サイコ・ザク
さいこざく
「カーラ…!!すごい!!きみの造ったMSは、俺の…!!俺の失った手足より自由だ…!!」
高機動型ザクⅡをベースに、パイロットの四肢を義肢化しコックピットに接続することでモビルスーツをパイロットの身体の延長のように操縦することを可能にする「リユース・サイコ・デバイス」を搭載した実験機。
ムーア同胞団の奇襲とフルアーマーガンダムの猛攻で、戦力の殆どを失ったリビング・デッド師団の艦隊防衛の補充戦力として実戦投入された。
パイロットは ダリル・ローレンツ少尉(後述する軍の命令に前後しての二階級特進によって少尉に昇進。それ以前は曹長)。
単独でムーア同胞団艦隊を殲滅し、その際の戦闘で弾薬などを消耗していたにもかかわらずフルアーマーガンダムとの死闘の末に勝利した事で地球連邦、ジオン公国の垣根を超えて半ば伝説じみた存在になっている。
これらの神業的な活躍は連邦とジオン双方に大きな衝撃を与え、地球連邦軍からは「悪魔の実験機」とその存在を恐れられるようになり、またジオン軍からはガンダムを倒した「軍神」と讃えられることとなった。
正式名称は「リユース・サイコ・デバイス装備高機動型ザク」。サイコ・ザクのネーミングは、リビングデッド師団の母艦「ドライド・フィッシュ」艦長バロウズの発案で実戦投入時に命名された(なお、戦後開発されたサイコガンダムなどの存在もあり、ネーミングのニュアンスから誤解を受けやすいが、リユース・サイコ・デバイスはサイコミュではないし機体自体にも搭載されていない)。
リユース・サイコ・デバイスの恩恵により、義肢を通じパイロットの思考によって直感的に機体を動作させる事が可能となっており、更にこの特性がパイロットの訓練期間の大幅な短縮化が図れるという副次的効果も生みだした。
しかし、サイコ・ザクの性能をフルに引き出すにはパイロットの四肢を全て義肢化する事が必要不可欠であり、地上での戦闘で両足を失い、サンダーボルト宙域での戦闘で左腕を失ったダリルは最後に残った健康な右腕を、軍の命令という形で切断されている(なお、軍の命令とはいえ自分の四肢全てを切断し、艦隊を守る要となることを選んだダリルに対しては、リビングデッド師団の殆どが敬服しており、彼がサイコザクに搭乗する際には、多くの兵士が敬礼で彼を見送っていた)。
外見上の特徴として、多数のスラスターが増設されたザク本体にモビルスーツの全長を超える二基のロケットブースターを有する大型バックパックを装備しており、更にそこに多数の武器をマウントしている。
搭載された武装の数はモビルスーツ単機としては過剰とも言える規模であるが、ほぼ単機で艦隊を相手にする必要性があった為、これだけの重装備となった。
前掲の通りサイド4に存在するサンダーボルト宙域において地球連邦軍ムーア同胞団艦隊を単機で壊滅させるという離れ業を演じ、同船団のエースパイロットであるイオ・フレミング少尉の搭乗するフルアーマーガンダムとの激闘にも辛くも勝利。
しかし、その戦闘で同機も深刻なダメージを負い、友軍による回収もかなわずパイロットであるダリルは脱出。その後、パイロットの脱出を見届けたかのように爆発四散している。
この戦果は瞬く間に有名となり、ダリル、そして辛くも生き残った同部隊の一人であるフィッシャーは、「リユース・サイコ・デバイス」の量産化を確信していた(当然ではあるが、二人は喜んでなどいない。なぜなら、量産化はダリルと同じく生身の手足を切断する人間が増えることを意味しているからである)。
結果的にデータの殆どはドライド・フィッシュ轟沈時に失われ、残されたのはダリルの義肢とセクストンの持ち出した端末に記録されたデータ、そしてシステムの開発者であるカーラ・ミッチャムの頭脳の中の記憶のみ。
しかし、カーラは戦闘のショック(平たく言うとこの人の最期みたいな光景を超至近距離で見せられた)によって幼児退行を引き起こし、また一年戦争が連邦勝利で終わった事もあり、結果としてジオンによるリユース・サイコ・デバイスの量産化の手立ては失われてしまった。
戦後にリユース・P・デバイスの開発データは南洋同盟へと流れ、サイコ・ザク再建を画策。(陸戦型ザクⅡをベースに設計・製造している)
それを恐れた連邦軍・ジオン残党軍両軍は部隊を率い、南洋同盟と互いを相手に三つ巴の戦いを繰り広げる事となる。
ビームバズーカ
リック・ドム用の携行型ビーム兵装。
連射性や取り回しの面ではガンダムやゲルググ等のビームライフルには及ばないが、威力に優れる事もあって対艦戦闘で威力を発揮する。
この武装は原作には登場せずOVAのみに登場し、サラミスを撃沈させている。まあ小説版ガンダムでG-3ガンダムを木端微塵にしたような兵器なのでこの火力も納得というか。
ザクバズーカ
上部ロケットブースターに三基が備えられているザク用バズーカ砲。バズーカ自体はマガジン給弾式を採用した改良型が使用される。
上部ロケットブースターには予備弾倉もマウントされており、サブアームを介しての給弾が可能。
ザクマシンガン
下部ロケットブースター側面にマウントされているザク用の正式装備。バズーカでの砲撃中の隙を埋める為のサイドアームとして使用される事が多く、主にサブアームで保持して使用される。
ザク・バズーカと同じく上部ロケットブースターに予備弾倉を四つマウントする。
原作コミックでは本武装でフルアーマーガンダムの頭部を損傷させているが、本来ガンダムが採用しているルナ・チタニウム合金装甲ならザクマシンガンの弾丸は無力化できる筈なのだが何故か原作での描写ではダメージを受けている。
制作側もこの描写に矛盾を感じたのかどうかは不明だが、OVAではジャイアント・バズの砲撃でフルアーマーガンダムの頭部を損傷させた設定に変更されている。
シュツルムファウスト
下部ロケットブースターに3基が装着されている使い捨てのロケットランチャー。
リユース・サイコ・デバイスによる運動性能
本機の最大の武器。
パイロットの思考を直接機体に伝えるこのシステムは、その機動力を宇宙空間・重力下を問わず十全に引き出す。南洋同盟編ではスパルタンをヒートホーク二刀流だけで撃墜し、その後の戦線離脱時にはドダイを使って曲芸じみた空中戦を行った。
ガンダムVSガンダムシリーズ
マキシブーストONより参戦。
ライバルであるフルアーマーガンダムにこそ遅れはしたが、EXVSMBONには2500コストとして、バーサスには400コスト機体としてそれぞれに参戦した。
本作ではOVA版の武装を基本としているが、漫画版のみの武装であったザクバズーカも使用可能となっており、原作とOVA版の折衷のような外観をしている。
そのため、OVA版に追加されたブースターは装着されていない。
動きはもっさりしているが、レバー入力で通常発射と水平回転撃ちを使い分けるザクバズーカに同じくレバー入力でアクションが変化するザクマシンガン&シュツルムファウストの移動撃ち、くの字に動いて切りかかる特殊格闘といった具合に攻撃兼移動技が充実しており、上手く組み合わせれば中々の変態機動っぷり(?)をみせる。
大きな特徴としてメイン射撃のザクマシンガンに連動してバズーカ2丁を自動発射する。
連動バズーカは強力だが、一度撃ち切るとメインをリロードする際にパージして1丁のジャイアント・バズを装備し直し、それさえ撃ち切るとただのマシンガンになってしまうため、撃てる弾の質がかなり弱体化する。
身が軽くなったのか機動性は上がるものの、遅い→並になる程度でありまた上述したように火力面は大きく下がる。
ダメージレース負けしない為にも無駄弾を避けキッチリ命中させたいところである。
EXVS2では格闘射撃派生、後格から特格へのキャンセルルートを得たほか、EXバーストを発動するとメイン連動バズーカが全てリロード出来るようになった。
HG1/144シリーズ、MG1/100シリーズにラインナップ。 MGには、映像作品で装備していたビームバズーカが付属している。
GUNDAM CONVERGE EXシリーズの第32弾としてラインナップが決定。
機動戦士ガンダムサンダーボルト フルアーマーガンダム(サンダーボルト)
- グレイズ・アイン(阿頼耶識システム):「四肢を除去し、人間の神経系を機械的に組み込んだMS」という繋がり。訳あって生体機能不全となったパイロットを生体デバイスに仕立て上げた点も一致する。
- フルアーマーユニコーンガンダム:機体のコンセプトが共通(「切り札となる単騎に可能な限り装備を追加」「思考を機体に直接反映させる駆動システム」)
- にせガンダム:サンダーボルトが連載される以前の名前と姿。
- アムロ・レイ:ジオン軍の宿敵たるガンダムのパイロットの代名詞になった男にして、シリーズ第一作の主人公。『SDガンダムバトルアライアンス』でダリルが駆る本機と共演した際に「赤いザク!? でも赤い彗星じゃない。装備も大袈裟すぎる…」と、まるで多くの初見時のファンの代弁のような反応をしている。
コメント
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