「死者の声はウソをつきません。ならば、弁護士など・・・・不要です。」
声:高島雅羅
概要
クライン王国の法務大臣であるインガ・カルクール・クラインの妻で、レイファの母。娘のレイファ以上に厳格で神秘的な雰囲気の持ち主。
クライン王国では霊媒の力を持つ者が女王になれるとされており、女王である彼女もまた絶大な霊力を持ち、クライン王国の民達から崇められているだけでなく、彼女の霊力に心酔する親衛隊も存在する。レイファにとっても憧れの存在であり、母のような女王になりたいと思っている。
23年前に前女王のアマラが暗殺され、その裁判で弁護士が捏造を行なった事で、弁護士を悪とし「弁護罪」を制定した。またその犯人である革命派のリーダードゥルクを強く危険視しており、革命派の危険な思想に憤りを抱いている。
また、理由は不明だが、霊力を授かるとされるクライン王国の秘宝「始祖の宝玉」に強い関心を抱いている。
関連タグ
以下に物語終盤の重大なネタバレあり。未プレイの方は要注意。
真の本性
「ひれ伏せ!」
実は、この人物こそ「逆転裁判6」のラスボス。逆転裁判シリーズでは初となる女性のラスボスである。女王になる前は検事を務めており、また法務大臣の職にも就いていた。(上画像の姿は、その時のもの)
その本性は冷酷無慈悲なクライン王国の独裁者であり、民衆を「愚民」と見下し、目的のためなら身内を殺すことも躊躇わない冷徹な心の持ち主。
23年前に起きた「アマラ女王暗殺事件」の真犯人であり、その際に王泥喜の実父を殺した張本人。つまり、「王泥喜編」とも言うべき4から6における全ての元凶と言える。
アマラ女王暗殺事件の罪を姉の夫ドゥルクに着せた上に、証拠のねつ造をでっち上げて「弁護罪」を制定し、念願の女王の座を手に入れた。姉のアマラが放火から奇跡的に助かると、「身の安全のため」と言い包めて彼女を事実上軟禁していた。アマラはその後再会したドゥルクに連れ出された事で彼が犯人ではないことを知るものの、ガランの部下に連れ戻されてしまい、妹ガランへの情と生まれたばかりの娘レイファを人質に取られた事でガランに従わざるを得なくなった。
ガランはそんな姉ですら駒のひとつとしか思っておらず、不要となった途端に部下に射殺を命じた。また実際には姪にあたる義理の娘レイファにも親としての情を持ち合わせておらず、「託宣」による自身の政権の象徴と、レイファの本当の両親及び兄ナユタへの人質としか思っていなかった。
表向きは法務大臣の夫インガが法の全てを統治しているように見えるが、実際には実権の殆どをガランが握っているため夫とは不仲であり、彼がクーデターを企てている事を知ると夫を殺害し、その罪を再び革命派のリーダーであるドゥルクに着せようとした。
ドゥルクの裁判ではナユタに代わって自身が検事を務め、隙のない論証に加えて都合が悪くなると女王の権力を悪用して裁判中に法律を書き換えるという文字通り掟破りの手段も使って弁護側を追い詰めるが、王泥喜と成歩堂、そしてドゥルクの残した証拠品で真相を次々と明らかにされ、更に自分が23年前のアマラ女王暗殺未遂事件の犯人であることも明かされた事で、母の本性を知ったレイファや、自分たち家族を引き裂いた元凶として叔母への怒りを露わにしたナユタから見放される。
それでも自分が告発されそうになると、「女王である自分を脅かす者は死罪」と法律を加え、絶対的な法の力と親衛隊の武力で王泥喜たちを追い詰め勝ち誇る。しかし、絶大な霊力を授かると伝えられている「始祖の宝玉」への異常な執着心を見せていた事から、女王になる為の絶対条件である霊媒ができないという秘密を王泥喜に見抜かれる。
そして「そもそも、女王の資格がないガランの名の下に制定された法律は、全て無効である」という致命的な事実を法廷で暴露され、それでも言い訳をしようとするガランに王泥喜から「それならこの場で始祖の霊媒をやってみせろ」とトドメを刺される(加えて、自身の取り巻きである親衛隊までもが「始祖様に会える」「女王の霊媒を見られる」と乗り気になってしまい、引くに引けなくなってしまった)。
ガランの女王の座への執着心は、霊力を持つ姉への劣等感と権力への執着から来るものであり、実はアマラを生かしていたのも、自分の替え玉として霊媒をさせる為であった。その外道振りから、ナユタからも「欺瞞に満ちたド腐れ女王」と、これまでの恨みを込めた最大限の暴言を吐き捨てられ、最後には王泥喜から、余りにも見苦しい無様な体たらくに対して「諦めるのはお前の方だ!!ガラン!!」と引導を叩きつけられた。
最後は法廷で始祖の霊媒を試みるも、霊力を持たないガランに霊媒など出来るはずもなく、女王の資格がない事が傍聴人や親衛隊に完全に露見した。そして、ガランの霊力を信奉してきた部下たちに見限られて銃を突きつけられ、精神が狂い水鏡の上で大の字に倒れた。その後はすぐに緊急逮捕され、ここに23年間続いたガラン政権は崩壊を迎えた。
取り調べでは自分が霊媒した始祖様になったと思い込んでいるらしく、実際に真宵の霊媒を見た事があるナユタや裁判長は呆れていた。「弁護罪」を含めたガランの制定した法律は無効となった為、ドゥルクが願った革命は見事に成されたのであった。
自分と違って絶大な霊力を持つ姉妹への嫉妬心やコンプレックス、自分が権力を得るためなら身内を利用し、死なせることすら厭わない冷徹さを持つといった点は、あの綾里キミ子と共通するものがある。
また、クライン王国の伝説である偉大な霊力を持った始祖様には、妹で霊力は持たなかったが武力で陰から支えた鳥姫が後世で同等の尊敬を抱かれており、鳥姫とガランは同じ立場にありながらも正反対の結末を迎えてしまったのは皮肉である。
余談だが、逆転裁判シリーズにおける兄弟姉妹間での諍いにおいて作中では姉側が悪女になるパターンが多いが、ガランの場合は妹が悪役という結構珍しいケースである。
名前の元は「がらんどう」からか。
ネタバレ系関連タグ
女郎蜘蛛...モチーフと思われる。
狩魔豪 美柳ちなみ 綾里キミ子 一柳万才...逆転裁判シリーズにおける歴代「悪役」。
妃英理...中の人繋がり。こちらは検事ではなく弁護士であるものの、法廷での無敗記録を更新中の凄腕弁護士で、「法曹界の女王(クイーン)」という「女王」の異名を持っている所も共通している。しかし殺人や脅迫などで無敗を勝ち取るガランとは違い、自身が持つ明晰な頭脳を駆使し勝利を掴む極めて真っ当な人物。
なお、何かインガが有るのか無いのか、中の人もガラである。