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「いじめるからね」


概要編集

逆転検事2』第4話『忘却の逆転』に登場。68歳。ベテラン検事・狩魔豪、『警察局』の局長・巌徒海慈とは同い年であり、年齢からして彼らとは同期に当たる。


『検事局』の元局長にして『検事審査会』の会長。新米検事・一柳弓彦の父親に当たる。弓彦は現時点では17歳なので、万才が51歳の時に授かった息子である。ここまでの年齢差だと父と息子を通り越して、祖父と孫の関係でも不思議ではない。因みに、豪が冥という娘を授かったのも48歳と近い。数年前から妻は消息不明で、父子家庭で一人息子を育てている。冷徹な性格の割に異様に親馬鹿で涙脆く、頻繁に息子・弓彦絡みの事で滝の様な涙を流しては、ゴーグル一杯に溜まった涙を捨てるのが癖。この習慣からか目の周辺が黒ずんでいる。涙脆さは形を変えて弓彦にも引き継がれた。全然似ていない親子に見えるが、髪の色は共通で目付きも少しだけ似ている。全体にウェーブの掛かった茶髪のロングヘアを生やし、髪と殆んど変わらない量と長さのウェーブの髭を蓄えている。涙でびしょ濡れになった髭を絞り上げて乾かすのも癖の1つ。


職業柄かつては検事であった事は確かで、その経歴への拘り故にか「両肩と背中に検事のシンボル『秋霜烈日の記章』が描かれた、真紅のライダースーツというド派手な服装」となっている。ベルトのバックルにも『秋霜烈日の記章』が刻み込まれている。上着の左胸には数十個にも及ぶ、検事バッジを整列させて装着している。これは「処罰を与えた検事達から没収して来た戦利品」で、不自然に1ヶ所だけ空いた部分には「今度の処罰対象となる人物からの没収品」を付け加える予定。バイク愛好家なだけに常にゴーグルも着用していて、自宅のガレージには「真っ赤で髑髏をあしらった悪趣味なデザインのバイク」が置かれている。


既に孫がいても可笑しくない老人でありながら、服装やバイクの趣味だけ見ると中二病と言っても差し支えない程、悪い意味で現代の若者らしい。ライダースーツを格好良く着こなす目的も兼ねてか体を鍛えており、上着の下に着た黒いシャツでは逞しい腹筋が隆起している。後述の性格に関しては中二病要素は含まれていないものの、趣味では「中二病が爆発している」と言っても過言ではない。喫煙描写は無いが、気分転換や精神集中を目的にライターを弄ぶという、これまた中二病臭い癖も持つ。ダメージモーションには苛立ちや焦りをライターにぶつけて、忙しなくスイッチの切り替えを行うものが含まれている。


司法界の重鎮を担う高齢の権力者であるだけに、正しく「老獪」と言える知能と人間性の持ち主。性格は「冷静、冷淡、冷酷の三拍子」で、この三拍子はどんな事態が起きようと崩れない。理知的で冷めた性格に反して、常に人をおちょくる様な飄々とした軽薄な口調と態度を取る。「権力者らしからぬ俗っぽい飄々とした口調と態度を見せる点」は巌徒と共通しているが「気さくで茶目っ気を含んでいる為どこか憎めない印象」を与える彼とは違い「会話相手を小馬鹿にするドス黒い本性が滲み出ているかの様な悪印象」を受ける。自分の気に障る発言や行動に及んだ相手に対して、静かな怒りを見せて冒頭の台詞「いじめるからね」を用いて脅し付けるのを口癖とする。「狡猾」という印象が真っ先に浮かぶ人柄だが、頭脳明晰で優秀な男性なのは間違いなく、何に対しても冷徹な姿勢を取って、後々の事態に備えての的確な対処に当たる。


よく誤解されるが『逆転裁判』第2話『逆転姉妹』にて、情報処理会社『コナカルチャー』の社長・小中大の電話相手として声のみが登場した検事局長は万才ではない。この時点で彼は既に『検事審査会』の会長に就任している上、万才は小中の言葉に動揺する様な小物ではないので別人である。同作の第4話『逆転、そしてサヨナラ』の事件の担当検事・狩魔豪の回想シーンに登場した、当時の彼の上司に当たる15年前の検事局長こそが万才なのだ。万才はIS-7号事件の裁判にて不正行為を犯した部下の狩魔にも臆せず、情け容赦ない厳しい処罰を下して「狩魔の心にも経歴にも生涯残る深い傷」を刻み込んだ。そのショックは強靭な精神力と「完璧な経歴」に対する激しい執着心の持ち主の彼が、経歴上では初となる「私情に基づいた1週間もの休暇」を取った程であった。


『検事審査会』の本部がある『ビッグタワー』に通勤していて、勤務先に「様々な事件の証拠品や関連品を競売に掛ける『闇オークション』が複数の司法関係者によって開催されている」との疑惑が浮上し、更に審査会の一員の弁護士・籠目つばさの遺体が発見される事件まで発生する。それから万才は捜査に当たる検事・御剣怜侍による事情聴取や、スクープを狙うフリーカメラマン師弟・大沢木ナツミと速水ミキコの直撃取材を受ける事となる。オークション会場の倉庫には、2011年に発売された『検事2』までの『逆転』シリーズに登場した「歴代事件の証拠品と関連品」が犇めき合っていたので、この『ビッグタワー』にて『闇オークション』が開催されていた事自体は早くに確定した。


名前の由来はスタッフ曰く、トップクラスの権力者なので「万歳」の捩りに「万にも及ぶ才能の持ち主」という意味を込めて漢字を当てたとの事。苗字の一柳は息子の弓彦と同じく「一流」が由来で、音読みすると「イチリュウ=一流」と読める漢字を使用された。


関連項目編集

逆転裁判・逆転検事シリーズキャラクター一覧


逆転検事2


一柳弓彦

水鏡秤


御剣怜侍

狩魔豪








ネタバレ注意










司法界の暗部を司る者編集

「ボク位になるとね、真実くらい作れちゃうの。チョチョイと」


『闇オークション』の主催者編集

第4話の『闇オークション』を開催していた張本人にして、籠目つばさ殺害事件の真犯人。そして『逆転裁判』及び『逆転検事』シリーズの諸悪の根源の1人である。スタッフからも「シリーズ史上、最大の外道」と断言されている。


その本性は「権力欲と金銭欲に凝り固まった最低最悪のクズで、自らの利益に反する人間は躊躇なく己の地位を乱用して、社会的に抹消もしくは殺害を企む腐れ外道」である。若い頃に相棒であった刑事が姿を消した事を皮切りに「万才の周囲にいた多くの人間が、何故か彼の前から次々と消えて行った」と自ら語っているが、彼自身によって消された事が示唆されている。御剣も「彼によって皆、消されたのだろう」と推理していた。万才の妻に当たる弓彦の母親も姿を消しているが、それすらも彼の仕業と見られる。「ボクの前から大勢の女が現れては消える事が繰り返されて来た」とも述べており、女性関係にだらしない一面も匂わせる。


「警察から横領した証拠品や関連品」を横流しして競売に掛ける『闇オークション』の主催者でもある。『闇オークション』という犯罪行為を通じて莫大な利益を得ていた張本人で、籠目の殺害動機も証拠を掴もうとしていた彼女に対する口封じである。『検事審査会』には裁判官・水鏡秤と籠目も所属していて、秘密裏に彼女達は協力して万才に関して捜査していた。籠目殺害事件ではある人物の犯行で記憶喪失となっていた、御剣のパートナー・一条美雲に罪を擦り付けて無理矢理、事件を揉み消そうと図った。


しかも前作『逆転検事』で登場した「国際的な密輸組織の日本での密輸ルート」を作っていた張本人に当たり、協力と引き換えに組織からは密輸品を裏で受け取る等の利益も得ていた。実際『闇オークション』でも「前作で密輸されていた美術品」が登場している。『国際警察』に協力していた検事・狩魔冥は密輸ルートの追跡を行った後、最終的に『検事審査会』の濃厚な疑惑へと辿り着き、その捜査の為に再び来日する事となった。


大統領暗殺事件の首謀者編集

万才の悪事は日本国内に留まらず、恐ろしい事に近隣諸国の『西鳳民国』に対するテロ行為にまで及んでいる。万才は12年前、発生した『西鳳民国』の大統領・王帝君暗殺事件・通称「SS-5号事件」の首謀者の1人で、大統領暗殺を発案した張本人・王の影武者の要請で協力者に加わった。そして凄腕の殺し屋・鳳院坊了賢に依頼して本物の王を殺害させると、極秘で本物の大統領に成り代わった「影武者との生涯に渡る協力関係」を築き上げて様々な利益を得て来た。その後は影武者を人質とした狂言誘拐事件を引き起こしてSS-5号事件を「大統領暗殺事件」から「大統領誘拐事件」に偽装した上で、この事件の担当検事として事後処理に当たった。大統領暗殺計画の共犯者・美和マリーが容疑者として起訴された時には、証拠品を捏造して彼女を無罪にする事で事件を迷宮入りさせた。


暗殺事件の首謀者3人は事件隠蔽には余念が無く、不幸な偶然から暗殺事件の目撃者となった少年・猿代草太をも口封じの為、事件当時から現在に至るまで追跡し殺害しようと画策している。草太は元々マリーが経営する孤児院『ハッピー・ファミリー・ホーム』の入居者で、マリーが孤児院を「大統領暗殺事件の現場として提供した事」が災いして、唯一の目撃者となってしまった。草太が目撃者だと即座に見抜いたマリーは彼に「虐待紛いの過酷な尋問」を数日間にも渡って行い、限界を迎えた草太は孤児院から脱走し逃亡生活に入った。彼は司法界に幅を利かせる万才から追われる身であるが故に、司法関係者にも頼れず社会での居場所も失くしてしまう。「生き続ける為には逃げ続けるしかない、孤独で悲惨極まりない人生」を自分に強制させる奴らへの激しい憎悪を抱いた、草太は自分を守る為にも逃亡犯のみならず、殺人犯としても復讐鬼としても覚醒を果たし、凶悪犯罪者に堕落するに至った。


元来は大統領の身辺警護を務め、彼の関連事件の捜査も担当した国際捜査官・狼士龍の一族は母国から「一連の事件で失態を演じて大統領に見放された」と誤解されてしまい、国内での権威と信頼が失墜する苦境に陥った。前作で断片的に語られていた、この出来事が狼の検事を憎む原因となっている。


DL6号事件の真の元凶編集

2000年当時、万才は検事局長を務めていたが、部下の狩魔豪が約40年間にも渡る無敗記録を更新するに連れて『検事局』内部での発言権を強めて行く事から、内心では彼を疎ましく思っており「IS-7号事件を利用して狩魔の力を弱める事」を目論んだ。狩魔の方は上司の万才から恨みを買っていた事に対しては無自覚であった上、彼の仕掛けた罠を回避する事は権力関係からも不可能だった。手始めに万才は初動捜査の担当刑事・白瀬渡からの「被害者・氷堂伊作の死体消失の報告」を狩魔に伝えさせるのを防ぎ、更に監察医・伊丹乙女を脅迫して「架空の検死記録」を捏造させた。これらの裏工作が原因で無実の菓子職人・天海一誠を誤認逮捕する羽目になった、狩魔は担当検事を務めた公判にて苦戦する事態に陥った。彼は無敗記録を守り抜こうと敗訴を避けるべく「被告人・天海に対する脅迫紛いの自白強要、証拠品捏造という不正手段」を取ってしまう。その不正手段を法廷で担当弁護士・御剣信に告発させる様に誘導し、最終的に万才は「不正を犯した検事へ公正に罰を与えるという名目」を用いて狩魔にダメージを与える目的で、彼の心にも経歴にも消えない傷を刻む厳しい処罰を下した。以上の経緯が「IS-7号事件関連の裁判の真相」である。


狩魔は「全ては万才に仕組まれた罠という事実」は知らなかった為、これも一因となって信に対する逆恨みを募らせてしまい、IS-7号事件の審理の完了直後の2001年の年末、裁判所で信が見舞われた事故に便乗して彼を殺害する「DL6号事件」を引き起こした。万才の私利私欲を目的とした仕業によって、冤罪を掛けられた無実の人間・天海は19年間も拘留される事となった上『逆転』シリーズ前期の「ほぼ全ての登場人物の人生を狂わせたDL6号事件の勃発」に至ってしまった。それ故に万才こそが「『逆転』シリーズの諸悪の根源の1人」となっている。


DL6号事件の真犯人・狩魔ですら「万才の犯行の犠牲者の1人」だったとも言える。巡り巡って逮捕の原因となったDL6号事件を除いても「狂気的な完璧主義の一貫」「完全無敗記録の保持」を動機として多岐に渡る膨大な罪を犯して来た狩魔は、全ての罪を暴かれて万才が失脚する前年に死刑が執行されており、不幸中の幸いか「真の元凶は万才という真実」は知らぬまま生涯を終えた。狩魔が作中で見せた「死刑までをも含む潔い退場劇」は「信こそが自分のプライドと経歴に傷を付けた張本人なのだから、彼への復讐殺人を果たせた事に関しては後悔は無い」と意識していたからこそ受容出来たのである。好敵手として、人徳も実力も認めていた信の殺害後「本当の元凶は万才であり、彼の掌で自分も信も踊らされていた真相」を知ったら、狩魔は逮捕以前だったとしても大きなショックを受けたに違いない。


万才は多方面に強欲であるが為に「有能な部下・手駒となり得る人材獲得」も行っており、信の忘れ形見・怜侍の手腕も高く評価している。実際に彼を「籠目つばさ殺害事件に対して、万才が望む幕引きを受け入れるなら『検事審査会』にポストを用意する」と誘惑している。その反面、怜侍が自分に逆らう姿勢を改めないのなら検事資格を剥奪し、没収した検事バッジを自身のコレクションの空欄に加える気でいた。実現せずに済んで何よりである。その裏では前述した監察医・伊丹の記録捏造の件を脅迫材料にして、彼女の孫である看護師・武藤瞳子を脅迫して自身の共犯者に仕立て上げていた。


『逆転』シリーズ屈指の毒親編集

「他者愛の欠落した自己愛の塊である、極度の利己主義者」という姿勢は家庭でも変わらず、実の息子・弓彦に対しても本心では「自らの権威を上昇させる為の道具」としか見ていない。「自分のお気に入りのトロフィーに対する様な愛着」を向けていたと思われる。一見、馬鹿息子を溺愛する余り「法律学院の首席卒業生・若手天才検事」という実力不相応な立場にまで弓彦を出世させようと、圧力を掛けて学校の成績を改竄させたり、才能に乏しい未成年に任せてはいけない程の高い役職に就けたりと、八方手を尽くしていたかの様に見えるが、これも「優秀な息子を持つ権力者の自分」を演出する目的も兼ねての立ち回りに過ぎなかった。自らの権力で弓彦を実力に伴わない環境に放り込んで、無理矢理「天才検事」に仕立て上げた挙げ句、完全に利用価値を失くしたと見るやいなや「使えない駒」呼ばわりして切り捨てる、鬼畜の所業に及んでいるのが実態である。


万才は御剣と仲間達による追求を逃れようと、自身に不利な情報を持った弓彦をこの場から追い払う為、前述の育児環境を平然と暴露した際「未熟ながらも父親の為に努力を重ねて、健気に尽くして来た弓彦の姿」を見て来た水鏡を始めとする、現場にいた多くの人々を激怒させた。狩魔の娘・冥は「弓彦が可哀想」と義憤と同情の声を上げ、水鏡からは「自分の息子を何だと思っているのですか!」と批判と詰問をされた。それに対して万才は「使い勝手の悪い駒」だと言い放って彼女も息子も一蹴した。御剣にも「父親としても検事としても、どこまでも極悪」と意見を纏められた。御剣と冥は自分の実父、水鏡は養子の実父と、それぞれ立派な父親を見て来たからこそ、ここまでの強烈な義憤を覚えたのであろう(狩魔は万才とは異なり、冷酷非情な極悪人ではあるが、自分の家族には真っ当な愛情を持って接していた)


主に息子・弓彦関連で見せた涙は皆「嘘泣き」である。保身目的から見下している相手を気遣うフリをする為だけに、文字通り滝の様な涙が流せたのだから悪い意味で凄い。こんなにも狡猾で酷薄な極悪人の父親から、アホの子だが根は純粋で善良な息子が生まれて来たのは「奇跡」と言って良い。妻に関しての描写は「数年前、姿を消したという一言だけの情報」を除くと皆無だが、わざわざ権力欲の塊である万才が妻に選んだ辺り、弓彦の母親とは政略結婚だったのかもしれない。政略結婚した相手との息子だからこそ、見捨てると世間体が悪くなる危険性が生じる為、万才は「弓彦が低能」と知りながらも溺愛して「自分の地位を底上げする道具として利用する選択肢」を取らざるを得なかった可能性も考えられる。


黒幕に仕掛けられた罠、息子から渡された引導編集

第4話では最終的に籠目殺害事件の真相が暴かれて逮捕・拘留されるものの、その前に既に証拠品を隠蔽しており、第5話にして最終話『大いなる逆転』で開廷した「共犯者マリーを被告人とする裁判」にも介入して来る。万才はこの裁判の担当判事・水鏡の養子である相沢詩紋を部下に誘拐させて、彼女を脅迫する事でマリーと自身を無罪にしようと企む。しかし部下達は人違いで、よりによって息子・弓彦を誘拐してしまった。詩紋自身は本作全体の黒幕にして「万才とマリーへの復讐」を達成するべく暗躍していた草太によって事前に誘拐されていた。こうして水鏡は万才からは「自分とマリーを無罪にしなければ詩紋を殺す」草太からは「万才とマリーを有罪にしなければ詩紋の命を奪う」と真逆の内容の2つの脅迫の板挟みに陥ってしまい大いに苦悩した。ちなみに王の影武者の方は、第5話の冒頭の時点で既に草太に殺害されている。最終的には父・万才への依存を完全に捨て去り、真の意味で検事として歩み出した息子・弓彦は、人質から解放されると単身でゴミ山に捨てられていた証拠品を見つけ出した後、出廷した彼にその証拠品を突き付けられると同時に引導を渡された万才は、恐喝の件や証拠隠滅の件を立証されて、ついに破滅を迎えたのであった。


実は前述の籠目殺害事件も「全て万才への復讐を目論む黒幕・草太が仕組んだもの」であり、彼女に諸々の情報を与えたのも「籠目が復讐を成功させれば万才が死ぬ」「そうならなければ(作中通り)御剣達を焚き付けて暴かせる」という目論見があっての行動だった。結果、黒幕の思惑通り御剣にその罪を暴かれた万才はその後「SS-5号事件の真相、当時の死体遺棄の件等々、様々な余罪」を次々と暴かれ続ける窮地に陥った。更には「本物の王帝君の遺言状、彼の隠し子・詩紋の存在、事件当時から現在に至るまで隠蔽していた本物の王の白骨死体」という決定的な証拠を発見された事で「大統領暗殺という自身の過去最大の犯罪」を完璧に暴かれてしまい、最後は皮肉にも「自分自身が完全に社会的に抹消されるという末路」を辿った。その後は「全てが暴かれた極めて膨大かつ悪辣な内容の罪状」「一国の首相の殺害、成り変わりへの関与」という重すぎる罪からしてマリー共々、死刑台送りになったと思われる。

ブレイクシーン編集

該当場面では自分を追い詰めた敵対者に対する怒りを爆発させて咆哮し、勢いに任せてライターの火を大炎上させてしまい、自身の長い髪と髭を焼き尽くして丸坊主になるという内容である。火種が燃え尽きると口から一息の黒い煙を吐いた。顎には髑髏の模様がある。第4話で御剣に敗北を喫した時にも、第5話で弓彦に引導を渡された時にも内容は変わらないので、同じブレイクシーンを2度も見る事となる。第4話で本物の髪と髭は焼失してしまったので、第5話ではカツラと付け髭が焼失する羽目になった。


同期の比較対象編集

年齢から計算すると「万才は狩魔と巌徒とは同期」という事になる。あんなにも強大かつ恐ろしい三大老獪が君臨していた、当時の法曹界を想像すると恐怖を感じざるを得ない。但し「検事という自らの職業」には身勝手な意地が含まれていた事は否めないものの、同時に高い誇りを持って熱心に取り組んでいた狩魔、昔は正義感の強い優秀な刑事だったがばかりに、哀しい形で道を踏み外してしまった巌徒に対して、万才は真っ当な人間だった時期も、褒められる点も、同情の余地も微塵も持っていない。しかも万才は徹頭徹尾、私利私欲と自己保身でしか行動していないので、悪事においても人間性においても、狩魔と巌徒よりも遥かに悪質で輪を掛けて酷い。それ所か「巌徒が歪んだ正義感から権力を求めて暴走してしまったのは、万才や狩魔に何かをされたせいではないか」という考察もある。また不正行為に頼らずとも、実力だけで十分のし上がれる才能の持ち主であった狩魔と巌徒に比べると、万才の才能は低かったので「悪行三昧に走らなければ、現在の地位を手にする事は出来なかったからこそ、あれだけの凶行を重ねて極悪人に堕落した」と推測する意見も見られる。


「犯行を立証された時の退場劇」も狩魔と巌徒は潔く罪を認めた上、自分を打ち倒した若き敵対者を認める姿勢も見せた。彼らとは正反対に、万才は最後の最後まで無駄な悪足掻きを続け、自分の告発に成功した若者・弓彦から潔く罪を認める様に促されても聞く耳を持たなかった。『逆転』シリーズの巨悪犯人の中では「最も救い様が無い下衆」と言っても過言ではない。

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