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名鉄5700系の編集履歴

2021-02-21 18:17:07 バージョン

名鉄5700系

めいてつごせんななひゃくけい

名古屋鉄道が運用していた電車。

概要

名古屋本線の急行列車のサービス向上を目的に1986年に登場したSR車

当時名古屋本線の急行は初代5000系5200系5500系などの2ドアクロスシート車で運行されていた。しかし5000・5200系は車体構造の関係上冷房化が行えず、並行する国鉄東海道本線に2ドアクロスシートで冷房完備の117系が登場して快速の大増発が行われると乗客の流出が懸念されたため、乗客の逸走を防ぐ目的で5000・5200系の後継車として5700系が導入された。


なお名鉄の財政事情は完全新造車の5700系をバカスカ投入できるほどの余裕がないため、5700系で置き換えられた5000・5200系から再利用可能な機器類を再利用し、新造した5700系と同じ車体を組み合わせた5300系も登場した。


性能

5700系の主要機器は3ドア通勤車の6500系と同等で、1台の制御装置で8個のモーターを制御する1C8M構成の回生ブレーキ併用GTO界磁チョッパ制御を採用。

モーターは出力150kwの直流複巻電動機で、ブレーキは回生ブレーキ併用のHSC-R形電磁直通ブレーキとしている。

台車はSU形ミンデン式空気バネ台車のFS521A形(電動車)とFS098A形(付随車)。


5300系は一部の機器を5000・5200系から流用しているが、制御装置については新造品の1C8M構成の界磁添加励磁制御を採用。

モーターは5000・5200系より流用した出力75kwの直流直巻電動機で、ブレーキはHSC-R形電磁直通ブレーキ。

台車も流用品で、先頭車はFS307A形、中間車はFS315形を装着。全電動車のため付随台車はない。


編成・車種構成

登場当初は4両編成のみだったが、1989年に中間車を増備し5701・5702Fが6両化された。

5300系は4両編成と2両編成が存在した。


  • ク5700

5700系の豊橋方制御車。


  • モ5750

5700系の豊橋方から数えて2両目に連結される中間電動車。6両編成の5701・5702Fでは豊橋方から数えて4両目に連結される。

モ5850とユニットを組む。


  • モ5850

5700系の豊橋方から数えて3両目に連結される中間電動車。モ5750とユニットを組む。


  • ク5800

5700系の岐阜方制御車。


  • モ5650

6両編成の5701・5702Fに連結されていた豊橋方から数えて2両目に連結される中間電動車。


  • サ5600

6両編成の5701・5702Fに連結されていた豊橋方から数えて3両目に連結される中間付随車。

なおモ5650とサ5600は後に5701・5702Fから抜かれ、サ5601とモ5652に廃車された5313Fの運転台を接合し、4両編成を組成した。


  • モ5300

5300系の豊橋方制御電動車。


  • モ5350

5300系の豊橋方から数えて2両目に連結される中間電動車。


  • モ5450

5300系の豊橋方から数えて3両目に連結される中間電動車。


  • モ5400

5300系の岐阜方制御電動車。


デザイン

先頭部は後方に傾斜した流線型にし、大きなフロントガラスを配置した非貫通スタイル。運転席後部の仕切壁に開けられた窓は極力大きくし、客室からの展望に配慮している。

乗降口は片側2箇所に幅1400mmの両開きドアを供える。


車内は転換クロスシートを主体に、連結面側車端部のみロングシートを配置。運転席後部にも転換クロスシートを配置しており、ここの部分の座席のみ幅が少し広い。

また運転席と客室の仕切壁上部にはデジタル式速度計が装備されている。


主な変更点

  • 第1次車

初期型。5700系4両編成3本、5300系4両編成4本。


  • 第2次車

5300系のみ4両編成4本と2両編成1本。FS307台車のブレーキを片押し式から両抱え式に改造して装着。


  • 第3次車

5700系のみ4両編成2本。パンタグラフを剛体架線対応品に変更。


  • 第4次車

5300系のみ2両編成4本。FS315台車のボルスタ部分が改造されたFS315Aに変更。コンプレッサーを5700系と同じC-1000形に変更。


  • 第5次車

5700系の中間車モ5650、サ5600の合計4両。制御装置が界磁添加励磁制御となり、台車がFS521D形とFS098D形に変更。


沿革

1986年6月より営業運転を開始し、名古屋本線系統の急行系列車は冷房化率ほぼ100%を達成した。


1989年に6両貫通編成の増強が行われ、5701・5702Fに新造した中間車のモ5650、サ5600を組み込んだ。


1990年8月から名古屋本線で120km/h運転を開始することに伴い、5700系を対象に増圧ブレーキを設置した。

10月のダイヤ改正で特急と高速が統合され、名古屋本線の特急の殆どが指定席車と一般席車を連結した一部指定席特急となった。これに伴って5700・5300系も特急運用に入ることになり、パノラマSuperと連結して8両編成、5700系6両編成に7700系白帯車を連結した8両編成、SR車単独で全車一般車特急に運用された。


1993年より5300系の台車交換が開始された。5000・5200系から流用したFS307、FS315は乗り心地面で問題があり、新造品のインダイレクトマウント式SUミンデン形空気バネ台車のFS550形へ交換していった。

当初はFS315形装着車にFS550形を新規に装着させ、捻出されたFS315形でFS307形を淘汰していく形をとっていたが、2000年以降はFS315も淘汰対象となっている。


2009年より台車を交換しなかった5300系の廃車がスタート。2両編成の5312・5313Fが11月に廃車された。

同年、5701・5702Fがモ5650、サ5600を脱車し4両編成へ戻された。外されたモ5650、サ5600は廃車となった5313Fの運転台ブロックを新たに接合して4両編成を新規に組成。サ5601にモ5313、モ5652にモ5413の運転台ブロックが接合され、サ5601はク5601に形式変更された。

5601Fは運転台直後の座席がなく、車椅子スペースになっている点とパンタグラフの搭載位置が5300系に準拠している点で5700系と識別できる。


車両そのものは6000系よりも新しく、回生ブレーキ装備車であることから継続使用は十分可能ではあったが、ホームドア設置に際して2ドア一般車が支障となるために2017年より5700系の廃車がスタート。

2019年10月に5700・5300系の全廃が発表され、9500系に置き換えられる形で残存していた全編成が廃車となった。


なお5305Fは廃車の直前に名古屋テレビのドラマ『名古屋行き最終列車』の撮影に使用されており、2020年放送の8弾第4話はSR車のラストランを描いたエピソードとなった。

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