「あたしは、なるほどくんを信じてるから」
「もっとホンシツを見ようよ、なるほどくん」
概要
『逆転裁判』(成歩堂編)のメインキャラクターの1人。『逆転裁判』第2話『逆転姉妹』で初登場。当時の年齢は17歳。身長154cm。3サイズ・B75・W56・H78。
主人公・成歩堂龍一の助手を務めるメインヒロイン。彼の師匠・綾里千尋の実妹で、本業は『倉院流霊媒道』の霊媒師。母親は綾里一族の族長に当たる『倉院流霊媒道』の家元・綾里舞子であり、将来は母から家元の座を継承する事が確定している。舞子の姉・綾里キミ子は伯母に当たる。母親同士が姉妹なので綾里春美とは従姉妹である。姉の千尋とも年下の従姉妹の春美とも10歳離れている。
ある殺人事件の容疑者となっていた所を成歩堂に救われ、それ以降、成歩堂の助手(いわゆるワトソン役)として事件の調査に同行するようになる。
弁護士としての知識や能力は一切ないが、思わぬ行動から逆転へのヒントを成歩堂にもたらしたり、あるいは心が折れかけた彼を土壇場で励まして復活させたりと、良く活躍している。
姉と同じく機械に弱い描写があり、携帯電話を持ってるものの録音データが消せない・PCの電源の入れ方が解らないといった描写がある。
アニメ版では機械音痴の描写は省かれており、録画データのDVDへのダビングや動画の投稿を行っているなど一通りのものは使いこなせるようになっている。(同時に真宵よりマシ程度の成歩堂も機械の操作に手間取っている描写は無くなっている)
成歩堂に負けず劣らずのトラブル体質であり、劇中では通算5回も容疑者になり、うち3回は被告人として法廷に立っている。
また、とある事件でスタンガンを食らった時、翌日になっても帯電しているという特異体質を持っており、成歩堂と御剣、イトノコ刑事が放電を食らう羽目になった。
霊媒師としての実力は本物で、修行中の段階で死者の霊を呼び出し、成歩堂のピンチを何度も救ってきた実績を持つ。
霊媒師としての自分に自信を失っていた頃にあたる逆転裁判3-5話での証言では、職業を「成歩堂法律事務所の副所長」と名乗っている。同作エンディングでは「倉院流霊媒道家元、成歩堂法律事務所の影の所長兼なるほどくんのお姉さん(ドヤ顔)」に自称の職業がパワーアップしている。
『2』の攻略本でのインタビューによれば、厳しい母親のもとで箱入り娘として育てられた春美とは違い、自身はある程度街へ繰り出すことが許されていたという。
『逆転検事』シリーズから『逆転裁判4』までの間に事務所を去っている。これは次期家元として倉院流を継ぐために、家に戻って修行しているため。
『4』では直接登場はしないが、「トノサマンシリーズのDVDを送りつけた人物」や、「やたぶき屋のかつての常連だった成歩堂法律事務所の副所長」が話に上ったりと、たびたびその存在が見え隠れしている。
『逆転裁判5』では、法廷爆破事件から、弁護士に復帰した成歩堂の身を案じ、手紙を春美に渡して届けている。トノサマンのDVDを事務所に送りつけているのも相変わらずのようである。
手紙を読んだときにかつての彼女の姿を思い出すなど、成歩堂にとっていまだ大きな存在であることがうかがえる。
ちなみに成歩堂曰く、『5』の時点まではちょくちょく事務所に遊びに来ていたらしいが、最近は修行が忙しくて来れていないようだ。
「逆転裁判6」ではナンバリングシリーズで3作ぶりの登場。年齢28歳。身長159cm。服装は昔の面影を残しながらも、歳相応に大人びたものに変化している。
『倉院流霊媒道』の家元を継ぐ為の修行に励んでおり、『クライン王国』で成歩堂と再会する。
4以降に登場した成歩堂みぬきや王泥喜法介、希月心音とは本作が初顔合わせとなる。
『レイトン教授VS逆転裁判』では、逆転裁判側のキャラクターとして、成歩堂とともに登場する。
推理ジャンル以外では『ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3』では成歩堂の攻撃のサポートを行っていたが、『プロジェクトクロスゾーン2』では成歩堂とのコンビ(ただしソロユニットの扱い)として参戦した。
設定資料などではセーラー服を着た彼女のイラストがあるが、特異な環境で育った彼女が高校に通っていたかは不明。しかし、アニメでは彼女の中学生時代が描かれ、セーラー服を着ている場面もあった。
『倉院流霊媒道』
霊媒の一種であり、死者の霊を現世に呼んで術者に憑依させるチカラ。ただし『倉院流霊媒道』では、人格が乗り移るだけでなく、姿かたちまでが霊の生前の姿に変化する。本拠地は霊媒師の谷とも呼ばれる『倉院の里』であり、綾里一族の女系本家の女性当主が代々の家元を務めてきた。また全国各地に道場を有しているらしい(逆転裁判3-2)。
綾里家出身の霊媒師である真宵自身も霊媒を行うことができる。しかし、霊媒を行える程に霊力を高め、維持するためには、日々の修業を要する。成歩堂の助手を務めている間の真宵は修行をしていないことになる為、少しづつ霊力を失ってしまうらしい(逆転裁判1-4)。
真宵によるとかつての『倉院流霊媒道』は大変に富み栄えていたという(逆転裁判3-5)。しかし現在は大した収入にはならないようで、『倉院の里』からは多くの人々が都会に出稼ぎしている。本家の道場にすら「お金がたまる108の方法」という些か雰囲気に合わない個条書きが掲げられており、財政難はかなり深刻な模様(逆転裁判2-2、3-2)とされているが成歩堂と違い真宵が金銭で困っている発言や素振りを見せる描写は少ない。
ルーツは『クライン王国』の王家であり、家元候補は、次期家元になる際に『クライン王国』で修行し、儀式を受けることが義務付けられている。
霊媒の力を持つのは、現在(逆転裁判6)ではクライン王国女王と、日本の綾里家のみで綾里家の本家が有る『倉院の里』で霊媒が出来るのは真宵と春美の僅か2人にまで減ってしまっている。
服装
『倉院流霊媒道』の装束を着ている。『3』までのものは、修行中の霊媒師が着る服だと語られている。
濃い紫色の羽織に薄紫色の着物、帯は赤紫色で、髪を縛っている玉(?)も紫色といった紫を基調とした服装をしている。
羽織は、春美の羽織よりも色が濃いめ。
春美と同様に、両手首に独特の紐を付け、特徴的な帯の結び方をしている。
基本的に常に裸足で赤い鼻緒に黒を基調とした草履を履いている。
ちなみに、髪を縛っている玉(?)は、両耳から垂れ下がっている左右両方の髪、頭上に束ねた髪、後ろに垂れ下がっている髪に付けられている。
『6』では、修行が完了したため、葉桜院あやめたちが着ていたような修行済みの霊媒師のものに変わっている。
頭巾と籠手が追加され、着物の丈が長くなっている。
アニメ版ではSeason1第2クール目のED「純愛カオス」で1カットだけセーラー服姿を見せていたり、Season2第1クール目のED「スターティングブルー」にて寝間着姿やワンピース姿を見せている。
セカンドシーズン第14話のアニメオリジナルエピソードで学校から自室に帰ってくる描写が有り再びセーラー服姿を披露した。
性格
非常に明るく元気でマイペース。時折無茶な行動に出ることもあるが、大抵の場合成歩堂に止められている。普段から成歩堂を振り回しており、予想外の行動に出ては成歩堂にツッコミを入れられている。しかし、成歩堂のことを誰よりも心から信頼していることが本編の台詞から窺え、成歩堂も彼女のことは大切に思っている様子。
また、他人の色恋沙汰には敏感で積極的に応援したがる一方で、自身の恋愛に関してはほぼ全くと言っていいほど興味や自覚がない。
ヤングに大人気の特撮ヒーロー番組『トノサマン』シリーズの大ファンで、毎週の放映時間になると成歩堂の苦い顔にめげずに事務所のテレビで欠かさず視聴している。逆転裁判2-1以降は成歩堂の着メロが『トノサマン』の主題歌になっており、成歩堂への布教にも成功したようだ。『タチミ・サーカス』にも大はしゃぎし、元祖トノサマンジュウと聞けば食べたがり、とにかく日々人生を楽しんでいる模様。
「味噌ラーメン」をこよなく愛しており、『4』で登場した『やたぶき屋』では、先代店主の常連だったということが矢田吹麦面の発言から窺える。漫画版ではことあるごとに成歩堂にこのラーメンを奢らせている。なお、逆転裁判2-3によると、料理も出来るようで、マヨイちゃん特製ラーメンは自慢の一品らしい。
『6』の時点で、生前の姉を追い越して28歳…押しも押されもせぬ立派なアラサー女となったが、性格は『3』の頃のままなため、普段は大人の女性としての雰囲気に欠ける。
しかし、歳相応に落ち着いてきており、レイファ・パドマ・クラインを諭す一面も。
特撮好きは相変わらずで、クライン王国では当地の特撮番組『冥界戦士トリサマン』を見ていた。
自身の色恋沙汰に関しては「結婚して跡継ぎを産む必要がある」という家元としての責任における結婚の必要性は自覚しているものの、恋愛観の無さは現在でもほとんど変わっておらず、成歩堂の見立てでは「まだまだ色気より食い気」とのこと。
成歩堂龍一との関係
ゲーム上の立ち位置からプレイヤー間では成歩堂の正ヒロインとして扱われることも多く、成歩堂との恋愛関係を描いた二次創作も相応に多い。
『2』では誘拐されている最中は千尋だけでなくその場にいない成歩堂に助けを求めたり、『3』で自身に迫る危険から解放された後に「なるほどくん‥‥ おねえちゃん‥‥」と呼び掛けるなど、千尋と同列の存在であることが窺える描写が散見される。
「成歩堂と付き合っている」と勘違いしている春美に水を向けられた時は必ず否定するも少々動じる様子がある他、『3』で成歩堂と親しげに話す華宮霧緒を見て釈然としないものを感じる様子があるなど、成歩堂との間に恋愛感情が全くないとは言い切れない描写もある。
一方で成歩堂があやめと「再会」して微妙な雰囲気となった際はからかって煽る様子があるなど、明確に成歩堂を恋愛対象ととらえているとは取れない描写も散見される。
上記にもあるように本人が自身の恋愛方面の機微に疎いこともあり、相棒的な立ち位置に収まっているとする解釈が基本的には多いようだ。
登場作品
その他
- レイトン教授VS逆転裁判
- ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3
- 鬼武者soul
- プロジェクトクロスゾーン2
演じた声優・俳優一覧
レイトン教授VS逆転裁判以前のゲームには音声がない
花村怜美 | プロモーション映像、TGS特別法廷、ドラマCD、『プロジェクトクロスゾーン2』『CR逆転裁判』『逆転裁判6』 |
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桐谷美玲 | 実写映画版、『レイトン教授VS逆転裁判』 |
悠木碧 | テレビアニメ『逆転裁判 〜その「真実」、異議あり!〜』 |
CAPCOM | 『鬼武者Soul』 |
すみれ乃麗 | 舞台『逆転裁判 -蘇る真実-』『逆転裁判2 -蘇る真実、再び…-』 |
荻野可鈴 | 舞台『逆転裁判 逆転のスポットライト』『逆転裁判2 〜さらば、逆転〜』 |
椎名ひかり | 舞台『逆転裁判2 〜さらば、逆転〜』 |
関連イラスト
関連タグ
※以下には「逆転裁判2」「逆転裁判3」のネタバレが含まれます。
家元の娘として
概要の冒頭にて記述された通りの血縁者達に加えて、『3』では伯母のキミ子と前夫との間に生まれた双子の姉妹・美柳ちなみと葉桜院あやめとも従姉妹関係にある事が判明した。この2人は春美の異父姉に当たり、真宵より6歳上である。
先代の家元は真宵の母・舞子である為、真宵はいずれ家元の地位を継承する。綾里舞子が世間的に注目を集めたDL6号事件を解決できず失脚・失踪したことによって、本家・家元の地位は低下した。しかし、かつての倉院流は、死者からの情報が入手できるという切り札によって政財界に強大な影響力を及ぼしていた。
DL6号事件の解決によって、綾里舞子の霊媒は失敗していなかった(霊媒された被害者が死の直前に気絶していた為真犯人を知らなかった)事が証明された。これにより『倉院流』は力を取り戻しつつあり、真宵の代に『倉院流』が復権すれば『倉院流』と『倉院の里』もかつての栄光が取り戻せると考えられている。この為、本家と家元の地位を奪おうと企むキミ子は、常に真宵の失脚を狙っている。キミ子の狙いは真宵を消すことによって高い霊力を持つ自分の娘・春美を家元にすることであるが、もちろん春美自身はそんな企みは知らないし家元の地位にも興味を示していない。
真宵は母をDL6号事件で失い、姉を逆転裁判1-2で失い、伯母すら逆転裁判2-2で逮捕され、更に従姉妹関係であることが判明したあやめも情状酌量の余地ありとはいえ逮捕されるという度重なる不幸に見舞われ、心の底に深い苦しみを抱えている。
しかし、普段は明るく振る舞い、その寂しさや悲しみを表に出すことはめったにない。残された数少ない身寄りである春美のことは、「はみちゃん」と呼んで溺愛している。