概要
半翅目のアブラムシ上科に分類される昆虫のうち、白い綿のような物質を分泌して背負う種類(タマワタムシ亜科など)の総称。
北海道にいるイメージが強いが、雪虫自体は日本中に様々な種が分布する。
雪虫と名が付くが、真冬の環境下では生きられない。
他にも綿虫、雪蛍、シロコババ、しろばんば、オオワタやシーラッコ(東京地域)、ゆきんこ(京都地域)、オナツコジョロ(伊勢地域)、オユキコジョロ(水戸地域)など、様々なの俗称がある。
実際に雪を纏っている訳ではないが、冬が近付く頃に出現し、人間の手の熱で弱るなどの特徴はまさに雪を思わせる。北海道ではこの虫が目撃されると雪が降る前触れだと認識されている。
最も一般的に知られる種類としてトドノネオオワタムシが挙げられる。
他のアブラムシに似て、幼虫はヤチダモなどの師管汁を食し、成長すると今度はトドマツの木に寄生し、アリと共生しながら大増殖していく。
そして単為生殖で口を持たない成虫を産み、この雌雄が交尾して産卵して死亡するというサイクルを繰り返す。
北海道ではこの虫が秋に大量に飛び回る時期があり、目や口に入るため、鬱陶しがられている。
2023年秋には、北海道で雪虫が異常発生し、まるで吹雪のような状態となった。
これは猛暑の影響と考えられており、毎年大量発生しているトドノネオオワタムシに加えて、ケヤキフシアブラムシという種が異常発生したことでこの状態となった。
関連タグ
ヒョウガユスリカ、ユキガガンボ、ユキシリアゲ、セッケイカワゲラ、フユシャク:雪虫と異なり、名前の通り真冬の環境下で生活する昆虫。