「弱いから殺すのか…!!」
「オレが"王"にしたいのは…!ただ一人よ…!!!」
「オレは!!!お前の敵だ!!!」
概要
佐神善の小学生時代の友人で、とある街において再会を果たしたヴァンパイアの少年。
元は燦然党のメンバーだったが、善との衝突・共闘、更には首魁である日ノ元と自身の理想のギャップを見せつけられ、自分と同じ境遇の少年の背中を優しく押すドミノの姿を目にして、彼女の陣営に加わった。
熱狂的なカープファンで、美人に弱い。
茶髪のセンター分けの目つきの悪い「チンピラ」然とした外見に違わず、お調子者で気が短い。一方で筋金入りの舎弟気質であり、自分より強く度量の大きい人物には頭が上がらない。
良く言えばドミノ達メンバーのムードメーカー的存在。
普段着にしているジャージの胸には、「RESERVOIR DOGS」の文字がプリントされている。
人物
自称「気高い孤高の狼」だが、その割に言動や行動の節々がどことなく犬っぽい(彼が叫ぶときはワンワン!キャンキャン!と犬っぽい擬音が入る)。本人曰く「犬みたいに聞こえる」ということで、下の名前で呼ばれるのはあまり好きではないらしい。
臆病で涙もろくおまけに逃げ癖があるものの、心根はまっすぐで、他人から受けた恩を決して忘れず、辛い境遇にも挫けず腐らない精神的な強さを持つ。
幼少期に親からの虐待経験があり、強者が弱者を虐げる世間の在り方に疑問を持ってきた。 元々燦然党に加わったのも、日ノ元士郎との面談の際に、弱者救済を願う彼の言葉を日ノ元が真摯に受け止めたため。それだけに燦然党員による老人や病人への暴力を目の当たりにした際には、日ノ元に裏切られたと感じ強いショックを受けた。(もっとも、彼と対話した際の日ノ元は、最初から七原の言葉を別の意味で受け取っている。七原が自分を「社会的弱者」と自虐したのに対し、日ノ元は彼を「能力があるにもかかわらず社会的に虐げられている"元"弱者」と評価していた。)
彼自身は自分が世の中を変えられるような存在ではないことを理解しており、その想いが強者への憧憬にも繋がっている。同時に弱者に対する共感を強く抱いており、他人を理不尽に虐げる者には勇敢に立ち向かっていく。
燦然党を離反した当初はドミノには懐疑的だったが、彼を「強い目をした狼」であると見抜き、「決して腐らず変わらない気高さ」を評価されたことで一瞬で惚れ、以降「ドミノ様」と呼んで敬愛するようになった。
基本的に金持ちのことが嫌いで、カープファンかつアンチ巨人なのも理由は推して知るべし。明に対しても出会うなり金持ちの臭いを見抜いて敵意を向けたが、ユーベンが提示した大金には目が眩んで逡巡するなどあくまで庶民的な性格。
ドミノ陣営の中では最も素朴な人間性を持つ一方で、その優しさが裏目に出ることもあり、殺し合いをする者としての心構えの弱さも指摘されている。
また運や間の悪さ、そして単純かつ軽率な性格から非常に高い煽り力を持ち、その凄まじさはドミノに認められる理性の強さを備える京児をブチ切れさせる程。当の京児からは「一流の煽リスト」と評されている。
戦闘能力
その変身体は野性的な狼男のような姿になる…がどこか可愛らしくもあり、大抵の相手には犬や着ぐるみ、マスコット呼ばわりされてしまう。
頭部はマスクのようになっており、狼の口の部分の内側から黒い顔面が見える。
デフォルメのバリエーションが多く、コミカルなシーンでは3頭身のゆるキャラのような姿になることもある。これは単なるコミカルな描写というわけではなく、実際にそういった姿になってしまっているようで、感情やテンションの波によって姿形が変化しているのである。
体毛の色は第4巻の表紙では茶色、デフォルメイラスト等では黒と安定していない。
サメの歯のように生え変わる鋭い爪を武器に戦う、俊敏な近接戦闘タイプ。また、この爪を腕を振り回した勢いで敵に飛ばすという飛び道具も持ってはいるが威力は低い。
爪も毛皮といった耐久性はあまり高くない方で、再生力もそこそこ高いが善には届かない。
狼だけあって優れた嗅覚を有し、地中や煙幕に紛れた相手を索敵し、完全に姿と音を消す立花綺羅々すらこの索敵からは逃れられない。
『加速』
彼のヴァンパイアとしての固有能力。自身を含めた他人を加速させることが出来る並のヴァンパイアの中では頂点に位置する能力。あのドミノですら非常に強力と太鼓判を押している。
重要なのが「加速する」ではなく「加速させる」という点であり、すなわち七原が触れている人や物をも加速させる能力であり、彼の存在一つで味方陣営の機動力が向上し戦況を優位に進めることが出来る。
単独では目にも止まらぬスピードで直線的に疾走し、爪で切り裂くというスタイルを取り、仲間と共闘する時は相方のパンチや飛び道具を加速、威力を増大させてサポートするという高いサポーター才能を持つ。
ただし、加速させる際はイメージ的に七原が相手を引っ張る形で、対象が強い程重くなり、七原曰く「真祖は鉄のように重かった」との事。
『三大奥義』
創血式後に使用可能になった能力。
従来の「直線加速(ダッシュ)」に加え、3分間だけ3倍の速度で行動が出来る『常時加速(ブースト)』能力を会得し、これを応用して3つの必殺技を生み出した。
『分身加速(ドリフト)』
第一奥義であり、別名『残影重影葬』。
加速に緩急をつけて残像を生み出す能力。
敵を翻弄し、無数の牙と爪で切り刻むという戦法を取るが本体は一つであり、この状態を継続するほど残像の数も攻撃力も低下する。
『加速領域(フィールド・オブ・ウルフ)』
彼の第二奥義。
一定範囲内なら仲間に触れることなく加速させられるという能力であり、これまで加速の条件であった味方との接触という弱点を克服した。複数人での移動を始め、民間人の避難など攻防共に秀でた能力で、この能力だけでも戦況を覆す可能性を持った非常に強力な能力。
『最終加速(ファイナルウルフ)』
彼の第三奥義。
自分の全てを加速させ、速度、膂力、再生能力の全てを大幅に向上させる能力。D・ナイトに匹敵する性能を持っているが、これはただの技の一つであり、京児は「流石におかしいぜ。」と漏らしていた。
しかし弱点として、使用するとその夜におけるヴァンパイアの力を全て使い切ってしまい、戦闘が継続出来なくなること、そして速度が上がるだけであり、攻撃手段である爪の脆弱さは変わらないと言う点である。
『超越究極狼神(オーバーアルティメットウルフゴッド)』
彼の完成されたD・ナイトであり、別名『真・加速』。
未完成の際は巨大な爪を発現させて敵を切り裂き、しばらくの間力を乱し続けるという能力だったが、その完成形であるこちらの能力は自身の存在規格を真祖へと加速させるというチートじみた能力であり、唯一及ばない攻撃力も善が渡した万物両断の剣で補われレギオンと融合したエデンと互角に渡り合っていた。
弱点としてはこの姿に変われるのは時間制限付きという点だけであり、最終加速の様に使用後にバンパイアの力が使えない等もなく、特にデメリットらしいデメリットの存在しない真祖に最も近いヴァンパイアである彼に相応しいものになっている。
関連人物
女王と下僕。燦然党に見切りをつけて以降、彼女を王にすべく過酷な戦いに身を置く。
ボスと舎弟。弟子として鍛え上げられ、京児を非常に恐れつつ兄貴分として慕っている。しかし七原の性分から余計な事をして京児を怒らせる事も多く、ある時にはろくな知識も無いのに京児の口座の金を勝手に運用して株で大損こいた挙句にそれを理解すらしていない(しかも最低2回やらかしている)という完全にアウトな真似までやらかしている。
親友。子供の頃から気心のしれた仲であり、敵対時にもお互い割り切れなかった。
喧嘩相手。応援する球団から始まり、なにから何まで反りが合わない相手。一方で能力的には非常に相性が良い。