「正義と恐怖。その2つを象徴する存在が今の世の中には必要だ。」
「ヒーローってのは…孤独なものだからね。」
「今さら…立ち止まれるか…!!」
「私がなってやるんだよ!!!ヒーローに!!!」
概要
物語の舞台となる街の大病院に勤める医師。数ヶ月前の富士山の噴火災害によって一人息子を失っている。
佐神善やシスカにとっては命の恩人であり、恩師とも呼べる存在。
昼間は医師としての職務を続け、あらゆる患者に献身的に尽くす一方、夜間はヴァンパイアに変身して犯罪者やヤクザ(本人曰く『病原菌』)をターゲットに連続殺人を行っていた。その正体が発覚したことで善と完全に決別し、彼の超えるべき目標として善の前に立ちはだかる。
ドミノに敗北を喫した後、表向きは日ノ元士郎率いる敵組織『燦然党』に与しているが、ドミノの内通者として明の存在や、燦然党による襲撃日時などの情報を提供している。しかし実際は、日ノ元、ドミノの有する真祖の心臓を狙っており事実上の二重スパイとなっている。
また、医者を辞めてからは頻繁にタバコを吸うようになった。
人物
温和で人当たりの良い中年男性。病院内の権力闘争には無頓着だが、医師としては優秀な人間であるらしく、誰にでも分け隔てない立ち振る舞いから患者達にも慕われており、度々差し入れを貰っている。また、食事中もカルテを手放さないなど、非常に精力的に職務をこなしているが、仕事の多忙さが祟って実生活が疎かになっている様子。妻とは3年前から別居中で、一人息子を富士の災害で亡くしている。
幼少期から正義のヒーローに憧れていたらしく、医者を志したのも、「現実的な意味でヒーローに最も近い」という理由からであり、ドミノからはロマンチストと評されている。病院の自室にもヒーローのフィギュアを飾っており、本人は「(こんな子どものような趣味)だから妻に逃げられたのかな〜」と自虐気味に語っている。
「どんな人間の命でも救う人間が一人いるだけで、世の中はきっと良くなる」などと少年のような理想を語る一方で、医師としてのキャリアの長さのためか、「救える時もあれば救えない時もある」と人命に対してはどこか達観した観念も抱いている。
今の荒廃した社会にはヒーロー、即ち「正義と恐怖の象徴」となり得る存在が必要であると信じており、またそれに相応しいのは自分であるとも自惚れている一面がある。だが現に、彼が火事場泥棒への「断罪」を行った後には、被災地での火事場泥棒や窃盗行為は激減した。
人間の命を救うことも殺すことも、「それが世の中にとって必要なことだから」という同じ行動原理に基づいているため、医師としてどんな悪人の命でも救う傍ら、犯罪者に容赦なく私刑を加えるという一見矛盾した行為にも躊躇いは無い。(本人曰く「病巣には執刀が必要」とのこと)
しかし、目的のためには感情を抑え込む柔軟さを持ち合わせる一方で、その場の都合で自分の信念を曲げる御都合主義的な一面も見られる。作中では、自分が殺した犯罪者の子を手にかけようとしたことについて、「どんな悪人にとっても、子を失うことは耐え難い恐怖だ」と善の前で嘯いたが、その根底には、自分自身が災害によって幼い息子を亡くしたやり場のない憤りがあったことが彼に指摘されている。
その内面はすでに本音と建前、理想と現実の狭間で揉みくちゃにされており、客観的に観れば独善的なサイコパス殺人鬼でしかない。ヒーローを自称してはいるが、その正義感は芯の無い空虚なものであり、周囲からは「いい年こいて幼稚なヒーロー像を掲げるイカれた殺人鬼」「その場の都合で信念をころころ変える輩」と散々な評価をされている。
だが彼は本質的にはただの人であり、ヴァンパイア化する前は正真正銘の立派な医者であった。しかし、天災によって息子を失い心が弱り、偶然にもかつて憧れていたヒーローのような力を得てしまったことで、彼の”正義”は歪んだ形で暴走してしまったのである。
戦闘能力
その変身体は白いマントを羽織った『変身ヒーロー』のような姿。彼が幼少期に憧れたテレビアニメ(作中世界)の、銀色のヒーロー『ヴィクティマン』の姿が不気味にオマージュされている。ただし、堂島の姿はヴィクティマンと完全に同じデザインというわけではなく、医者である彼を象徴するように白衣を思わせるパーツが付与されているのが特徴。
遠距離攻撃の手段を一切持たないが、富士山噴火直後にヴァンパイア化した事も含め、肉体への適合率が非常に高く、初期の頃とはいえ、善の怪力を物ともしないほどのパワー、相手の行動を“見た”上で自身の行動を余裕で決定できるスピードを備える。(実際、ヴァンパイアの中でも高い実力を持っていた蟻塚は彼の移動速度にまるで反応出来ていなかった。)
後述の能力も加味して、各陣営からは軍司、火防に並んで『最強格のヴァンパイア』と称されている。
『万物両断』
彼のヴァンパイアとしての固有能力。「防御不可の全てを断つ剣」(作中の呼称に合わせるならば「必殺ヴィクティブレード」)を顕現させられる。堂島本人が剣道経験者という要因もあるが、主に上述の驚異的な基礎ステータスの高さを組み合わせることで、文字通り「眼にも留まらぬ早業」で敵を軽々と斬り刻む。
この能力の真に恐ろしい点は、完全な防御無視攻撃であるため、D・ナイトに頼らずとも真祖に決定打を与え得る非常に強力な能力。
また手から放したとしても、手元に戻すことが可能で、さらになんと2本目の剣を顕現させることも可能である。そして変身せずとも、夜であれば剣だけを出現させることも可能。
『陽はまた昇る(サンライズ)』
彼の扱うD・ナイト。破壊された心臓を即座に修復し、死を免れる能力。
並のヴァンパイアにとっては最強格のヴァンパイアを2度倒さなければならないという無理ゲーそのものであり、真祖に対しても高確率で不意を突き、防御不可の攻撃で決定打を与えるという使い方が出来るため、非常に強力で汎用性の高いD・ナイト。
D・ナイトであると明言されたのは終盤だが、作中では明の『桜花一閃』と並んで使用回数最多である。
活躍
初登場はかなり早く、第7話の善の回想シーンで姿が確認出来る。
本格登場は第11話からであり、善の良き相談相手や、かつての患者から慕われる人物であることが描写されていたが、ドミノたちが調査していた連続殺人を行なっていたヴァンパイアの正体であったことが発覚。善との直接対決を行うが、圧倒的な実力差を以て彼を撃破。その直後ドミノと対決し、真祖である彼女の掌や耳の一部を切り落とすという大立ち回りを見せるが、本気を出した彼女に手も足も出ずに惨敗する。トドメを刺されそうになるが、燦然党の葛、芭藤らの妨害が入り、彼らに回収され命を救われる。
その後、日ノ元士郎が燦然党を結成。1対1の対談にて、日ノ元直々に参加を促されるが、民間人を巻き込む燦然党のスタンスとは相容れないことを理由に断ろうとするも、彼に協力しなければドミノに殺されること、そしてここで協力を拒めば日ノ元に殺されること、そして何より真祖相手に勝ち目がないことを理解していたため、不本意ながら幹部として燦然党に加入する。
正式に燦然党幹部となったものの、組織に利するようなことは一切せず、増援に向かうと偽り同じ幹部であった芭藤を殺害し、確保対象であった善を逃すなどの利敵行為を行なっていた。(組織からの信頼を完全に失わないために狩野京児の確保は実行していたが)
そして京児の奪還に赴いたドミノの前に現れ、彼女の内通者になることを提言。条件として日ノ元個人を深く知る人物の所在を彼女に伝え、事実上の二重スパイとなった。この際、見返りとして善をこの戦いから降ろすように進言するも、ドミノに拒否され片腕を失う重傷を負わされている。
それから暫くの間登場していなかったが、『内通者編』にて再登場。霧島槇尾という協力者を得て、燦然党の内情を探ることとなる。(霧島はユーベンの配下だったが、彼からの指示で『ドミノの部下』と偽っていた。)
燦然党幹部であり、非常に強力な能力を持つ風見と葵洸の動向を監視していたところ、日ノ元から本隊に加入するように促され、上記の2名の動向を探るため、そして何より更なる情報を得るためにその誘いに乗る。
会食当日、彼は今までの不審な動きからドミノの内通者ではないかと疑われており、日ノ元本家の人間から非常に警戒されていた。霧島からの指示で自身の有用性をアピールしようと口を開くが、日ノ元路紀からの攻撃を受け吹き飛ばされる。だがこれをガードしており、そのまま路紀を瞬殺。
そしてその強さを見た日ノ元軍司から興味を持たれ、一対一の決闘を行う。しかし燦然党のNO.2である彼に追い詰められ、敗北した場合は風見に記憶を覗かれるというリスクがあったため、最終的に堂島を見限った霧島の口封じで心臓を吹き飛ばされてしまう。当の霧島は即座に逃亡するが、逃走経路であった森に待機していた葛に重傷を負わされてしまい、逃げ切るのは不可能と理解。追跡に動いていた日ノ元士郎、または燦然党上位陣を道連れに自爆しようと画策する霧島の前になんと心臓が吹き飛び死亡したはずの堂島が現れる。だが彼は何故か彼女を匿い、逃亡を補助。自分への散々な扱いから、日ノ元に土下座を要求し、彼からドミノたちとの決戦に関する詳細を聞き出したのだった。
こうして2人は燦然党本隊の会食から生還。しかし、構成員の居住区は警備が厳しくなっており、霧島は今のうちにとユーベンへ今回の潜入作戦の結果を送信する。
直後、堂島は彼女の心臓を刺し貫く。理由は、万が一彼女の存在が露見すれば、自分も始末されるため、証拠隠滅である。奇しくも、つい先刻霧島が行った行為への意趣返しとなる結果になった。情報送信中であった端末から第3の真祖の存在、そしてゴールデン・パームの存在を知る。2体の真祖の同盟という一見燦然党が不利になるような同盟だが、今回の潜入計画の荒れ具合から一枚岩でないことを確信。さらに新たな切り札を手に入れたことでジョーカーとして戦場を荒らし、真祖を討ち取れると舞い上がっていた。しかし、自分がやっていることが本質的には忌み嫌っているはずの日ノ元と同じであることに気が付いていた。そしてこの際、霧島から「アナタはヒーローにはなれない。」と告げられこの言葉が今後彼を苦しめる呪いの言葉になってしまう。(皮肉にもこの話のタイトルが『ヒーローが死んだ日』)
来る燦然党とドミノ、ユーベンの同盟による決戦時、彼は戦場を混乱させるためにドミノへ燦然党本隊の跳躍位置を伝え、同時に燦然党側へドミノの接近を知らせる手筈だった。だが燦然党の数千人の民間人を毒ガスの中に放ち、ドミノからの盾にするという常軌を逸した計画の前に動揺し、さらに日ノ元に完全にマークされていたことでドミノにこの事実を伝え損ねてしまう。この時点で、ドミノから完全に敵として認識され、日ノ元からは用済みと切り捨てられた。
医者としての民間人を助けなければという使命感と、ドミノの視界に入りたくないという恐怖、そしてこれまでの行為の罪悪感からついに彼の中の何かが壊れてしまう。そうしてそのまま戦場を彷徨い、攻撃を仕掛けてきた蟻塚を無意識のうちに斬り殺してしまう。その一部始終を見ていた善は激昂。遂に彼との因縁の決戦が始まる。
善も伊豆に来てから、以前と比べ物にならないほど強くなっており、これまでの戦いとは異なり互角の勝負を繰り広げる。『アンタ一体何なんだ!!!』という善の言葉、霧嶋の幻影に煽られたことで、遂に押さえていた感情が爆発。
『世のため』などという建前がなくなり、善が動揺するほどの激情を見せ、記事冒頭4つ目のセリフを言い放つ。その隙を突いて善を斬り殺そうとするが、蟻塚の妨害に遭い失敗。ここでようやく頭が冷え、蟻塚にトドメを刺そうとするがたった一発の酸の弾丸で崖を崩落させるという罠に嵌り、彼とともに崖下に転落。心臓を貫いて蟻塚を殺害するが、直後蟻塚の自爆に巻き込まれて行方を眩ます。
その後、日ノ元に追撃を試みる善、明、水波の加勢に現れ、足止めを担当していた葛を瞬殺。日ノ元の前に姿を現す。その際、蟻塚を殺したことで水波に攻撃されかけるが、善の制止で一時的な協力体制を築く。善とのコンビネーションで軍司を撃破し、日ノ元に攻撃を加えようとするが、瀕死とはいえ圧倒的な力の差から、このままでは近付くことすら出来ないと悟り、善を蹴り飛ばし、熱線からの盾にするという暴挙に出る。全てを捨て、日ノ元を殺そうと試みるも軍司が熱線を反射したことで両腕と剣を吹き飛ばされてしまい、直後日ノ元の熱線で全身を消し飛ばされてしまう。D・ナイトによって死は免れたものの、彼に大きな屈辱を残した。(余談だが、この際全身が吹き飛んだため、変身前の服も失ってしまい次の夜まで全裸で森の中に待機していた。通称『先生100%』)
燦然党決戦の第二夜では、火防に苦戦していた善に加勢する。付き合いの長さから繰り出されるコンビネーションで着実に火防を追い詰める。だが状況は芳しくなく、日ノ元はドミノを捕捉しあと一歩のところまで追い詰められていた。この危機的状況で善がD・ナイトを発現。善を連れ、日ノ元への妨害をしながら火防から距離を取る。しかし彼は善を見捨て、姿を消した。結果的に善は火防のD・ナイトで粉々に粉砕されてしまう。善を見捨てた後は、ドミノと日ノ元の頂上決戦の行方を見ていた。
英雄を目指した男の末路
日ノ元を下し、Re・ベイキングの影響と極限までの負傷で限界を迎えていたドミノを堂島は急襲。ドミノを庇おうとした明を一蹴すると、蘇生効果を持つD・ナイトと、2本目の剣という2つの切り札を用いて、遂に斬撃を届かせた。
心臓を完全に破壊出来なかったものの、ドミノから日ノ元の心臓を強奪。だが直後、京児と七原の加勢もあって形勢を不利と判断し、パワーアップのために真祖の心臓を口にしようとする。しかし、ドミノは『真祖の心臓は、理想無き者には扱えない。力に呑まれて、自分じゃなくなる。』と制止されるが、それを見え透いた嘘と一蹴し、自分にも『正義と恐怖の象徴』という理想があると語る。だが、
ドミノ『アンタに理想なんてない。』
彼は息子を失ったことで心に穴が空き、手を汚した言い訳にかつての憧れを利用しただけだった。つまり彼の本質は、ただ息子を失って苦しむ普通の父親だったのだ。
直後、幻影の霧島に煽られたことで激情のまま真祖の心臓を口にする。そして彼は望んでいた力を手に入れるが……
『なんだっけ?コレ?』
真っ白な精神世界の中、自分が何者なのか、そして縋っていたかつての憧れも忘れ、ドミノの忠告通り真祖の力に呑まれてしまう。
現実世界では、背中を突き破りドラゴンのような頭部と1対の足が生え、目や口からは大量のコウモリの翼が溢れているという異形の姿に変わり果てる。自我は完全に失われており、近くにあるものを無差別に日ノ元の熱線とユーベンの金色小麦で攻撃するという正真正銘の怪物になってしまい、応戦した京児と明を蹂躙。圧倒的な力でチームドミノを壊滅寸前まで追い詰めるが、直後に死んだはずの善が現れ、これまでの因縁に決着を着けるべく彼との最後の戦いが始まる。
現在の彼は能力こそ強力だが、善の作った雑な偽物と本体の区別がつかないほど暴走しており、簡単に彼の接近を許してしまう。
一方、精神世界では堂島は目の前に幼い善が現れたことで自分は医者であったこと、息子を亡くしたこと、そして取り返しのつかない罪を犯したことを理解する。
精神面に変化が生じたため動きが止まり隙が生じたが、善は堂島を殺したくないこと、何よりかつて自分が憧れた医者でいて欲しかったことに気付いてしまい拳を止めてしまう。そんな善に対し、堂島は容赦なく熱線を放つがそれでも善は立ち上がり、堂島を真似することで彼のような人間になりたかったと本音を漏らす。そこでようやく堂島は意識を取り戻すが、彼はまるで悪役のように『君を救ったのは失敗だった』、『ドミノを殺して、その後は一般人を殺して血を啜る』と告げる。
この言葉で完全に善と決別。真祖級の力と、善の行動を読んだ防御不可の一撃で勝利したかに思われたが、万物両断剣同士をぶつけるという善の機転の前に敗北、遂に心臓を拳で貫かれた。
『……フゥ…まっ、しょうがないか。悪が敗れるのは…お約束だもんな…。』
真祖の心臓による全能感でを自らの所業を振り返り、自分こそが悪であると気付いた彼は、この結末をどこか満足げに受け入れた。
そして肉体が崩壊する間際、彼は善と最後に言葉を交わす。
『…佐神君。君が私を真似た様に、私も最初は真似だった。憧れたものになりたかった。…君は帰る。待っている人の元へ。誰かの命を守る為だけに闘い続けるというのなら…涙は人を不安にさせる。笑顔を見せてやるといい。
ヒーローってのは…そういうもんらしい…』
こうして堂島正というヒーローに憧れた一人の医者は、かつての患者に遺志と力を託して、灰となって消えていった。
そして───
善「……行きましょう。先生…!」
堂島の力と能力は、佐神善の『模倣』能力によって受け継がれ、彼を最強格のヴァンパイアの一人へと押し上げたのだった。
関連人物
かつての患者。9年前、彼が手術のために入院して以来の付き合いであり、病院を離れるまでは実親との絆が希薄な善の身近な相談相手となっていた。善の成長と幼馴染に見舞いを続ける姿を何年も見守り続けており、特定の患者に肩入れしない彼としては珍しく、医師と患者の関係を超えた親愛を抱いている。そのため、本心から彼にはこの殺し合いから降りてほしいと願っており、善との決戦時、乱心した際にも「さっさと降りろ!!!そしてシスカ君のところへ……」と発言している。
現在の患者。彼女が入院してからずっと治療を担当している。彼女の病が完治する確率は低いが、それでもいつの日か完治して善と共に歩いている姿を確信していた。善と同じく彼女にも親愛を抱いており、燦然党本隊の会食に赴く際は、彼女に電話で謝罪とエールを伝えていた。
同盟相手。一度彼女に殺されかけたことで、彼は真祖の恐ろしさを身を以て知ることになった。お互いのことを全く信用しておらず、機を作って彼女を殺そうと画策していた。だがドミノは『救えない奴だけど、クズでもない』と彼の正義感だけは信頼していた模様。
所属する組織のリーダー。彼の民間人を平然と犠牲にするやり方を嫌悪しており、真祖への恐怖から組織に所属している。日ノ元からは『愚民』、『信念を曲げる男』と散々な評価をされ、ドミノを罠に嵌る為だけの捨て駒としか見ていなかった。
霧島槇尾
内通者編でのパートナー。お互いを利用するだけの関係であり、実際に彼女から用済みとされ殺されかけるなどしていた。彼女からの評価も『幼稚でイカれた殺人鬼』と特段低くかった。だがこの2人は同じヒーローに憧れ、現在の職業に就いた似た者同士でもあった。しかし対照的だったのは堂島は『ヒーローが悪を倒す姿』に憧れたのに対して、霧島は『ヒーローが人を助ける姿』に憧れていた。彼女もまた現実と理想の狭間で藻掻き苦しみ、世界を変えられぬ己の非力さを嘆いていたが、ヴァンパイアの力を得た後も独善的な正義感に逃げず、最期まで社会正義の守護者として戦い抜いた。ある意味で、彼女こそが堂島が憧れていた『ヒーロー』を体現した存在である。
彼女を殺害してから度々彼女の幻影が堂島の前に現れるようになったが、これは遺灰物に宿った霧島本人の意思ではなく、堂島が罪悪感から生み出した幻である。(この状態になってから霧島は非常に饒舌になりさまざまな顔芸を披露している。)その様子から読者からはスタンドとネタにされている。
余談
「堂島 正」というフルネームは登場からかなり時間が経ってから判明。作中では実名よりも「先生」「ヒーロー」などと称されることが多い。
なお、彼の憧れた『変身ヒーロー』は作中劇としてシリーズ40周年を迎えており、物語中に“演出の小物”としてそれなりの頻度で登場している。