「このまんがに、無関心な女子はいても、無関係な女子はいない。」
概要
集英社の少女漫画雑誌『りぼん』2018年9月号から連載が開始された牧野あおい原作の漫画作品。既刊2巻。
りぼん以外に『少年ジャンプ+』でも連載。
しかし、『りぼん』2019年6月号に掲載された第8話を最後に連載は中断し、現在も再開されていない。
あらすじ
その日、彼女は「女の子」をやめた。
神山仁那はかつて「地球最後のミニスカートアイドル」をコンセプトとした人気アイドルグループ「PURE CLUB(ピュアクラブ)」の不動のセンター・雨宮花恋としてファンから絶大な人気を集めていた。
しかし握手会イベントで起きたある事件で心身ともに傷ついた彼女は芸能界を引退。髪を短く切り、本名の「神山仁那」を名乗って過去を隠しながら男子の制服姿で高校生活を送っていたが、自分の正体に最初に気付いたクラスメイト・堀内光との出会いによって物語が動き始めていく。
登場人物
主要人物
神山仁那(かみやま にな) / 雨宮花恋(あまみや かれん)
主人公。高校1年生。かつて人気アイドルグループ「PURE CLUB(ピュアクラブ)」のセンター・「雨宮花恋(愛称:レンレン)」として活動し、グループの主力となって生粋のアイドル・メンタリティを発揮して絶大な人気を博していたが、握手会イベントでファンの男に右手首を切り付けられ、心身共に傷を負って芸能界を引退。長かった髪を短く切り、女子生徒の中で唯一スカートではなくスラックスを履き、男子の制服を着ている。
傷害事件の被害を受けて以来、重度の男性恐怖症に陥り、周囲からも心を閉ざしてクラスでは浮いた存在になっていたが、クラスメイトの光だけには少しずつ心を許し、次第に意識し始めていく。
実家がある東京を離れてからはPURE CLUB時代の貯金で高層マンションの最上階(25階)に独りで暮らしている。母子家庭で育ったが、母親が再婚してからは異父弟の将太(しょうた)が生まれている。
堀内光(ほりうち ひかる)
仁那のクラスメイトで柔道部所属。
柔道で鍛えている高い身体能力と端正な容姿で女子から根強い人気を集めている。
妹の六花(りっか)はPURE CLUBのファンだが、かつて担任教師からセクハラされた事が原因で引きこもり生活を送っており、光が柔道を始めたきっかけも引きこもりになってしまった妹を守りたい気持ちによるもの。
仁那がかつて「雨宮花恋」だったことに最初に気付いた人物で、仁那のことを気にかける一方で彼女を一人の女の子として強く意識するようになる。
当初サラから仁那を襲った犯人ではないかと疑いの目を向けられていたが、当の光は事件当日に入試(一般入試はインフルエンザだったため、後日の追試験で受かった)だったことに加え、犯人の特徴である左脇腹にある3つのホクロもなかったため、無実が証明された。
長栖未玖(ながす みく)
仁那と光のクラスメイト。明るく社交的な性格で、男子生徒から高い人気を集める美少女。しかし本性は自己中心的で偽善的かつ腹黒い性格をしている。
光に好意を寄せているが、光が仁那のことばかり気にかけているため、仁那の存在を快く思っていない。
高校のクラスメイト
正暉(まさき)
光の中学時代からの友人で、同じく柔道部所属の眼鏡男子。状況に応じて光に的確な助言を与え、光と仁那を陰から支えている。
サラが光が仁那を襲った犯人ではないかと疑っていた際に仁那=雨宮花恋と知って驚くものの、光の無実を証明する一つのきっかけを作った。
辻(つじ)
仁那と光のクラスメイトである女子生徒。クラスではあまり目立たない存在で引っ込み思案な性格だが、仁那や未玖をはじめとするクラスの女子達のことを人一倍気にかけている心優しい少女。
痴漢被害に遭っていたが、仁那と光の協力で犯人が逮捕されてからは、軽口を叩く沖田に対して平手打ちを加えた上で強く反論するなど、少しずつ勇気を身に付けている。
沖田(おきた)
仁那と光のクラスメイトである男子生徒。無自覚にも女子に対してデリカシーのない発言が多いため、周囲の怒りを買ってしまうことが多い。
PURE CLUB
サラ
PURE CLUBのリーダー格。親友である仁那が脱退した後も他のメンバー達と共に彼女の身を案じて連絡を取り合っているが、仁那の脱退後はPURE CLUBの人気が激減状態なために事務所からは仁那を芸能界に復帰させるよう命じられており、友情と仕事の板挟みによる気苦労が絶えない。
初めは光が仁那を襲った犯人の正体ではないかと疑っていたが、光の疑いが晴れると素直に謝罪し、仁那と光の関係を積極的に応援するようになった。
山岸美由(やまぎし みゆ)
PURE CLUBのメンバー。愛称「ミユリン」。脱退した仁那の後釜としてセンターを務めている。
メンバーのらむやありかと共に脱退した仁那の身を案じ、光との関係を積極的に応援している。
その他の人物
傷害事件の犯人(本名不明)
PURE CLUBの握手会イベントで仁那(花恋)の右手首を刃物で切りつけ、逃走。現在もなお仁那をつけ狙っており、「雨宮花恋」が芸名であることや仁那が通っている高校も突き止めている。未玖のことも知っているが、常に黒いフードを被っているため素顔は不明。
柔道経験者にして耳を掻く癖があり、当初サラは犯人と共通点の多い光が仁那を襲った犯人ではないかと疑っていたが、正暉の証言や光に犯人の特徴である左脇腹にある3つのホクロもなかったため、無実が証明された。
長栖成弥(ながす せいや)
未玖の兄。テニスサークル所属の大学生で、仁那や光達のクラスの教育実習生としてやって来た。美形かつ爽やかな性格で、妹からも尊敬されており、赴任初日から女子生徒の人気者となった。
仁那たちが通う高校のOBでもあり、一時期柔道部に所属していたため、柔道経験者でもある。