概要
金属製のミニチュア。
古くは鉛や錫を主原料とした、柔らかい合金が用いられている。ヨーロッパでは200年以上の歴史があると言われており、多数のメーカーや原型師が膨大な種類のミニチュアを造り続けている。またメタルキャストによる複製が容易であるため、ガレージキットの黎明期にはホワイトメタル製のキットが一般的だった。ただし1992年末に起きたアメリカでの騒ぎにより、鉛が含まれたホワイトメタルを玩具に使うことが禁止されたため、ピューターや新たに開発されたラリジウムが主流になっている。
現代では趣味の1つとして、あるいはミニチュアを使ったゲームの駒やミリタリーモデルのジオラマでも使われる。
ダンジョンズ&ドラゴンズを源流とするTRPGでは定番のアイテムとされている他、ウォーハンマーなどのミニチュアゲームでも多く使われている。
日本でもわずかながら輸入はされていたが、模型店などで見られるようになったのはダンジョンズ&ドラゴンズの日本語版が発売された1980~90年代。当時は英国のシタデル社や米国のラルパーサ社、グレナディア社、リーパー社、ドイツのホビープロダクツ社などの製品がホビージャパンやORG、新和(D&Dの日本語版を販売した会社)といった会社により輸入されていた。
輸入品だけあって価格もそれなりにした。例えば25mmサイズの場合、人間やエルフの戦士が2~3体入りのパックで800~1300円、ドラゴンのような大型モンスターの場合は最低でも3000円くらい。また金属製のガレージキットであるため塗装はされておらず、真鍮ブラシで磨いて離型剤などをこそぎ落とした後、塗料を定着させるためのプライマーなどの下地剤を塗布、そこからようやく塗装ができる。またコレクターアイテムの常として、保管場所の問題もある。
上記の理由から、TRPGが隆盛した時期でもメタルフィギュアを使う人はそれほど多くはなかった模様。
その後、TRPGが冬の時代を迎えるとメタルフィギュアの輸入はごく一部のホビーショップや個人が行うだけにとどまっていた。
2000年代に入ってダンジョンズ&ドラゴンズ第3版が一部で話題になり日本語版が発売された後は、プラスチック製のトレーディングフィギュアに取って代わられており、メタルフィギュアはやっぱりマイナーな趣味の域を出ていない。
もっとも、一部のコアなファンは今でも存在しており、日本でもオリジナルのメタルフィギュアを製造販売するメーカーが出て来たりしている。