあり、彼のifの姿と捉えるプレイヤーもいる。
ちなみに没設定では狩魔豪の息子と言う設定だった。
余談
アクロとの比較
逆転裁判2の登場人物であるアクロと草太は所属がタチミ・サーカスで猿のルーサーと関わりがあり、親に捨てられているという共通点があるさらにもう一つの共通点として彼ら(アクロは意図せず殺してしまったが)の被害者はどちらもリーダー格で人望があるという共通点がある
- 立見団長:人格者でアクロとバットの育ての親。サーカスの団員からも慕われてるが、娘には罪悪感無く育って欲しいという考えてる為教育には少々問題のある人物
- 王大統領:人格者でカリスマ性のある政治家。(現在は影武者が本人になりかわっており。小心者の卑劣漢)
しかし、アクロは団長殺しの容疑はマックスに被せようとしたが、マックスに罪を着せる事に罪悪感を抱いており、法廷で成歩堂に追い詰められた際は潔く罪を認めたが一方の草太は13歳の中学生に平然となすりつけ、御剣に追い詰められた際は怨敵である。自身の人生を狂わせた一柳万才、美和マリー(この2人も最低な犯罪者だが、)と自身を親友と思っていた男のせいだと開き直り、惨めに足掻くなどアクロと比べたら卑劣漢振りが目立つ。
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