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USBの編集履歴

2021-06-29 08:34:57 バージョン

USB

ゆーえすびー

コンピューターの汎用シリアル接続規格の一つ。メイン画像はType-Aコネクタ。

概要

USB(ユーエスビー、Universal Serial Bus: ユニバーサル・シリアル・バス)は、コンピューターに周辺機器を接続するためのシリアルバス規格の1つである。


規格最大通信速度電力ケーブル長端子備考
USB 1.012Mbps5V 0.5AA、B電源仕様の曖昧さにより接触不良などの問題が多発
USB 1.112Mbps5V 0.5AA、B、miniA、MiniB電源仕様を厳密化。普及初期の規格
USB 2.0480Mbps5V 0.5A※5mA、B、miniA、MiniB、Micro USB / 後にType-Cを追加※端子が黒い。電気仕様をより厳格化
USB 3.05Gbps5V 0.9A※2mA、B、MicroUSB / 後にType-Cを追加※端子が青い。後にUSB 3.2 Gen1として再定義
USB 3.110Gbps5V 0.9A※1mA、B、C、MicroUSB後にUSB 3.2 Gen2として再定義
USB 3.220GbpsType-Cに準拠する1m/2mType-Cのみ従来のUSB3.xを2つ束ねてUSB 3.2 Gen 1x2 、USB 3.2 Gen2×2として拡張

※A端子の場合。端子の色はあくまでも推奨なので、Apple製品などデザイン性を重視する製品はこの限りでない。Type-Cでは規格上は最大100Wまでの電力供給が可能とされているが、供給可能な電力は機器によって異なる。


USBのデータ転送はPCのCPUに依存するので、CPUが大量の処理を抱えている時にはこれより大幅に通信速度が遅くなる。USB3.0(後のUSB 3.1、USB3.2を包含してUSB3.x)ではビットレートの増加に伴いUSB3.x通信専用信号線が追加されているが、できる限りUSB2.0以前と互換性を取るように設計されている。


USBの利点は

  1. 規格を統一することで規格乱立・規格戦争を終結させると共に低コスト化の実現
  2. ホットプラグ可能(通電状態での抜き差しが可能)
  3. 接続点からの(比較的大きな)電力供給
  4. 端子自身にデバイス・クラスが定義されている

デバイス・クラスとは細かい話は省くが、「私はUSBメモリだ」「私はマウスだ」などのように事前に大雑把な機器のカテゴリーを定めておく事で認識を短縮する機能である。

これはコンピューターではない、細かいカスタマイズが困難なゲーム機にも大きなメリットでありそのゲーム機専用のハードウェアでなくても最低限認識させて動作させることが可能になる。

>コンピューターがハードウェアを制御するには**ハードウェア毎に作成された専用のデバイスドライバ**が本来必要であり、ハードウェアを提供する企業はその都度ハードウェア本体とデバイスドライバを配布しなければならなかったのだが、デバイス・クラスが定義された事でBIOSはハードウェアを認識さえすれば最低限動作させる事が可能、またOSには汎用デバイスドライバを内蔵する事で手動でのデバイスドライバをインストールする作業が不要になったのである。

当然このデバイス・クラスには「私は汎用デバイスではない。専用のドライバが必要」と定義することも可能になっている。


電源いれっぱなしでも抜き差し(活線挿抜)できるという利点があり、また同様の機能を持つIEEE1394と比較しても周辺機器の価格が安価にできるため、USB 3.0以降は電源供給とディスプレイ接続を除くPC周辺機器の接続はほぼこの規格で統一されている。さらにUSB Type-CではUSB Power Delivery (USB PD)を標準で取り込み電力供給機能を大幅に強化した上、DisplayPortHDMIThunderboltなどUSB以外のプロトコルのデータを流すことができるようになり、電源やディスプレイ接続を含む全ての有線接続規格がUSBのもとに束ねられつつある...のだが、これが互換性問題を生じ、混乱を生み出している面もある(後述)。


他の規格との使い分け

USBはホスト機器と周辺機器を接続するための規格であり、基本的にLANを組むことができないので、複数のPCで周辺機器を共有する場合は、無線LANEthernet経由でLAN接続される(ホストを介さず機器どうしを直接接続するUSB On-The-Goなる規格も登場したが普及しなかった)。さらに処理の遅延が困る用途(音楽機器、DVカメラ、動画編集用のHDDなど)ではFireWire(IEEE1394)が用いられ、外付けHDDではeSATAが採用されることもあった。現在ではUSBのさらなる高速化に伴いFireWireはごく限られた分野を除きUSBに置き換えられ、eSATAは姿を消しており、大量のデータを扱うハイエンド用途ではThunderbolt(Light Peak)という規格に移行している。USB機器をLANネットワーク上に接続する機器は「デバイスサーバ」と呼ばれる。


スピーカーなどの音響機器の接続にはトスリンク対応の光デジタル音声端子が用いられることもある。


規格の混乱

USB2.0が出てきたあたりまでは従来との互換性を保ちつつ高速化がなされてきたのだが、周辺機器の駆動用のため電力供給能力を強化した製品(本来のUSB規格から逸脱している)が登場しだしてから雲行きが怪しくなる。USB給電仕様の独自拡張(PoweredUSB、Quick Chargeなど)は安全性や互換性などの問題が相次いだことから、上記のUSB PDのほかUSB Battery Charging Specification (USB BC)などの電力供給規格が乱立した。なおUSB PDといっても5V・9V・15V・20Vの電圧仕様があり、機器によって給電可能な電力は異なる。


さらにUSB 3.1規格とほぼ同時に策定された新しい端子規格であるUSB Type-CはUSB PDを規格に取り込んでいるがその対応状況はまちまちであり、USB Type-C製品がUSB 3.1/3.2にも対応するとは限らない。その結果、「PD非対応、USB2.0規格のType-C端子」「PDではなく(独自電源供給規格の)Quick Charge対応のUSB Type-Cケーブル」など様々な仕様の機器やケーブルが出回っており、同一機器の中ですら電源供給の仕様が異なっていたりオルタネートモード対応/非対応のポートが混在する始末で....あーもう面倒くせえ!


余談

  • USB対応周辺機器にはご存知のとおりUSBから電源を供給してもらう機器もあり、接続時の誤作動を防ぐために電源線が信号線より先に接続されるように電源端子が長くなっている。また、USB3.xではUSB2.0以前との互換のためSuperSpeed通信線は端子の差込時に最後に接続されるようになっている。
  • USBの電源供給能力は、通常のデバイスの場合USB2.0で5V/0.5A(2.5W)、USB3.xで5V/0.9A(4.5W)と規定されているが、バスパワータイプのUSBハブやノートパソコンなどの電源供給能力が弱い(または足りない)ものではこれを満たせないことがあるので、USB接続のストレージ機器など5V以外の電圧を必要とする機器、あるいは5V電圧でも電力を多く消費するUSB機器では電力不足で動作しないことや、ACアダプタなど外部電源が必要になることがあるので注意が必要。
  • USBの信号線を使わず電源を取るだけの商品(USB扇風機やUSBライトなど)も存在するが、便利である一方USBの規格では規定されていない使い方なので、これが原因で故障してもメーカーが保証している一部機種を除き補償してもらえない
  • いわゆるUSBメモリを「USB」と呼び習わすことがあるが、WikipediaWikiと呼ぶのと同じくらい不適切な通称であることに注意されたし。
  • USB2.0まで同期信号の重畳に1で信号そのまま、0で信号反転をするNRZI符号化を用いていたため、順次送信するデータのビットに1が続くと同期信号が無い状態が続いてしまうため、USBの場合では6ビット1が続くと強制的に0を挿入して同期を取る(ビット・スタッフィング)ようにするため、真っ白な画像など一部のデータの転送ではデータレートが落ちることがある。(USB3.0のSuperSpeedモードでは8b/10b変換を、USB3.1 Gen2以降のSuperSpeedPlus USBモードでは128b/132b変換を採用しているため、この現象は起こらない)
  • USB3.0は2.0と互換性を取るためにコネクターの根元に端子を追加している。なので、USB3.0コネクターをPC等に根元まで素早く差さないと2.0として認識されてしまうことがある。

外部リンク

ユニバーサル・シリアル・バス - Wikipedia

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