鉄道車両の系列の1つであるが、旅客用では名古屋鉄道(名鉄)の例しかない。
名鉄9500系
名古屋本線系統の通勤形車両としては5000系以来の新形式。2019年より製造を開始、同年12月より営業入りしている。
車体構造・車種構成は2004年度から製造されてきた3300系・3150系をベースとしつつ、防犯カメラ搭載、車内表示機の多言語対応などの改良がなされた。2ドア車であるSR車(5300系・5700系)や、延命工事を行っていない6000系列(4両編成)の置き換えを進めている。
また6000系列の2両編成の代替については、2両編成版の「9100系」を製造している。
2024年以降の新造編成(6次車以降)は9500系の「20番台」として区分され、連結時に編成間の通り抜けが可能となるよう前面に幌付き貫通扉を設けた仕様に設計変更された。これは9100系も同様。
運用
VVVF制御車の4両編成、3500系・3700系・3300系と共通運用。3000番台の系列との連結も可能である。
登場当初は無料Wi-Fiサービスが行われていたが2023年2月でサービス終了となり、現在は機器類は撤去されている。一方で各務原線・知多新線のワンマン運転が2023年に始まった際一部編成については最初からワンマン対応で竣工、当該編成についてはワンマン対応の3500系と共通運用が組まれている。
編成表
CP=コンプレッサー、VVVF=制御装置、PT=パンタグラフ搭載車、SIV=補助電源装置
←豊橋 岐阜→
形式 | ク9500 | モ9550 | サ9650 | モ9600 | 製造次数 |
---|---|---|---|---|---|
MT構成 | Tc | Mc | T | Mc | |
搭載機器 | CP | VVVF/SIV,PT | CP | VVVF/SIV,PT | |
第1編成 | 9501 | 9551 | 9651 | 9601 | 1次車 |
第2編成 | 9502 | 9552 | 9652 | 9602 | 1次車 |
第3編成 | 9503 | 9553 | 9653 | 9603 | 1次車 |
第4編成 | 9504 | 9554 | 9654 | 9604 | 1次車 |
第5編成 | 9505 | 9555 | 9655 | 9605 | 2次車 |
第6編成 | 9506 | 9556 | 9656 | 9606 | 3次車 |
第7編成 | 9507 | 9557 | 9657 | 9607 | 3次車 |
第8編成 | 9508 | 9558 | 9658 | 9608 | 3次車 |
第9編成 | 9509 | 9559 | 9659 | 9609 | 4次車 |
第10編成 | 9510 | 9560 | 9660 | 9610 | 4次車 |
第11編成 | 9511 | 9561 | 9661 | 9611 | 4次車 |
第12編成 | 9512 | 9562 | 9662 | 9612 | 4次車 |
第13編成 | 9513 | 9563 | 9663 | 9613 | 5次車 |
第14編成 | 9514 | 9564 | 9664 | 9614 | 5次車 |
第15編成 | 9515 | 9565 | 9665 | 9615 | 5次車 |
エピソード
2021年6月26日、「ミュースカイ」用2000系との併結による一部特別車特急が1日だけ実現した。河和線開業90周年記念イベントによるもので、名古屋〜河和間の一部特別車特急運用に充当されている。名鉄における特急形車両と通勤形車両の連結・営業運転(いわゆる名鉄版「サザン」)は、過去にあった1000系特別車と7000系列ほかSR車以来の出来事であった。