アーバンライナー(Urban Liner)とは、近畿日本鉄道の特急列車(近鉄特急)に用いられる特急形車両の愛称。
概要
この車両が就く名阪ノンストップ特急は安定した需要があるので、専用車両が在籍し、検査・故障時以外はこれらのみでの運用となる。
車両は基本的に6連だが、混雑時に8連で運用に就くこともある。
車両
21000系
1988年ごろに登場した初代「アーバンライナー」。
電動カム軸を使用した抵抗制御車で、6連を基本編成とし、混雑時には2連の増結ユニットを中間に連結して8連で運転される。
青山町付近の急こう配に対応するため、オールMの6連となっている。
車体は普通鋼製で、白を基調とし、オレンジっぽい色がアクセントとして使われている。
先頭部には大型の2枚のパワーウインドウが張られ、ヘッドライトはその上部にビルトインされている。
名古屋寄りの1・2号車の座席を「デラックスシート」、それ以外の座席は「レギュラーシート」と呼ぶ。「デラックスシート」に座るには追加料金が必要。
ドアは折戸式を採用。なかなか古さが際立つ。
2003年から2005年にかけて、老朽化・設備陳腐化のためリニューアル工事が施行され、先頭車の前部の扉を除いてすべて外側式プラグドア化され、喫煙ルームを設置する一方で、全車禁煙とし、21020系同様の内装とした。
すでに全車が工事を完了している。
工事を受けた21000系を「アーバンライナーplus」と呼ぶ。
21020系
「アーバンライナー」の最新車。「アーバンライナーnext」と呼ばれる。
モーターは23000系同様の新幹線並みの230kWモーターで、MT構成は3M3Tで比は1:1となった。
近鉄の特急で4例目となるVVVFインバーター搭載車であり、同じく2例目となるIGBT素子VVVFインバーター搭載車でもある。さらに、三菱製IGBT素子のVVVFインバーター搭載車はこの21020系が初めて。
インバーターの磁励音は他にはあまり例のない独特なもの。
近鉄の特急車で初のHID灯をヘッドライトに採用している。
「デラックスシート」にも改良が加えられ、独特な形状をしたいわゆる「ゆりかご形シート」を採用している。全仕切り扉上には液晶モニターを設置。
本系列は21000系の置き換え用ではなく、21000系のリニューアル工事中に不足する本数を補うために造られた車両であるため、製造本数は必要最小限の2編成に留まっている。検査のときは21000系が代走をする。
1編成は名古屋線走行中にトラックに横からぶつけられた。
運用
名阪ノンストップ特急が主体なので、比較的よく出会える。大阪難波発着なのがミソで、時刻表にも載るので、「アーバンライナー」に乗りたいだけなら探すのはそう難しくはない。
21000系の「plus」への更新工事が完了してからは「next」が増備された2編成分だけ車両本数に余裕が出来たため、一部の名阪乙特急にもアーバンライナーが運用に就くこととなった。
問題は「next」。ほぼ「plus」が占めており、検査のときはそいつが代走するので、充当される列車が少ない。根気よく探そう。