「バブルが崩壊したというのに、人間はまだまだ贅沢だ!」
「許せん、許せん許せーん! キサマらみんな、ビンボーにしてやるー!!」
CV:石黒正男(金貸し妖怪役も兼任)
概要
昔は極悪非道の金貸し妖怪であり、あこぎな取り立てで大金持ちになっていた。が、当時起きた一揆に便乗した打ちこわしに遭い、結果全財産を奪われ一文無しになってしまった経緯がある。
「おのれ、見ていろ! キサマらみんな、貧乏にしてやる! ビンボーにしてやるー!」
その後、金貸し妖怪が逆恨みから変じたのが現代のビンボーガミである。
犬神のような風貌に、両肩に牙の生えた口の開いた黄色い服を着たピエロのような姿をしているが、後ろ姿はボロボロで尻も丸出しと、まさにビンボーガミならではの姿。
武器として両端に顔のある杖を持っている。
この杖は口の中に「貧」の文字があるドクロの顔と、「金」の文字がある福々しい顔を持ち、前者からは「チェンジ・ビンボー マルビビーム」、後者からは「チェンジ・金持ち マル金ビーム」を放つことができる。
この他、普通に「攻撃ビーム」を撃つこともできるが、何よりもマルビビームが一番の脅威。
このビームを浴びると、物理的にも精神的にも貧乏になってしまい、服どころか体まで不潔になってしまう。どころかこのビームは何と物体にも有効。
建物は老朽化どころか古い時代の建造物になってしまい、自動車は操作系が完全に死ぬ。
さらにはカクレンジャーの武器やアイテムに対しても同様の効果を及ぼす。
逆にマル金ビームの方は所持金を増やすだけであり、失う物の方が明らかに大きい辺りはさすがにビンボーガミである。
通常エピソードとしては最後の敵だけに恐るべき強敵だが、実は出自ゆえの意外な弱点があり……。
活躍
バブル崩壊後もまだまだ豊かな人間の生活を見て逆恨みを募らせ、手始めに二宮一家(このエピソードの冒頭でカクレンジャー達がネコマルに乗せて連れて帰っていた出稼ぎのサラリーマン)の住むアパートにマルビビームを食らわせる。
結果、アパートは一昔前の旧式に戻り、住人達は揃ってビンボーになってしまった。
突然の異常事態にパニックに陥る住人たちの前に現れ、今度はマル金ビームで財布の中身を復活させ、自分が人々を裕福にも貧乏にもできることを示し、人々を大魔王に服従させ洗脳した。
その後、二宮一家のもとに駆け付けたカクレンジャーと対決になるが、マルビビームで5人の装備を全て老朽化させて一方的に圧倒。「これからは、ビンボー戦隊カクレンジャーと名乗るが良い!」と豪語してみせた。
カクレンジャーは二宮一家と一緒にネコマルに乗って逃走を図るが、追撃のマルビビームを食らったネコマルはまともに走れないボロ車になってしまい、おまけに二宮の妻子が放り出されてしまった。
その後、三人を人質にカクレンジャーをおびき寄せようとするが、そこに空飛ぶ雲に乗ったニンジャマンが登場。
ニンジャマン「正義の味方、ニンジャマン! 希望の光は、空の彼方からやってくるのさ!」
ビンボーガミ「柄にもないことほざきやがって!」
若干メタなツッコミをかましつつ攻撃ビームで撃ち落とそうとするが、回避されてしまい失敗。ならばとマルビビームに切り替えたところ見事に命中、オンボロロボになってしまったニンジャマンに加え、空飛ぶ雲はぼろ雑巾になってしまい、墜落してしまった。
その後、カクレンジャーがいつまで経っても現れないため見せしめとして人質の処刑を命令。
しかし、まさにその瞬間、ビンボーに囚われた者達の前に光輝く小判が雨あられと降って来るのを目撃。
カクレンジャーが高台から盛大に撒いていたのだが、洗脳した人々は小判拾いに夢中になってしまいビンボーガミのいう事を聞かない。
どころか、この様を見たビンボーガミの脳裏には、かつて全てを失った打ちこわしの時の光景がよぎり、
「お、俺の小判だ! 俺の小判だぁ! やめろぉ! やめんかぁ! 俺の小判だ、俺の小判だ!」
パニックを起こして人々を押しのけながら小判をかき集めようとするが、突然煙と共に力がなくなり、金貸し妖怪の姿に戻ってしまう。
結果、ビンボーガミの力がなくなったことで人々の洗脳は解け、カクレンジャーたちの装備も元に戻った。
実はこの小判はジライヤの「隠流忍法・枯れ葉小判の術」によって生み出された偽物の小判であり、これに目がくらんだビンボーガミは力が一時的に消失してしまったのだ。
騙されたことに気付いた金貸し妖怪は怒りの力でビンボーガミの姿に戻り、変身したカクレンジャーを相手にドロドロを消しかけて正面対決。
隙をついてニンジャレッドにマルビビームを放つが、「カクレマル・忍返し」で弾かれたビームは何と近くを飛んでいたガイコツ城内の大魔王を直撃。
大魔王「何とォ~!? ボロボロ大魔王になってしまった!? ぐぅ、恥ずかしい……」
そんな大失態を嘆く間もなくカクレンジャーボールを受けて敗北するが、直後に妖怪エネルギーを受けて巨大化。
性懲りもなく隠大将軍にマルビビームを放つも、割り込んできた無敵将軍に反射され今度は自分がボロボロになってしまい、最後は無敵将軍とサムライマン(例によって「青二才」と罵倒してしまった)の攻撃で怯んだところを隠大将軍にぶっ飛ばされて撃破された。
「やっぱりお金持ちになりたかったーッ!!」