概要
大相撲において十両以上の力士は関取と呼ばれ、一人前の力士として扱われるがそれより下の地位にある力士は力士養成員と呼ばれる扱いで幕下はその中では最高位となる。
待遇面では十両以上の関取と幕下では大きな差があり幕下以下の力士は一部の例外を除けばちゃんこ番等の雑用や同部屋あるいは一門の関取の付け人を務めるといった事を行わなければならず、給与は原則として無く各場所で貰える少ない手当のみで関取以上の力士のように結婚したり自宅から相撲部屋に通う事も許されていない。
幕下の地位は十両を狙う位置にあるが数も多い為競争も激しく幕下上位まで進むも壁に阻まれて十両に昇進できなかった力士は数多い。
一つ下の三段目との違いとしては博多織の帯と冬場のコートを着用できるという点があり、幕下上位で十両と対戦する際は大銀杏を結うことが出来る。
また大学や実業団の大会で優勝する等の実績がある新弟子は幕下付出としてこの地位から始める事ができる。
大相撲における主な幕下力士(最高位が幕下、現役を除く)
- 琴天山俊光:カナダ出身で本名はジョン・テンタ。当初は琴天太俊克という四股名であった。1985年11月場所での初土俵以後負け無しの24連勝であったが相撲部屋の生活に馴染めず幕下昇進直後に廃業した。以後はプロレスラーとして活動したが2006年に死去。
- 大露羅敏:ロシア連邦ブリヤート共和国の外国人力士。2017年に元大関小錦が持つ285kgの大相撲最重量力士の記録を更新する288kgの体重を記録し、2018年9月場所前には292.6Kgを記録して現在における大相撲史上最重量記録となっている。
他にプロレスラーに転向した幕下力士で、「十両に上がったら辞められなくなる」と脱走した「木ノ村」(ラッシャー木村)、「羽田」→「神龍」→「羽田」→「大厳威」と変えたロッキー羽田、漫画の登場人物からとった「北道山」(樋口和貞)がいる。