概要
ケラにそっくりな昆虫で、水辺に生息する事からこの名前が付いているが、バッタ目に属する昆虫ではなく、カワゲラ目という独立した種に属する原始的な昆虫。
不完全変態の昆虫で、成虫になって翅が生えるタイプと翅が生えないタイプの二種が確認されている。
幼虫は主に水質が綺麗な渓流に生息しており、水生昆虫を捕食し、こちらはえらで呼吸する。また、幼虫期を水中ではなく、落ち葉で過ごす種も存在している。成虫は基本的に何も食べず、交尾と産卵で一生を終える。
この為、水質を検査するための一種の指標とされたり、釣り餌や食用昆虫に利用されたりと意外と人間の生活に密着している昆虫である。
そんな彼らの中にもイレギュラーが存在しており、セッケイカワゲラ(雪渓川螻蛄)という種類は氷点下や高山帯でも活動でき、自分の生まれた上流へ戻って繁殖する為に雪上の藻や原生生物を捕食しながら上流へ戻る。本種は太陽の位置から自分のいる場所を割り出していると考えられており、昆虫が全く活動しない冬に活動する事から、「雪虫」として冬の季語にもなった。