概要
サナリィが開発した特殊作戦用可変モビルスーツ。形式番号はD-50C。
宇宙世紀0096年の時点で地球連邦宇宙軍の特殊部隊「ECOAS」(エコーズ)が使用している。
特殊作戦用という性質上、秘匿性の確保のため全高12.2mとこの時代のMSにしては2回りほど小さく、MS形態とタンク形態に変形可能。
主に兵員輸送に用いられるが、各種センサー類、通信機能が充実しており、移動司令本部としての機能も有する。
乗員数は操縦室に3名(車長、操縦士、通信士)とMSとして運用するだけなら通常のMSよりも多くの人員を要する他、兵員輸送室には8名もの兵員を収容可能。
小型化と兵員輸送スペースの確保のため、独自開発したばかりの小型核融合炉採用と、部品レベルでのサイズ削減が図られている。また、軽量化のため装甲は必要最低限にとどめた事で適切な推力重量比を獲得、迅速な作戦行動に不可欠な機動性も確保している。
本機のデータは後の小型モビルスーツ開発に活かされ、型式番号の「50」または「5」は後に戦車型に変形する機体を表す番号としてフォーミュラ計画に編入された。
その系譜はF50、F50Dを経てそのレプリカ機であるガンタンクR-44へと続いている。
武装
固定兵装は工作用途と近接斬撃用途を兼ねるビームバーナーのみで、他の装備は作戦内容に応じて着脱・換装される。
- ビーム・バーナー
ミサイルコンテナ上部のサブ・アームに各1基を内蔵。
その名の通りメガ粒子を目標に直接吹き付けて使用する。
主にコロニーの外壁等を溶断する為に使用されるが、接近戦用の武器としても機能する。
その場合の効果は心許ないが、使い方次第では敵機に致命傷を負わせることも可能。
- ミサイル・コンテナ
対MS用の装備で、両前腕部自体がウェポンラックとなっている。
内部は4つに細かくユニット化されており、大型ミサイル(計4発)か3連装小型ミサイル(計12発)のどちらかを左右共に搭載可能。
- マシン・キャノン
肩部に装備された実弾兵器で、対人・装甲車両の破壊を目的としている。口径は25mm。
基本的にこの武装を装備している事が多く、サーチライトとも併用される。
- メガ・マシン・キャノン
本機のオプション武装で、右肩部に装着される4連装マシン・キャノン。
対空攻撃用に特化しており、対空精密照準システムを銃身に内蔵した事で命中率が非常に高い。
- ロング・キャノン
本機のオプション武装で、両肩部に装着される支援用の口径200mmの滑腔砲。
その長砲身に見合った射程と威力を誇り、劇中では一発でMSの片腕全体や足を吹き飛ばした。
- ECOAS歩兵部隊 8名
ある意味、本機の最強武装。と言うか、そもそも彼らの移動・支援の為に作られたMSである。
「任務遂行中は、人である事を止める」とすら言われる高練度の歩兵達による兵装運用は、機動歩兵の性能差をものともしない。
立体物
HGUCシリーズにラインナップ。HGUCシリーズで初の【二体セット】となっている(何気に「ボール二体セット」より発売が早い)。劇中同様MS⇔戦車への変形が可能だが、股関節の変形用パーツが白化しやすく破損しやすいと言う欠点を持っている。肩の武装は豊富で組み替えて楽しむことができるが、腕のミサイルコンテナは三連装小型ミサイルのみ。
BB戦士シリーズのクシャトリヤにも一体同梱、こちらはオマケ扱いのため武装は固定されているが、元々が「お座り変形」と呼ばれる簡易変形なのが幸いして、(頭部を引っ込めない等の違いがあるとはいえ)変形も可能。
関連タグ
ガンタンク ガンタンクⅡ:連邦が所有する戦闘車両型機動兵器。双方、複数人の手で操作することが可能。
N_BOX:本田技研工業の軽トールワゴン。部品レベルのダウンサイジング等、開発経緯が似ている。