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ミリカ

みりか

ミリカとは、ゲーム『逆転裁判2』及び『逆転検事2』の登場人物である(曖昧さ回避付き)
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曖昧さ回避編集

カノジョも彼女』の星崎理香の別名義。


概要編集

声:大地葉(アニメ版)


逆転裁判2』第3話『逆転サーカス』に登場。年齢16歳。身長160cm。3サイズ・B79・W59・H83。


タチミ・サーカス』の団長・立見七百人の一人娘にして猛獣使いの少女。若い頃は猛獣使いをしていた、父親から役職を引き継いでいる。本名「立見里香(たちみりか)」。バットこと木下一平と、その兄アクロこと木下大作とは、父親同士が兄弟なので従兄弟に当たる(立見団長の弟が、木下兄弟の父親)


昔の少女漫画のヒロインの様な金髪碧眼の美少女で、宝石の様にキラキラと輝く瞳、ゴージャスな王冠と縦ロールの髪型の持ち主。ステージ衣装は、スパンコールを散りばめたマゼンタのレオタードで、彼女の放つ煌めきオーラの一因になっている。魔法少女を彷彿とさせる、星を象ったステッキを持ち、これを使って猛獣達を従えている。サーカスの猛獣全てと仲良しだが、最大のパートナーは虎のラトーで、サーカス内では彼を伴い登場する。公式の全身イラストでも、ラトーの頭を撫でながらポーズを決めている。「他人にラトーをけしかけるイタズラ」を仕掛ける時もあり、立見団長殺害事件の捜査の為サーカスを訪れた担当弁護士・成歩堂龍一、助手・綾里真宵も、このイタズラをされて慌てふためいていた。ミリカは途中で必ずラトーを静止してくれるものの、イタズラ被害者の様子を嬉々として観察している。


先代のパートナーはライオンのレオンだったが、半年前に起きた事故で他界した。彼の亡き後はラトーを一番の友達として扱う一方、未だにレオンへの愛情は維持しており、彼の煌めきを纏った舞台衣装を形見として大切に保管している。この舞台衣装はレオンがミリカのパートナーだと強調付ける為か、彼女のレオタードと同じマゼンタのベストである。今となってはレオンの形見は光り物好きな猿のルーサーに盗まれてしまい、まともにミリカの言う事を聞かない彼の住みかに隠されている。成歩堂と真宵は前述のラトーを使ったイタズラを受けた直後、ミリカと初対面し「レオンの衣装を代わりに取り返して欲しい」と彼女に依頼される事となる。この依頼を完了させないと、ミリカへの本格的な聞き込みが出来ない。彼女自身の言葉通り「サーカスの動物達とは皆、仲良し」なのだが、ルーサーだけは例外で反抗してばかりの彼には、ミリカも手を焼いている。


父親の立見団長は「いつまでも娘には俗世間の汚れも知らない、純真無垢な存在であって欲しい」と願う余り、ミリカを通学もさせずに、世間から隔絶されたサーカスの中だけで育てるという、屈折した教育方針を取っている。この為に父の親友にしてピエロのトミーからは「サーカスで繰り広げられる、夢の世界が彼女の現実」と語られる程、大変な世間知らず。サーカスの世界しか知らない故、童話のお姫様の様な浮世離れした、良く言えば無邪気、悪く言えば幼稚な性格をしている。自分の名前を一人称に用いており、話し方も会話の内容も非常に子供っぽい。実年齢は16歳と本来なら高校に通う年頃だが、精神年齢は幼稚園児か低学年の小学生並である。


厄介な事に悪意こそ無いものの、常識や道徳も精神年齢相応に稚拙で、良くも悪くも純粋過ぎるが故に、無意識に周囲の人々を傷付けてしまう傾向にある。非常識でもあるが故に、前述の成歩堂と真宵に「ラトーをけしかけるイタズラ」を2回も仕掛けた。リロの主張も真に受けて「腹話術師のベンと人形のリロは同一人物ではなく、常に行動を共にする別個の存在」として見ている。おまけに自分を可愛がってくれるリロには好意的だが、ベンの方は「いつもリロの隣に立っている影の薄い人」としか思っていない。


『2』の攻略本のインタビューでは「学校に行った事はあるのか」と質問された際「学校?ミリカよく解んない」と回答しており、父親には学校の存在すら教えられていない事が解る。ここでは「同年代の仲の良い団員」としてリロとバットを挙げていて「ミリカ、リロ君、大好きなの」とも語っている。後述の恋愛事情からして、このリロ大好き発言は十中八九「友達としてという意味」であろう。


独特の純情可憐な心と容姿を兼ね備えている為、団員にも観客にも「サーカスのアイドル」として扱われている。宿舎で同居している団員達からは、日常生活でもアイドル的存在とされていて、大勢の人々からの寵愛を一身に受けている。ミリカに好意を寄せる男性団員も多く、マックスリロとバットの3人がいる。まだ友人でしかないものの、ミリカは彼ら全員との仲が良好である。マックスのシルクハットのデザインも彼女が手掛けた。マックスとリロからは日常的に「恋心を明確にしてのアプローチ」を受けており、先日ついに両者からのプロポーズを申し込まれ、どちらを選ぼうかミリカなりに悩んでいる。なおマックスは内密に立見団長から「娘へのプロポーズの許可」を得ていて、リロもこっそり婚約指輪の用意までしている。作中での振る舞いからして、異性からのプロポーズも「友人との遊びの約束の延長程度」にしか思っていない節がある。現行法では男女共に18歳にならないと結婚出来ないが、GBA版の『2』が発売された2002年当時では「男性は18歳から、女性は16歳から結婚が許可される制度」だったので、16歳のミリカがプロポーズされる展開も作中に取り入れられた。ちなみに作中の時間軸は2017年の12月末である。


モテる割に恋愛感情に対しては疎い面があり、精神年齢の低さからも「バットが自分の気を惹きたい余り、しょっちゅうイタズラをして来る事」にも気付かず、単に自分をからかって楽しんでいるだけだと認識していた。幼い頃に両親に捨てられて、団長に引き取られた従兄弟のアクロとバットとは、長年に渡り同居している間柄なので「ミリカにとってはバットは兄弟みたいな存在」に思っていたのも、彼の恋心に気付かない一因となっていたと見られる。そのバットの兄アクロは何故か、彼女に密かに強い敵意を向けており「無邪気さ故の残酷さ」に苦言を呈される事が多い。サーカス団の中でミリカを快く思っていないのは彼しかいない。


第3話では「父親の団長が殺害される事件」が発生するも、ミリカ本人は大してショックを受けておらず、何事も無かったかの様に呑気に暮らしている。父親の教育方針は「娘の死生観」にも悪影響を与えていて、これにも「ミリカに不幸や罪悪感を背負わせたくない」という、団長の極度の庇護欲が表出している。半年前の事故でレオンが命を落とした時、彼は「レオンは文字通り、お星様になった」の一言で説明を片付けてしまった。霊媒師として死者の霊と向き合っている、同年代の真宵ですら信じていない、この迷信を彼女は今なお信じ込んでいる。ミリカは「パパもレオンも大好きだった」と語る反面、彼らの死を重く受け止めていない上、軽率にも「パパもレオンもお星様になって、ミリカを見守ってくれているから寂しくない」と口にする場面さえある。


逆転検事2』では、会社組織となった『タチミ・サーカス』の『猛獣使い課』の課長になっており、平社員にして雑用係も担う猿代草太という部下を連れて登場する。団長亡き後のサーカスの再興に熱心に励んでいるが、無邪気な性格の割に人使いが荒い一面を見せていて、ミリカには常日頃から万能なのにも付け込まれて、多岐に渡る膨大な仕事を押し付けられる草太は苦労が絶えない。どうやらマックスとの仲が幾分か進展した模様で、彼の口癖である「ゴージャス!」を時折、口にする様になった。


関連タグ編集

逆転裁判2

逆転検事2


逆転裁判・逆転検事シリーズキャラクター一覧


立見七百人

マキシミリアン・ギャラクティカ

木住勉

リロ(逆転裁判)

富田松夫

木下大作

木下一平


猿代草太

美和マリー























以下、第3話ネタバレ






















無邪気な少女の無邪気な笑顔編集


何を隠そう「第3話の事件の元凶」こそ彼女である。全ての始まりとなった罪のみならず、更に事態を悪化させる行為にも何度も及んでいる。


遡る事、半年前。宿舎の食堂でバットはミリカに胡椒を振り掛け、クシャミをさせる事で同席していた人々の笑い者にしてしまう。イタズラされるのは日常茶飯事であるが、今回に至っては周囲にいた人々にも笑われる被害を受けた為、ミリカは「バットへの子供じみた細やかな仕返しとして、大量の胡椒を振り掛けたスカーフをプレゼントし、彼のクシャミを誘発させるイタズラ」を仕掛けた。彼女の本心も知らずに、バットは好きな人からのプレゼントに大喜びしてスカーフを着用すると、ある事を提案する。


それは「自分がライオンのレオンの口内に頭を入れて、無事生還する芸を成功させたら、一緒に映画を観に行く」という誘いだった。これは本来、猛獣使いのミリカの持ち芸なのだが「軽業師のバットの挑戦」に面白味を感じた彼女は、興味本位から危険性を考慮せずに彼の提案を了承してしまう。そうした経緯を経て、バットはスカーフを巻いたままレオンの口内に頭を入れてしまい、スカーフの胡椒に刺激されたレオンがクシャミをした瞬間、頭を強く噛まれてしまう。その場に居合わせていた団員達には、この時のレオンの表情は微笑を浮かべている様にも見えて、目撃者のトミーも「あのレオンの顔は今でも忘れられない」と切々と述べている。


「バットがスカーフの胡椒に気付かないのは不自然」という疑問を抱く人も多いが「人間には気付かれない量に当たるが、嗅覚が人間より遥かに鋭いライオンには刺激となり得る量だった説」が事実であれば違和感は無い。


胡椒が刺激物となって混乱を起こしたレオンは暴走し、バットの救出に駆け付けたアクロの両足にまで強く噛み付いてしまう。この大惨事による被害は甚大なものとなった。アクロは下半身不随で車椅子生活となり、バットは脳髄を損傷して意識不明に陥り、今でも回復の兆しが見られないまま、病院で植物状態が続いている。2人による『タチミ・サーカス』の花形の一角だった「アクロバット芸人・兄弟コンビ」も再起不能となってしまった。レオンは「大事故を起こした害獣」の烙印を押され、全ての責任を押し付けられて、団長に銃撃されて殺処分される最期を遂げた。これ程までの惨状を招いておきながら、ミリカは一連の事故に対して何とも思わなかった。


何故かと言うと、父親の団長が「娘に不幸や罪悪感を背負わせて苦しめたくない」との一心で、まともにミリカに事情の説明も責任の追求もしない道を選択した為である。その代わりとして彼が娘にした事は「死んだら誰でもお星様になるから、レオンもそうなっただけ」という「お粗末な子供騙しにも程がある言い訳で、都合の悪い事は全て誤魔化した」としか言い様が無い。こんな説明も無知な彼女は信じ込んでしまい、ミリカは半年間ずっと何に対しても一片の罪悪感も持たないまま、事故の元凶でありながら、被害者達とは真逆に「事故以前と何ら変わらない平穏な毎日」を過ごした。


せめて団長が当時のミリカに「レオンの非業の死を通じて、死とは如何なる悲劇なのか」だけでも真っ当に教えていれば、少しは娘に罪悪感を覚えさせて、アクロの怒りも憎しみも悲しみも、事件を引き起こすまで肥大化するのを回避出来ていたかもしれない。父としての教育義務を怠ったばかりに、皮肉にも射殺したレオンと同等に、後々の自分の死まで娘に軽視される事態には至らなかっただろう。


「長年、同居して来た従兄弟同士だから」との理由で、サーカスの多忙な大人達に代わって、ミリカがアクロの介護役の1人に選ばれた事も更なる悲劇を誘発した。この人選は「団長が娘のミリカに甥のアクロの介護をさせる事によって、娘に精神的負担を持たせずに罪滅ぼしをさせて、甥の彼女に対する悪印象を緩和させようと図った可能性」もあるが完全に逆効果であった。ミリカは毎日アクロの部屋を訪問しては、食事を運んだり、掃除をこなしていた。当のアクロは「事故に関する人物、物事に無関心なミリカの姿」を日夜、見せられる立場となり、日増しに彼女への憤怒と憎悪を激化させて行く羽目になった。


そんな暮らしが始まって半年後。相棒の猿のルーサーのイタズラによって、偶然にも『マックスの胸像』という鈍器を入手したアクロは、とうとう「これを凶器に利用して、ミリカへの復讐殺人をしよう」と思い立った。彼は「深夜に自分の部屋の真下までミリカを誘導し、窓から『マックスの胸像』を彼女の頭部に落として撲殺する暗殺計画」を講じた。アクロはミリカのポケットに脅迫状を入れて、彼女が指名した時刻に所定の場所へと来るまで待った。脅迫状には「半年前の事故の決定的な証拠を預かっているから、今夜10時に宿舎前広場に来い」と書かれていた。


これを読んだミリカは罪悪感も責任感も皆無だった故に、脅迫状の内容に心当たりが無く「他人に宛てた手紙が、間違って自分のポケットに入っていた」と勘違いして「本来の相手に手紙が届く様に」と食堂の掲示板に脅迫状を貼ってしまう。脅迫状を読んだ団長は瞬時に送り主の真意を悟って「変装して娘の身代わりとなった上で、脅迫者との直談判を通じての説得」に挑もうとした。


結果として、団長は事件当時の状況が災いして「ミリカだと誤解されて、娘の身代わりになる形」でアクロに殺害されてしまう。団長殺害事件の捜査を進行する中、事件の真相に辿り着いた成歩堂は、それをトミーとマックスに伝えた。真相を知ったトミーは「ミリカをアクロが証人として出廷する裁判の傍聴人にさせて、彼の不幸な境遇や悲痛な本心、現実世界の厳しさを教える」と覚悟し有言実行した。


トミーの計らいは成功し、生まれて初めてミリカは罪悪感を覚え「自分が如何に周囲の人達を苦しめて、不幸に追いやって来たか」を痛感して号泣する。強烈な罪悪感に苦悩し、どうすれば良いのか解らない彼女に成歩堂は「アクロの動機は全てバットの為を思っての事であり、マックスに罪を着せようとしたのも、弟の目覚めを待ちたいが故であった」と改めて説明した。彼の言葉を訊き届けたミリカは涙を流しながら「これからはアクロの代わりに、ミリカがバットの側にいて目覚める時を待ち続ける」と覚悟した。そしてトミーとマックスの意向にも感化され「父親の遺してくれた『タチミ・サーカス』を世界一のサーカスにする夢」を抱き、団員達とも協力し合って困難を乗り越えて、いつか夢を実現させる為にも、未来に向かって歩んで行く事を決意したのだった。


アニメ版編集

第1期・第18話~第20話『逆転サーカス編集

アニメ版では「原作のゲーム版では説明のみであった場面」が幾つか直接描かれている。半年前の事故当時には、ドアが開きっ放しになった部屋で「バットへのプレゼントのスカーフに、ワクワクしながら胡椒を振り掛けている所」を偶然、廊下を歩いていたアクロに目撃されている。この時に彼がミリカのイタズラに気付いて注意していれば、この先の大惨事を防げていたのかもしれない。その後バットがレオンの口内に頭を入れる場面では、彼らの間近ではしゃぎながら事故の直前までの様子を見届けた。当時のレオンは、今や自身の形見と化した舞台衣装を着ていた。


「事故以降のアクロの世話をしている場面」も描かれ、普段の衣装の上から白いフリル付きエプロンを着用して、彼の部屋に食事を届けたり、掃除をこなす場面もあった。ある日の夕方にてミリカの運んで来た、夕食のプレートを膝上に乗せて口にするアクロに背を向けて、彼女は窓から「夜が差し迫り、星が転々と現れ出す夕焼け空」を眺めていた。この時ミリカは事もあろうに、アクロの目の前で「バットもお星様になったら、お空でミリカ達の事、見てくれるかな」とニコニコしながら火に油を注ぐ失言を発した。弟バットを死者に近い状態に陥れた挙げ句、軽々しく「弟の死を暗示する発言」に及んだ彼女を、恨みに満ちた目で睨み付けるアクロだったが、ミリカが背後からの敵意と視線に気付く事は無かった。


最終日の裁判では原作通りトミーと共に傍聴人として参加するが、裁判を傍聴する内に罪悪感に目覚め始め、段々と苦悩して行く様子が描写された。この裁判ではマックス監修の下、大掛かりな『事件当時の再現ショー』が開催されたのだが、これにはミリカは不参加である。『再現ショー』は成歩堂が司会役、トミーが団長役、真宵がトミー役を担当した。ショーを見せられるアクロに配慮してか彼役の担当者はおらず、ベンとリロが舞台装置を稼働させて、ダンボールで作成した凶器『マックスの胸像』を落とした。この『再現ショー』の観客とされた事件関係者では、アクロが最も心痛を覚えたであろうが、ミリカも「父がどの様にして殺害されたのか」を初めて知る結果となっただけに、彼女の胸中も察するに余りある。


事件解決後には傍聴席を飛び出し、落涙するトミーに付き添われて、連行されるアクロに対して、号泣しながら謝罪する場面が追加されている。その際、罪悪感の余り「悪いのは全部ミリカだから、連れて行くならミリカを連れて行って!」と警官に懇願し、原作以上に真実を重く受け止めて、罪を償おうとする姿勢が描写された。

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