山おとろし

やまおとろし

山田野理夫の著書『アルプス妖怪秘録』に記述される日本アルプスの剣岳に住むという鬼。

概要

各地で妖怪の調査を行っていた小説家山田野理夫著の、長野県のお土産物屋で販売されていた『アルプス妖怪秘録』に記述がある妖怪である。

日本アルプスと呼ばれる立山連峰の剣岳はとても険しく、1907年（明治40年）まで登山が成功していなかった。

なぜなら、この山には真っ赤な鬼のような「山おとろし」が住んでおり、登ろうとするものがいると襟首を掴んで放り投げてしまうためだったからである。

なおこの鬼は、明治維新後は善光寺の山門に住み着いて、不信心者が通ろうとすると襟首を掴んで持ち上げて通さなかったともいわれている。

山田の著書『東北怪談の旅』には、おとろしの伝承だという同様な奥州の話が記述されているという。