概要
2010年10月10日の軍事パレードで初めて公開された地対空ミサイル。北朝鮮では「主体式迎撃ロケット統合体」と呼称されている。米国からは「KN-06」のコードネームが与えられた。
外見的・技術的特徴
北朝鮮とロシアの合併企業で生産されている「太白山-96」トラックの車体に3発のミサイルを搭載。発射機を垂直に起立させ発射するタイプで、S-300や03式中距離地対空誘導弾と同様である。ミサイルはコールドローンチ方式で発射される。
一つのシステムにつきミサイル発射機車両8両または9両、レーダー車両及び指揮車両がそれぞれ2両ずつで構成されていると思われる。
ミサイル本体の性能は謎に包まれているが、韓国国防省によると推定100km以上飛翔しているとのこと。
発射試験・実戦配備
これまでに2011年に10回、2015年に3回、2017年に1回発射試験が行われている。いずれの試験も成功しており(失敗したこともあるらしいが事実か否かは不明)、2010年の段階で既に一システムがまるごと公開されていることから部隊配備が進んでいる模様。機動力の高いトラックに搭載され、即応性に優れ射程距離が従来の地対空ミサイルより長い点から、北朝鮮の今後の防空を担う存在になる可能性が高い。
雷6
2012年には雷5に似た新型地対空ミサイルの存在が確認され、これは雷6と呼ばれる。雷5よりトラックが大型化しており何らかの改良を施されているようだが、現時点では僅かに写っている写真一枚でしか判明していない。