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アトラスガンダム

あとらすがんだむ

漫画作品「機動戦士ガンダムサンダーボルト」に登場するモビルスーツ。同作初の完全オリジナルモビルスーツであり、登場は一年戦争後の情勢を描く第二部からとなる。
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概要編集

一年戦争後に開発された地球連邦軍のガンダムタイプモビルスーツ。型式番号RX-78AL。

その名はギリシャ神話の天を支えると言われる神「アトラス」に由来する。

パイロットはイオ・フレミングビアンカ・カーライル


機体そのものはスリムかつシンプルなシルエットを成しているが、大気圏内、すなわち重力下での運用に特化した構成を持ち、特に水中戦闘も可能な「水陸両用モビルスーツ」として開発されている。そのため歴代のガンダムタイプの中でも唯一、専用武装の追加をすることなく水中戦を行える機体。どころか後述の試作装備が優秀なため、実質陸海空の全領域対応型モビルスーツである。

それを端的に表すように、四肢にはジオン軍の水陸両用モビルスーツを参考に開発された多重構造型球体関節を採用。加えて脚部にウォータージェットを装備している事もあって水中での機動力はジオン軍のズゴックグラブロにも引けを取らない。

また、人間の脊椎に相当する部位を有するなど、その機体構造は既存のジムとも大きく異なるものとなっており、これによって同時期の連邦系モビルスーツと比較しても圧倒的に広い関節可動範囲を有する。

なおコックピットブロックは全天周モニターを採用し、ボールの設計を流用した脱出機構を有しており、これは後のイジェクション・ポッド(サザビーやリック・ディアスに採用されているもの)にも繋がる機構である。ただその外観は、ボールにガンダムフェイスと四肢をくっつけたとでも言った方がいいぐらい。

一方で専用に開発された兵装類は水中戦を想定した独自の構成を成しており、中には試作の域を出ていない装備も多い。フルアーマーガンダムが大量の火器と増加装甲によって「宇宙空間での大火力」に特化した機体であるとすれば、本機はさしずめ高機動力と試作武装によって「全領域への対応力」を追求した機体と言えるであろう。


一年戦争後、連邦軍は各地で民族主義が再び過熱化する中で地球連邦からの独立を目論む南洋同盟が過去にサンダーボルト宙域で猛威を振るったサイコ・ザク、その重要部位ともいえる「リユース・P・デバイス」の開発・実験を行っていたジオン科学アカデミーの研究者の一人J・J・セクストンを囲いこんでいる事を突き止め、南洋同盟がサイコ・ザクを再建しこれを投入する前にリユース・P・デバイスのデータを接収あるいは破壊するべく「サンダーボルト作戦」を敢行。南洋同盟が万が一リユース・P・デバイス搭載機を完成させてしまった際の対抗手段として、本機は投入された。そのため本機のパイロットには、かつてサンダーボルト宙域で実際にサイコ・ザクと交戦した経験を持つイオ・フレミングが招聘されている。


兵站面での課題を抱えており、フルアーマーガンダムと比較すると(この時点で比較対象がおかしい)携行可能な装備が少なく、長時間戦闘に向かず、それが原因で本命を取り逃がした(戦闘自体は勝利していた)事に対し、当時乗っていたイオは「武器が足りねーんだよ!」とキレており、モニカ・ハンフリー参謀も「今回の戦果に不満」と述べていた。

これに対しビアンカは仲間のMSにアトラスガンダムの装備を分担して持たせ、弾切れを防ぐ運用法を考案し、「トラスト部隊」発足に至った。

イオがジオングに乗り換え、ビアンカが操縦するようになると同時期に宇宙戦仕様に改造。サイコ・ザクのバズーカ直撃に耐えるべく、全身を二枚重ねの盾で覆う防御特化の装備となった。(同時に連邦版ゲルググや陸戦型ガンダム等のMSも同様の装備にされた)

南洋同盟との決戦の時にあるものが装備され、ビアンカと共にトラスト部隊の掩護に向かうのであった。


装備編集

サブレッグ編集

腰部に装着する重力下飛行用ブースターユニットであり、本機を象徴する装備。

サブレッグと機体本体とはアームを介して接続されており、スキー板のように脚部に装着する事も可能。これによって、アトラスガンダムに過剰とも言える推力を与えている。サブフライトシステムを用いずに大気圏内での単独飛行が可能と言えば、そのやり過ぎっぷりが窺い知れるだろうか。

サブレッグには更に大型シールドや武装コンテナを外装可能であり、これらを装備したアトラスガンダムは、シンプルな機体シルエットを歪めた異形の機体として完成する。というより、このサブレッグを失うと機動力と武装の半分以上が失われるため、装備を越えて生命線とさえ言える。


ブレードシールド編集

サブレッグに装着される大型シールド。その名の通り、表面に複数のブレードを備えている。

防御兵装としては高い耐熱性を発揮し、モビルアーマークラスの大出力ビームの照射にも短時間ではあるが耐えうる事が可能。

水中活動時にはシールドの上に寝そべるように乗り込み移動する。格好はアレだが馬鹿にはできず、ズゴックのミサイルを軽々と躱して懐に潜り込めるほどの推力を発揮できる。


ビーム・サーベル編集

肩部に内蔵されている近接格闘用ビーム兵装。通常のものよりも長く、かつ高出力。

その出力はフルアーマーガンダムのそれにも比肩し、モビルスーツを上回る全長を有するコムサイを一刀両断するだけの切断能力を発揮する。

水中戦で推進機関が損傷した場合は二基同時に使用することで非常用推力とする事も想定しているが、推進時間はサーベルのエネルギー量に依存する為、片方のサーベルのエネルギーが空になった場合、移動時のバランスが大きく崩れる事になる。またアトラスガンダムの耐圧限界を超える程の水深では極度の低温の為、正常に動作しない等問題も抱えている。


レールガン編集

アトラスガンダム専用に開発されたレールガン。三本の給電レールによって弾体の誘導・加速を行う。アトラスガンダムの目玉武装の1つであり、長距離からの精密狙撃を可能とした上にズゴックなどの比較的装甲の厚いMSですら被弾した瞬間に真っ二つにして吹き飛ばす程の大火力を持つ。大気圏内ではメガ粒子砲をはじめとするビーム兵器の威力が減衰するため、実弾を高威力で射出できる遠距離武装の有用性は非常に高い。

反面、ジム等の機体が使用した際にはその反動を相殺出来ずに吹き飛ばされる事になるが、本機はサブレッグからの逆噴射によってこれに対処している。また弾丸は最初に装填された分だけで戦闘中の補給が不可能な上、試作品故に数発撃つと照準に異常をきたすため、使いどころの見極めが求められる。

水中では給電レールからエネルギーが放電してしまう事から攻撃としての使用はできないが、放電時に発せられる電磁パルスを利用する事で実体弾に対する一種の電磁バリアとしても使用される。

但し効力は一時的であり、戦艦級の主砲やメガ粒子砲は流石に防御不可能であるが、そもそも水中でこれほどの火力を持つ機体が少ない為さして問題にはされていない。


アサルトライフル編集

レールガンと同じく専用に用意されたアサルトライフル。

主にレールガンのサイドアームとして使用されるが、水中戦ではレールガンは電磁バリアとして用いられる事からこちらがメインウェポンとなる。

非使用時はサブレッグに懸架された専用コンテナに格納される。


ビーム・ライフル編集

水中でも充分な威力を発揮する携行型メガ粒子砲。

アンダーバレルにビーム・サーベルが装着されており、格闘戦にも即時対応が可能。


メデューサの矢編集

ブレードシールドに内蔵されている特殊武装。アニメ版にて追加された。

単体では細い矢だが、モビルスーツに当たると命中箇所から赤いゲル状の物質が膨張・硬質化し、敵機体の行動を阻害する。



外部出演編集

ガンダムVSガンダムシリーズ編集

マキシブーストの追加プレイアブル機体として参戦。コストは準高コストの2500。同時に バーサスでも有料配信の追加コンテンツとしてコスト400機体で参戦。

なお、本シリーズではOVA版基準のデザインとなっている。


特殊格闘はレバー入力で射撃シールド付き突撃、飛び込み斬り、回り込み斬り払いと攻撃アクションが変化、それに加えて下格闘でカウンター構えと近接択は豊富。

また、サブレッグという特徴的な移動用武装を装備しているからなのか、横に滑りながらレールガン2連射、ロックしている敵機に急速接近といった具合に特殊移動系の武装も多い。


隠れた要素として準高コスト版フルセイバーと言わんばかりに多彩なキャンセルルートを持つ

この移動系の武装とキャンセルルートを活かして戦場を縦横無尽に駆け回り、相手の隙に格闘を叩き込むテクニシャンな近接寄り汎用機。

その代わり、射程が短いうえ射撃が手数不足になりやすく、どうしても前のめりになりがちなじゃじゃ馬機体でもある。


なお、バルバトス系統機にも同じことが言えるが、この機体は原作の水陸両用モビルスーツ設定を受けてか武装は全て実弾属性。ビームと違い「相手や他の射撃に当たると消滅する」という仕様ゆえビームでの弾幕張りを得意とする相手との撃ち合いはすこぶる苦手。そういった相手には無理に攻め込まないよう気をつけよう。


機動戦士ガンダムバトルオペレーション2編集

「水陸両用ガンダム、それがアトラスだ」

2023年3月30日実装。600コストの汎用機。他のサンダーボルト機同様、機体名に【TB】が付いている。

兵装はレールガン、ビームサーベル、ヴェロス・メデューサ、ビームサーベル×2、アサルトライフル、アサルトライフル付属グレネード。


サブレッグ制御機構によるフライト動作が最大の特徴で、高低差を無視して接近し2種格闘でダメージを与えていく機体。

他のフライト機と比べて徒歩移動、(オプションが大きいとは言え本体は)比較的小柄で細身とフライト無しでも扱いやすく、長射程のレールガンに爆風付きのグレネードで拘束してからの大きく踏み込む強判定格闘というだけでも十分に強い。そこにフライト機動が加わる為使いこなせれば無双も可能と伸びしろも大きい。

また、自身はフライトで飛行するがヴェロス・メデューサが命中した敵は変形・フライトが使用不可になるというなかなか理不尽な能力を持ち、可変機とフライト機が飛び回る600コストでは非常に強力。

足回りもどちらかしか持たない機体が多い600コストでマニューバアーマーと緊急回避を両立し、その緊急回避もLv3。その他機動系のスキルを全て高水準で兼ね備える。耐久こそ低いものの、大きなオプション部には強力な緩衝材を所持しており、数値程柔らかくもない。


初心者でも扱いやすいのに上級者が使うと理不尽な程強い事から平均戦績が非常に高く、2023年11月23日にバトオペ2では珍しくナーフを受けたが、雑に扱っても理不尽に強かったヴェロス・メデューサの回転率とレールガンの射程が短くされ、格闘火力が多少落とされた程度な為、今でも上級者が扱った際は猛威を振るう事に変わりはない。


立体物編集

HGTBシリーズにラインナップされ、漫画版が一般発売後、プレミアムバンダイにてBANDIT FLOWERバージョンが発売された。劇中同様のギミックが再現されており、武装はレールガン、アサルトライフル×2、ブレードシールド、ビームサーベル×2が付属している。


関連項目編集

機動戦士ガンダムサンダーボルト ガンダム 宇宙世紀 アナザー宇宙世紀

イオ・フレミング ビアンカ・カーライル ダリル・ローレンツ

フルアーマーガンダム サイコ・ザク


カスケード・レインジ

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