概要
天津影久が揺籃の師と仰ぐほどの剣術の持ち主で、彼のはとこに当たる女性。10歳のとき、次期無天一流統主と目されていた兄を剣術で破って割腹に追い込んだことで、母親と共に春川家から絶縁されて、その後は遊女に身をやつしていたところを天津影久に身請けされた。
超人的な身体能力と美貌の持ち主であり、作中でも最強の剣客である。しかし、彼女にとって剣の才能を持って生まれたことは不幸でしか無かった。剣を振るうたびに己の人生と女としての幸せを取りこぼすことになり、愛する天津影久のために戦い続けるも迷いや葛藤が晴れることは無かった。
本来は優しい人間であり、剣を振るって人を殺す事にも当初は抵抗感を覚えていた。
得物は長刀と三節棍を掛け合わせた独特な形状の武器であり、彼女の逸刀流は遠心力を活かして相手を切り刻むアクロバティックな剣術である。
長く娼婦として生きてきたことと修羅場での無理がたたったのか途中から健康を害しており、当時の死病である労咳(肺結核)に侵されてしまった。
余談
作者の最新作「波よ聞いてくれ」にも、城華マキエという彼女にうり二つのキャラクターが登場する。沙村広明にしては珍しいセルフパロディであるが、前世の所行の所為なのか受難体質の薄幸美人となっており、度を超して過保護な兄に束縛されるヘビー級の家庭事情に苦しめられている。