「仕事を開始しましょう。」
概要
真祖ユーベン・ペンバートン率いる組織ゴールデン・パームに所属する社員の一人。
名門・早慶大学出身の海洋学者であり、狩野京児の先輩に当たる。（京児は現役合格だったが、彼女は1浪して入学した。）
鹿児島のとある離島が出身なのだが、開戦の狼煙である富士の噴火の影響で島民は彼女を除いて全員死亡し、故郷も人の住める土地ではなくなってしまった。都市の機能も回復していない中、島復興の資金集めなど上手く行く筈がなく大バッシングを受けていた過去を持つ。そのため、ゴールデン・パームに入社して資金を貯めている。
人物
その人物像は、常に落ち着きのある淑女そのもの。善や七原、阿久津といった年下の男子に甘い一面も持ち合わせており、基本的には優しいお姉さん。
だが、火防や京児、軍司といった嫌いなタイプの男性にはとことん冷たく、かなりの毒舌家に変貌する。
なお彼女の嫌いなタイプは
- バカな振りをするバカな男
- 女性への礼節がない男
- 笑顔が下品な男
であり、火防は上2つに該当しておりブービー、京児は全てに該当しておりグランドスラムである。
そんな理知的な彼女だが、かなりの激情家であり、一度頭に血が上ると周りが見えなくなってしまうという大きな欠点を抱えており、火防からもそれを忠告されている。だが、激情家故に大嫌いな輩を前に逃げたり迎合したりするようなことがなく、一本筋の通った戦士として戦い続けられてもいる。
他にも欠点はあり、部屋が異常に汚かったり、酒に溺れる一面があったりと、その内情を知れば知るほど残念な美人である。
戦闘能力
その変身体は縦に長い頭部と、魚のような尾ヒレを持った異形ながら女性らしいデザイン。また、全身に水のような模様のラインが入っている。華奢な身体ながら、ヴァンパイアとしての基礎能力はかなり高く、燦然党本隊の一人の頭を難なく握り潰していた。
『水流操作』
掌から水を生み出し、自在に操る能力。
火や風、ガスなど防御困難な攻撃を防ぐことが出来る他、この人のように水の塊の中に敵を閉じ込め拘束、窒息させることも可能。だがこの能力の真価は水辺でこそ発揮される。
彼女の水流操作は自然物の水も操ることが出来、海をも自在に操作できる。作中ではこれを応用し、海から無数の水流を発生させて相手を拘束、そのまま引き千切るという力技を披露していた。また、海の莫大な水量を利用し、小規模な津波を発生させることも可能であり、広範囲攻撃も得意としている。非常に応用の利く能力から、ゴールデン・パームの中でも火防や阿久津らと並んで高い実力を誇る。
『九龍（ハイドラ）』
彼女の扱うD・ナイト。水で構成された9つの頭部を持つドラゴンを生み出す技。攻撃的な見た目に反して防御に特化したD・ナイトであり、真祖２体分の力を得た日ノ元の熱線の直撃に耐えるほど。だが、防ぎ切れる攻撃力には上限があるようで、完全防御は不可能な模様。（過去の王を巡る戦いにも似たようなD・ナイトは存在していたらしい。）
活躍
初登場は第52話。火防と共にチームドミノに強襲をかけ、彼女は狩野京児と交戦する。この戦いはトレーニングであり、かなり手を抜いていたため京児の電撃をかなり喰らっていたらしく、戦闘後は少し焦げていた。
その後、ユーベンからチームドミノの案内役を任されており、歳下の善に色々と世話を焼いており、火防からは下世話な勘ぐりをされていた。
御前試合では戦闘に参加せず、公正な審判役として参加。ただ『公正な審判』と言いながら割と贔屓をしており、第一試合の善VS蟻塚では小声で善にアドバイスをしていたり、明VS原須では明がポイントを取る度にガッツポーズをしていた。
さらにこの姿勢が顕著だったのは狩野京児VS明で、京児の不利になるような微妙な判定を下していたり、明がポイントを取る度に明らさまに喜んだり、京児がポイントを取るたびに舌打ちをしていた。だが明が暴走してD・ナイトを放とうとした際は京児と共に観客への被害を0に抑え込むことに協力しており、これを機に京児への認識を改めた様子。
燦然党との決戦時は、京児、七原と共に燦然党幹部の立花率いる陽動部隊を迎え撃つ。戦場が海であったこともあり波を自在に操り、強烈な水流で敵を拘束し京児が大規模な放電をするという戦法で大量の敵を仕留めることに成功し、さらに防衛を突破してきた立花のD・ナイト『虎拳』を不発にさせるなど完璧な仕事をこなす。さらに京児、七原、蟻塚、原須と共に立花を撃破し、彼女に暗示をかけ、誤報を燦然党に流すという当初の目標も達成している。
だが燦然党の『数千人の民間人を毒ガスの中に放置し、ドミノからの盾にする』という非道な作戦で全ての前提が崩壊してしまい、民間人の保護及びガスに紛れ込んでいる燦然党員の排除に当たる。
七原と阿久津の戦線復帰によって、劣勢である戦況の立て直しの為にドミノへ攻撃を加えていた日ノ元道三の足止めを担当する。しかし、水辺ではないこと、そして燦然党上位陣の実力を前に徐々に押されていたものの、阿久津と七原の特攻により燦然党が撤退したことで事なきを得る。その後、京児や善たちと合流し燦然党の跳躍妨害に赴き、明のD・ナイトにより跳躍を不完全なものに留め、彼女は上位陣の日ノ元貴誉含む燦然党員3名と共に海辺へ跳躍させられる。3対1という状況に京児は彼女の安否を心配していたが、
火防『キレた水波は怖い。』
阿久津の死を知った彼女は激昂。水流で捕らえた燦然党員の肉体を引き千切り、握り潰し、日ノ元貴誉とも互角の戦いを繰り広げる。だが、葵洸の『招来跳躍』によって貴誉との決着は着かず、ユーベンが死亡した報告を聞く。怒りに燃える彼女は津波を引き連れて手負いの燦然党への追撃を掛ける。
だが頭に血が昇り切った彼女は蟻塚を殺した堂島にも襲いかかるが、善の制止によって一時の共闘関係を結ぶ。善と堂島が軍司を撃破するも、彼女は日ノ元の熱線で真っ二つにされてしまい戦闘不能になる。その後現れたドミノに命を救われ、この夜を生き抜いた。
生き残った民間人がドミノの演説で落ち着いた後、火防からこれまでの給料と退職金を受け取ると、一部の有志と共にドミノに与することを決意。だがドミノから民間人を見張っていろと命令され、戦線から離脱してしまう。
だが、Re・ベイキングの溜めを行うためにヴァンパイアの力を使えないドミノの前に海老湖、象馬、二角、鮹屋と共に現れ、彼女の窮地を救う。その際、自身の本名が『津川麻耶（つがわ まや）』であると明かし、ドミノを連れて海中を高速移動しながら時間を稼ぐ。しかし真祖２体分の力を得た日ノ元の全力の索敵から逃れられず、D・ナイト『九龍』を発動し姿を現す。その際日ノ元からドミノを見捨てれば命は助けるという提案を死を覚悟しながら拒否。真っ向から日ノ元に立ち向かうが、『九龍』の性質を読まれ、溜め熱線によってあと一歩のところまで追い詰められるが、善のD・ナイトで日ノ元が弱体化したため再び日ノ元の攻撃を押し返し、時間を稼ぐことに成功。しかしその直後、火防の『W・M・D』で善が殺害されたことを確認し、大きく動揺する。だが、こんな惨い戦場だからこそ、こんな世界だからこそドミノのような人間が必要であると本人に伝え、彼女に故郷のことを託し、決死の防御を決行。善の妨害によって熱線が逸れたため、彼女は重傷を負いながらも生存。ドミノによって安全圏に逃がされ、この夜も生き抜いた。
燦然党との決着後は、ゴールデン・パームの残党のリーダーとしてゴアの計画を阻止するためにチームドミノに助力。学者としての見識と情報処理能力をフル活用してゴアの起こす厄災を研究予測していた。だが、働き方に関しては最悪の一言であり、酒瓶を片手に不眠不休でパソコンにかぶりつく様子は他のメンバーもドン引きしており、実力行使で寝かせる腹積りだった。（尚、この時水波は1週間風呂に入っていないらしい。by原晋）
しかしこの状態でも頭は働いておりゴアが世界を滅ぼすために取る手段にいち早く勘付き、仮設基地を放棄する決断を下した。
その後、エデン・ワイスへのスパイとして敵陣に潜り込んでいた狩野京児が、戦力として連れ帰った日ノ元軍司、玄ノ進の助力に反発しながらも善の言葉で一応は納得した。（立花に関しては、利用されただけの被害者であるとして特に反発していなかった。）それでも腹の虫が治まらなかったのか、軍司のことはパチンカスの虐殺実行犯と殊更にこき下ろしている。
その後、エデンとの対真祖戦に参加。玄之進の『接続』能力を駆使し、互角に立ち回るもののエデンがレギオンと融合したことで他のメンバーと共に吹き飛ばされてしまった。
余談
普段はスーツを着込んでいる彼女だが、そのスタイルはかなりのものでおまけ漫画ではドミノ、明、シスカと並んでセクシーなイラストが描かれている。
関連人物
彼女の雇い主。彼が掲げる理想にはあまり興味はなかったようだが、彼のことを慕ってはいたようでその死を知った際は怒りに震えていた。
同僚の一人。扱う属性や彼女の性格的に反りは合わなかったようだが、ある程度の信頼関係はあった模様。火防からは直情的な性格を心配されていた。
後に彼が裏切ったことは相当に怒っており、エデン戦で再会した際は「クソゴリラ」と吐き捨てている。
同僚の一人。年下の男子ということもあってかなり世話を焼き、弟のように思っていた。彼が七原と楽しそうに話している様子を見て本当に喜んでいた。
関連イラスト
