概要
「盲導犬」とは、盲人の歩行に付き添って補助し、安全に誘導する特別な訓練を受けた犬。
犬種は、ラブラドールレトリバーが多く、盲導犬候補の雄は生後半年ごろに去勢し、雌は1年以内に不妊手術をする。
かつてはシェパードも使われていたが、外見が精悍すぎて他者に威圧感を与えかねないため、優しげな外観のレトリバーが主流になった。
盲導犬訓練の起源は、1916年にドイツの戦傷盲人援助の目的でオルデンブルクに「盲導犬学校」が設立されたことからである。
1923年にはポツダムに「盲導犬訓練所」が開設され、以来盲導犬訓練による盲人援助がヨーロッパ全土に広がった。
日本では、戦後に再び盲導犬育成への関心が高まり、1967年に財団法人「日本盲導犬協会」が設立された。
日本においては、当初はユーザー個人の飼い犬を盲導犬として育成したこともあったが、現在は盲導犬協会から貸与の扱いとなる。
候補犬は子犬の時期、人に慣れさせるため一般家庭のボランティア「パピーウォーカー」で一定期間飼育されたのち、協会に戻り訓練を受け、盲導犬となれた犬はユーザーと引き合わされる。
年をとって仕事に支障を来すようになる時期になると引退し、ユーザーと別離して協会の施設やボランティアの家庭に引き取られて一般のペットとして余生を過ごすことになる。
近年は、聴覚障害者に生活で必要な音をタッチして教え、音源に導く『聴導犬』、杖の代わりとなって起立を助けたり、手指の代わりとなって物を取ってきたり、ドアを開けたりするなどちょっとした補助が可能な『介助犬』が登場、盲導犬と共に『身体障害者補助犬』と呼ばれ、2002年に『身体障害者補助犬法』が公布された。(2007年に法律の一部改正)
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