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「検事さん。アンタもさ。

 オープニングから 飛ばしすぎなんじゃねえか?」

概要編集

逆転検事2』の第1話『逆転の標的』に登場。24歳。


『西鳳民国』大統領・王帝君を護衛するボディガードチームのサブリーダーを務めている。面長の顔立ちと鋭い目付き、馬の鬣(たてがみ)を彷彿とさせる金髪のモヒカン、そして首に巻いたコルセットが特徴的な青年。第2話『獄中の逆転』で登場する猿代草太とは互いに唯一の親友の関係にある。王帝君の歓迎イベントに際し『ひょうたん湖公園』にてボディガードチームのリーダー・外城涯と共に演説中の大統領を警護していた。ちなみに『西鳳民国』の大統領が、日本人である彼等のチームに警護を依頼した理由は「支持率の低下等もあって、自国の警察が信用出来ないから」との事。


大統領の警護中に限り、拳銃の所持を許可されているらしく、その拳銃を「西鳳民国の女」と呼び、事ある毎に華麗なガンスピンを披露する癖がある。他にもチェス愛好家でもあり、会話の最中にもしばしばチェス用語を交えて喋る。内藤本人曰く「あらゆるチェスの戦略に精通している」との事であり、その荒々しい外見や性格、ガンスピンという癖の持ち主なのに反して、意外にも頭脳派であり、後述のエピソードからも解る通り知性も高い。内藤の「サクリファイス」「キャスリング」などのチェス用語を用いた会話の意味が理解出来ない人物に対しては、彼と同じくチェスを嗜んでいる御剣怜侍が内藤の通訳を担当する事もある。


また彼にも「異議あり!」ボイスがあるが、強烈かつ非常に特徴的な巻き舌なのでよくネタにされる。ちなみに担当者は御剣と同じ『逆転』シリーズのキャラデザイナーの1人にして、本作も手掛けた岩元辰郎なのだが、説明抜きでは同一人物だとは気付けない程、声は全く異なっている。


第1話にて、大統領暗殺未遂事件の捜査を進める御剣達の下に「王大統領は無傷だったという、良いニュース」と「彼を庇って外城が死んだという、悪いニュース」更に「今後は事件の捜査権は全て『西鳳民国』の警察に移る」という、最悪のニュース」を持って初登場する。そして現場に居たルポライター・速水ミキコを事件の重要参考人として、大統領専用機の中に連行しようとする。


だが同じく現場に居合わせていた、凄腕の殺し屋にして、大統領暗殺の刺客・虎狼死家左々右エ門に脅迫され、捜査権を再び御剣達に譲る事となってしまう。ちなみに内藤の首のコルセットは、事件の数日前に大統領を襲撃した虎狼死家との戦闘で負った怪我によるもので、それ以来首が右に回らなくなったという。それ故に当初の警備計画を変更して、外城との立ち位置を変更せざるを得なくなったそうだ。


名前の由来は、彼の趣味でもあるチェスの駒「ナイト」と、それを表す「馬」からだと思われる。


関連画像編集

まのすけフェスティバル!無題

2014ごめん


関連タグ編集

逆転検事 逆転検事2

逆転裁判・逆転検事シリーズキャラクター一覧


御剣怜侍 猿代草太 王帝君


ボディガード SP













※以下ネタバレ注意※












人物像の変遷編集

騎士の執着編集

「オレが‥‥ オレがリーダーになるべきだった!

 外城ッ! アイツがッ! アイツさえいなければッ!」


内藤 馬乃介

第1話の外城涯殺人事件の真犯人。


実は今回の演説中に発生した暗殺未遂事件そのものが、支持率低下を危惧した大統領による「暗殺にも屈しない大統領というイメージを作る為の狂言」であり、内藤は最初からその計画を知る協力者だった。外城にも計画は知らされていたが、彼は協力を断った。大統領達が御剣達、日本警察の捜査介入を執拗に嫌がっていたのも、全ては狂言である事を隠蔽する為だった。


しかし外城は実際に凶弾に倒れてしまったのだが、これは偽の暗殺計画を利用した内藤の独断専行であり、王大統領自身が外城の死を望んでいた訳ではない。動機は「嫉妬の対象でもある外城を殺す事で、ボディガードチームのリーダーの座を手に入れるという出世欲の為」である。即ち内藤馬乃介という男の本性とは、他人から認められる事に過剰な執着を示す人物だったのである。それまでの劇中でも度々、外城を見下す発言や「俺こそがリーダーに相応しい」という意見を繰り返していた内藤だが、実際は先の虎狼死家の襲撃の際にも真っ先に捕えられ、首をひねられ負傷して、あっさりと戦線離脱している。


それに引き換え、外城は『逆転』シリーズ中、最強候補の一角とされる戦闘力を誇る、虎狼死家の存在にいち早く気付いた上に、左腕を掴んで捩じり上げて弾丸をお見舞いする事で、負傷と撤退に追い込み、大統領を無傷のまま護衛任務を成功させる、歴史に残る偉業まで達成した。どちらの方が優秀であるかは、この暗殺事件での動向の落差からも歴然としている。虎狼死家自身も「内藤と外城の実力はポーンとクイーン位の差がある」と評価しており、外城を強敵として強く意識していたのに対し、内藤の方は歯牙にも掛けていなかった。それら積もりに積もった外城に対する強い嫉妬心と、自身の方がリーダーに相応しいという自己顕示欲が、大統領による狂言暗殺の計画と結び付いた結果、今回の殺人事件が起きたのである。


ただし「チェスの戦略に通じた頭脳派」を自称するだけあって、実際に頭の回転はかなり速く、あの御剣とも真っ向から推理対決で渡り合ったばかりか、偽の暗殺計画の協力者だった速見に体よく自身の罪を擦り付ける事を目論み、自分が容疑者として浮上する前から、僅かな時間を利用して証拠品である拳銃のすり替えを行うなど、とても第1話の犯人とは思えない程の強敵ぶりを見せる。そもそも『逆転』シリーズ全作を通じて、天才検事と謳われる御剣と頭脳戦で真っ向から渡り合えたキャラ自体が殆どいない。若干24歳にして大統領のボディガードのサブリーダーを務めていたのは、伊達ではない知能の持ち主と言える。彼への追及時に初めて流れるBGM『対決~プレスト2011』は印象的で、この曲で内藤を連想するファンも多い模様。このシーンでの2人のやり取りも実に格好良いので必見である。


御剣相手に善戦したものの、最終的には拳銃をすり替えた際に弾丸の装填を行った事や、その弾丸に内藤の指紋が付着していた事等が決定的な証拠となり、御剣達によって殺人容疑で逮捕された。


ブレイクモーションでは、複数の拳銃でガンスピンを行うも、徐々に制御が出来なくなって、それらを次々と頭上に放り投げていき、様々な小物と共に銃が次々と頭に落下して、顔がコルセットに埋まって行く。この時に落ちてくる小物は、これまでの『逆転』シリーズ作品に出て来た物ばかりであり、小ネタ満載の美味しいブレイクモーションになっている。このブレイクモーションも、第1話の犯人のものとは思えない程、豪華なブレイクモーションである。


事件後には「ゲームはまだ終わっちゃいねぇ!」と御剣に捨て台詞を残して退場した。



以下、更なるネタバレ










早過ぎるチェックメイト編集

続く第2話『獄中の逆転』では何と内藤自身が刑務所内で殺害されてしまう。つまり第1話では殺人事件の犯人だった内藤が、第2話では殺人事件の被害者になるという、前代未聞の展開から物語は始まる。


更にこの時点で、内藤は外城殺害だけでなく、大統領暗殺未遂罪でも起訴されており、偽の暗殺事件の隠蔽を目論んだ上層部が、内藤に全ての罪を被せようとしたのだと御剣は推理している。内藤の親友・猿代草太も今回で初登場し、御剣は事件の容疑者として逮捕された彼の弁護を担当する事になる(担当検事から外された御剣は、担当弁護士である信楽の助手という立場で捜査を行う)


その後、明らかになった内藤殺害の真相は「真犯人の勘違い」によるもので、内藤に差し入れられた携帯チェスボードの中に入っていたノミを目撃した真犯人は、そこから自分を脅迫している暗殺者を連想してしまい、内藤をその部下と勘違いして尋問中に殺害してしまったというのが事件の経緯である。そして「それらも全て仕組まれた計画だった事実」が後に明らかになった。


チェスボードにノミが入っていた理由については、脱獄を図る為に内藤が仕込んでおいた物だろうと御剣は推理しており、そしてチェスボードを何も言わずに草太に持って来させたのは、草太を事件に巻き込まない様にする為で、同時に草太なら中身を改めないと信頼していたのだろうと、御剣は草太に伝えている。草太はそれを聞いて「内藤の分も頑張って生きて行く事」を改めて決意した。



以下は物語の核心に関わるネタバレ








ナイトになった少年編集

実は「只の1話の犯人兼2話の被害者」という役回りの人物ではなく、本作の一連の事件の背景に関わる最重要人物の1人。


内藤は第3話『受け継がれし逆転』にて語られる、本編の18年前に起きた「IS-7号事件」の被害者・氷堂伊作の実子であり、更には本作の一連の事件の黒幕・猿代草太とも幼馴染の同級生という間柄で、かつては非常に仲が良かった。しかし18年前の事件当日、父である氷堂に恐喝された当時小学生だった馬乃介は、同じく小学生だった草太を泣きながら縄で縛り、寒い冬の車の中に監禁してしまう。ところが徐々に車のドアが凍り付いてしまい、共に車に閉じ込められた馬乃介と草太は意識を失う。


偶然そこを通りかかった、虎狼死家の商売敵である殺し屋・鳳院坊了賢によって助けられ、何とか凍死は免れたものの、この事件によって馬乃介は父親と、自分の名前を含めた記憶を殆ど失う事となり、草太からは「自分を監禁して、自分の父親の殺害に手を貸した」と勘違いされてしまい、復讐心を抱かれるようになる。しかし現実はIS-7号事件の真犯人・風見豊こそが草太の父親であり、被害者の氷堂は馬乃介の父親だった。つまりは草太もそうだが、馬乃介もまた風見と氷堂というクズ共の諍いによって、運命を狂わされた被害者の1人だったのである。このクズ共の下らない諍いは『逆転』シリーズ全体にも大きな影響を及ぼしている。


過去の事件で記憶を失ったとは言え、馬乃介は成長後に警察から氷堂の遺品を受け取り、自分の父が殺されていた事を知っていた為に、18年前の事件で草太の父親(=風見)が自分の父親(=氷堂)を殺したという事には、気付いていた可能性が非常に高い。風見と氷堂の協力関係の破綻や、氷堂が金に困っていた事を知っていたとすれば尚更であり、IS-7号事件では犯人として天海一誠が逮捕されているが、彼は「共犯」として有罪判決を受けている為、犯人(主犯)が風見だと推測する事に影響はない。真相を知るが故の罪悪感に由来してか、それとも草太を思いやっての決断なのか、この事には最期まで一切触れずに草太との友人関係を続けていた。


加えて第2話でもチェスボードを持って来たのは草太であり、彼から「特別な差し入れ」があることを聞いていた為に、内藤は草太がノミを仕込んだ事に気付けた筈にもかかわらず、自分が殺されてでも草太がチェスボードにノミを仕込んだ事については、最後まで一切喋らなかったのである。最終話にして彼は「自分の身を犠牲にしてでも、自分が信じた友情だけは最後まで裏切らない」という、第1話からは想像も出来ない一面を持っていた事が明らかになった。正に「本作のテーマの1つである、印象の逆転を象徴する人物」と言えよう。同時に「登場人物ほぼ全員がキーパーソンと言っても過言ではない、本作の重厚長大な物語の象徴的存在」だったとも評価出来る。草太は只の友人ではなく「自分に残された最後の身内に等しい人物」だったからこそ、彼を裏切れなかったのかもしれない。


皮肉な事に草太は、馬乃介への復讐の為、上記の大統領の暗殺計画を考案した張本人であり、暗殺計画を考えたのは、かねてからの馬乃介の嫉妬を煽って彼に外城を殺害させた上で、馬乃介をマリーのいる刑務所に送り込む為だった。そしてチェスボードにノミを仕込む事で、マリーを恐怖と猜疑心を煽って追い詰め、内藤を殺害させる事で、その罪でマリーを逮捕させるのが目的だった。つまり全ては最初から草太によって仕組まれた計画であり、馬乃介の思いと友情は決して彼に届く事は無かったのである。


無論、何の罪も無い外城を殺した事は到底許される事ではないのだが、その動機となった幼稚とも言える様な嫉妬と自己顕示欲の根幹にあったものは、スタッフ曰く「大統領に父性を感じていたから」らしく、実父に当たる氷堂の人間性や大統領の本性、最後はその大統領自身に裏切られて、全ての罪を被せられた上で殺害されてしまった事を思うと、何とも言えない話である。ある意味「了賢という寄る辺になる大人」を最後に得られた草太よりも悲惨だと言える。


この様な複雑な背景と、それに基づく単純に悪人とは言い切れない重厚な人物像、『逆転』シリーズの1話の犯人キャラらしからぬ魅力や存在感、とても第1話の犯人キャラとは思えない程の頭の良さと手強さ等から、ファンからの人気は非常に高い。上記の通り作中屈指の天才・御剣と真っ向から張り合う等、歴代『逆転』シリーズの犯人キャラ達の中でも普通に上位レベルの手強さで、正に隠れた強キャラである。また単純にキャラデザ等も、男女問わずファンからの評価は高い。メインキャラでもラスボスでもない、所謂「普通の犯人キャラ達」の中では『逆転裁判3』の星威岳哀牙、『逆転裁判5』の一路真二らと肩を並べるレベルで『逆転』シリーズの中でも屈指の人気を誇るキャラクターである。


公式の人気投票では第25位であり、pixivにおいても『逆転検事』シリーズのキャラの中ではトップレベルのイラスト投稿数で『検事2』から登場したキャラの中では一柳弓彦猿代草太に続いてイラストの投稿数が多い。作中での「親友と復讐対象という愛憎入り混じった複雑な関係、すれ違いで死別という悲劇性」から、イラストはpixiv内でも外でも、草太との組み合わせが非常に多く見られる。

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