「あなたってサイテーだわ」
「そのセリフは人間の女に言われ慣れている」
「THEビッグオー」の魅力は、重量感のあるロボットアクションやレトロフューチャー&ハードボイルドな雰囲気だけではない。
クセのあるキャラクターたちによる小粋な会話や振る舞いなどもこのアニメの大きな特徴となっているが、特にこの2人の日常の中の何気ないやり取りや、危機的状況の中で見られるお互いの静かな信頼関係などを作品の魅力として挙げる人も実はとても多い。
その関係はどこまでもクールでストイックだが、劇中でも言われていた通りとてもお似合いの2人である。
しかしよく考えてみると、俗に「綾波系」のキャラクターと言われるヒロインと、60年代海外ドラマに登場するようなハードボイルド風の主人公がこんなに違和感なくコンビとして成り立っていることは少し驚くべきことだろう。前者は繊細な思春期の少年と、後者は魅力的な大人の女性と心を通わせストーリーを盛り上げていくのがフィクションの世界では常であるからだ。
しかしこの青年紳士と少女のアンドロイドは、互いに黒い服に身を包みなんの違和感もなく作中で共存している。
もしかしたらこの2人の関係そのものが、「60年代アメリカ」の雰囲気を踏襲して作られた「90年代末の日本のロボットアニメ」であるTHEビッグオーの世界観を象徴しているのかもしれない。
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