概要
ワルサー社が2011年に発表したポリマーフレーム拳銃であり、同社のP99Qがベースとなっている。そのため外見はP99Q(及びその元となったポーランド製のP99 RAD)に非常に類似している。ただし本銃は民間市場への販売もされている。
PPQとは「PolizeiPistole Quick Defence」の略であり、本銃で新規に追加されたクイックディフェンストリガーを表している。
特徴
PPQ用に新規に開発されたのがクイックディフェンストリガーである。これはドイツ警察の拳銃採用基準よりもトリガープルが軽いため、本銃がP99Qとは別の願客(訓練された特殊部隊や民間市場など)向けに開発されたと言える。さらにグロック17のようなセーフティ付トリガーとなっている。トリガーセーフティはポーランド製のライセンス生産モデルのP99 RADで初めて導入されたが、本家ワルサーのP99Qには採用されなかった。
また、従来は45口径モデルが存在しなかった(本家ワルサー以外ならばS&W社のライセンス生産モデルのSW99に45口径仕様がラインナップされていた)が、2015年に45口径モデルが追加された。
派生型
- PPQ Tactical Navy
その名の通り耐水性能の施されたモデル
- PPQ Tactical Navy SD
サプレッサーを装着するためのネジ切り済み銃身が標準で備わっているTactical Navyモデル
- PPQ M2
2013年に発表されたモデルで、従来のマガジンリリースレバーがボタン式に変更された。
- PPQ M2 Tactical Navy SD
マガジンリリースがボタン式に変更されたTactical Navy SD。
- PPQ Q5 Match
銃身が5インチに延長された競技用モデル
- PPQ Q5 Match SF
SFとは「Steel Frame」の略で、その名の通りフレームがスチール製のQ5 Match。重量が重いほど発砲時の反動が抑えられるため、あえて金属製のフレームとなっている。
- PPQ SC
SCとは「Sub Compact」の略で、その名の通り従来のP99Cに相当する小型モデル。
- PPS M2
元々PPSはP99がベースの小型シングルカラム拳銃であったが、改良型であるM2モデルはPPQ M2がベースとなっている。M2ではアンダーレールが省略されている。
採用状況
2015年に台湾警察が従来のS&W M5904、M6904の後継としてPPQ M2を制式採用した。採用トライアルでは最終的にPPQ M2とグロック19のGen4(第4世代モデル)が残ったが、PPQ M2が採用された。