七原健
ななはらけん
概要
佐神善の小学生時代の友人で、とある街において再会を果たしたヴァンパイア。
茶髪のセンター分けの目つきの悪い「チンピラ」然とした外見に違わず、お調子者で気が短い。
良く言えばドミノ達メンバーのムードメーカー的存在。
普段着にしているジャージの胸には、「RESERVOIR DOGS」の文字がプリントされている。
元は燦然党のメンバーだったが、善との衝突・共闘を経てドミノの陣営に加わる。
熱狂的なカープファンで美人に弱い。
人物
自称「気高い孤高の狼」だが、その割に言動や行動の節々がどことなく犬っぽい。本人曰く「犬みたいに聞こえる」ということで、下の名前で呼ばれるのはあまり好きではないらしい。
臆病で涙もろくおまけに逃げ癖があるものの、心根はまっすぐで、他人から受けた恩を決して忘れず、辛い境遇にも挫けず腐らない精神的な強さを持つ。
幼少期に親からの虐待経験があり、強者が弱者を虐げる世間の在り方に疑問を持ってきた。 元々燦然党に加わったのも、日ノ元士郎との面談の際に、弱者救済を願う彼の言葉を日ノ元が真摯に受け止めたため。それだけに燦然党員による老人や病人への暴力を目の当たりにした際には、日ノ元に裏切られたと感じ強いショックを受けた。(もっとも、彼と対話した際の日ノ元は、最初から七原の言葉を別の意味で受け取っている。七原が自分を「社会的弱者」と自虐したのに対し、日ノ元は彼を「能力があるにも関わらず社会的に虐げられている"元"弱者」と評価していた。)
彼自身は自分が世の中を変えられるような存在ではないことを理解しており、その想いが強者への憧憬にも繋がっている。同時に弱者に対する共感を強く抱いており、他人を理不尽に虐げる者には勇敢に立ち向かっていく。
燦然党を離反した当初はドミノには懐疑的だったが、彼を「強い目をした狼」であると見抜き、「決して腐らず変わらない気高さ」を評価されたことで一瞬で惚れ、以降「ドミノ様」と呼んで敬愛するようになった。
基本的に金持ちのことが嫌いで、カープファンかつアンチ巨人なのも理由は推して知るべし。明に対しても出会うなり金持ちの臭いを見抜いて敵意を向けたが、ユーベンが提示した大金には目が眩んで逡巡するなどあくまで庶民的な性格。
ドミノ陣営の中では最も素朴な人間性を持つ一方で、その優しさが裏目に出ることもあり、殺し合いをする者としての心構えの弱さも指摘されている。
能力
変身すると野性的な狼男のような姿になる…がどこか可愛らしくもあり、大抵の相手には犬や着ぐるみ呼ばわりされてしまう。
頭部はマスクのようになっており、狼の口の部分の内側から黒い顔面が見える。
デフォルメのバリエーションが多く、コミカルなシーンでは3頭身のゆるキャラのような姿になることもある。
体毛の色は第4巻の表紙では茶色、デフォルメイラスト等では黒と安定していない。
生え変わる鋭い爪を武器に戦う、俊敏な近接戦闘タイプ。
狼だけあって鼻も利き、地中や煙幕に紛れた相手を一早く察知できる。
爪も毛皮もあまり頑丈ではない方で、再生力はそこそこ高いが善には届かない。
固有の能力は「加速させる」。
重要なのが「加速する」ではなく「加速させる」、すなわち七原が触れている人や物をも加速させる能力であるということ。
単独では目にも止まらぬスピードで直線的に疾走し爪で切り裂き、仲間と共闘する時は相方のパンチや飛び道具を加速、威力を増大させてサポート。
創血式後は従来の「直線加速(ダッシュ)」に加え、3分間だけ3倍の速度で自在に行動できる「常時加速(ブースト)」が可能になった。
またそれらを応用した奥義として、残像による分身で翻弄しながら切り刻む「残狼重影葬」、一定範囲内なら仲間に触れることなく加速させられる「加速領域(フィールド・オブ・ウルフ)」を得た。