概要
声:内田岳志(アニメ版)
『逆転裁判2』第3話『逆転サーカス』に登場。年齢46歳。身長163cm。ちなみに『逆転』シリーズの生みの親である巧舟と同い年である(今回は2017年12月が舞台になっており、当時46歳だったトミーは逆算すると、巧と同じ1971年度生まれという事になる)
『タチミ・サーカス』のピエロ。通称トミー。クラウンハットには、衣装の柄と同じデザインの口が付いており、人参のぶら下がった糸を咥えているのが特徴。最初は「トミーの爆笑に合わせて、クラウンハットの口も思い切り動かす設定」だった。しかし只でさえ、彼の爆笑モーションだけでも大きく容量を消費している為、これ以上の無理は出来ないとして断念する事となった。「芸を磨く為なら何でもする」がモットー。宿舎1階にある自身の楽屋に置かれた、トランポリンや壊れた一輪車も彼の信念を物語っている。
親父ギャグを愛する男
駄洒落好きの陽気な人物なのだが、当の駄洒落は「基本的に寒い親父ギャグ」であり、綾里真宵を除いて不評である。アニメ版では悲惨な事に、真宵にも受けなかった。成歩堂龍一も「つまらないギャグは許せるけど、それを自分で笑うのは許せない」と発言したり、第4話でも関係ない所で思い出してしまったりと、彼のトラウマになっていた。これ程までに不評なのを本人も気にして「自分の駄洒落を自分で笑うという、哀しい癖の持ち主」となってしまった。トミーの披露する駄洒落は、本作の脚本家も務めた「巧舟の人生の中で、特に印象に残った駄洒落」が使用されている。
『2』の攻略本でのインタビューにて、家族構成を聞かれた際「今は独身だが、実はトモコという娘がいる」と語った。どうやら妻子には逃げられたらしく、証人の1人でありながら、証言台では「家庭事情までも含めた、自分の悩み」をぶちまける一幕もあった。今でこそ大繁盛している『タチミ・サーカス』だが、昔は経営難の時代もあったので、当時に妻子に逃げられたのかもしれない。
団長の親友として
団長の立見七百人とはサーカス創立前からの親友で、20年前にサーカスを共に立ち上げた、最古参メンバーである。彼の人柄に惚れ込んで20年以上も付き合い、入団した時にピエロとなった経歴を持つ。七百人の死後は「自分が2代目団長となって、サーカスを継ぐ」と決意するまでに強い愛着を持っている。
芸に関しても勉強熱心であり、ネット通販を用いて「ユーモアやギャグに関する書物や、世界中のピエロの衣装」を大量に買い込んで、努力を重ねている。だが「自分の芸が時代遅れで、客に受けていない事」は自覚しており、ピエロの引退を考えている。
団長殺害の容疑で逮捕されたマックスに関しても、日頃から傲慢な態度を取る彼を「マッコイ」呼ばわりし嫌っているが、その一方で「口は悪いけど、言っている事は正しい気がする」と彼の高いプロ意識に理解を示している。
ユーモラスな証人
裁判では、事件の目撃者の証人として出廷するのだが、証言中でも駄洒落を優先して、ちょくちょく話を脱線させる。それ故に裁判長からの印象は最悪であり、職業を尋ねられる際に至っては「見れば概ね解る」と冷ややかに対応された。トミーの尋問では余計なゆさぶりを行うと、ペナルティが課せられる事が多いので、地味に難易度が高い。また、証言の内容も成歩堂曰く「目立ちたい為に、自分で記憶を改竄させるタイプ」らしく、冥からも都合が良い様に誘導されたりしており、他の証人で言うと大沢木ナツミに近い。
2代目団長へ
駄洒落好きの悪癖さえ除けば、真面目な大人であり「団長亡き後のサーカスの成り行き」を真剣に考えていたり、裁判最終日にミリカを傍聴させる等「サーカスの人々全体を見渡せる、広い視野と経営能力」も持っている。事件解決後はマックスとも和解し、正式に新たな団長に就任した。作中での描写やトミー本人の強い覚悟からして、ピエロよりも団長の方が適性があるかもしれない。「アニメ版で描かれた後日談」での活動再開後のサーカスではトミーは新団長とピエロを兼任していた。ゲーム版でもエンディングの描写からして、アニメ版と同様に活躍している可能性が高い。こちらでは先のマックスの「世界征服」‥‥もとい「世界進出」発言を受けて、「ジャパニーズ・スマイルとは今度こそお別れ」と冗談をかましていた。
アニメ版では尺の都合上、親父ギャグをかます場面が大幅にカットされた為、必然的に「根は真面目な大人」という一面が強調された。またテント内で、団長との日々を思い出しながら「団長、俺っち‥‥どうすれば良いんだよ‥‥」と涙ぐんだりと、人間的な脆さも描かれている。真犯人逮捕後「犯人が何故、必死に罪から逃れようとしているか」を涙ながらにミリカに言い聞かせ、人の命の重さを説いている。それでも「随所に駄洒落を差し挟む台詞回し」は終始一貫していた。シリアスな場面ですら、さりげなく駄洒落を折り込み、会話を進行させるのを欠かさなかった。