トール(終ワル)
とーる
人物
白目部分が黒く染まった瞳と、腰にかかるほど長い赤髪が特徴的な偉丈夫。
生まれながらに最強であるが故に今まで自身の全力を出して戦えるほどの強者と巡り合う機会がなく、常に退屈そうな顔をしている。
また、興味の無い相手には一顧だにせず、ブリュンヒルデに絡んで結果的に自分の行動の邪魔になっていたインキュバスを羽虫を払うかのように殺害している。
服装は足鎧のような靴を履いてその上から腰布を巻いたような恰好をしており、試合外ではローブを身に纏っている。
武器
- 雷槌(ミョルニル)
トールの持つ神器の一つで天界最強の武具とされており、全長がトールの腰ほどまである大型の槌。
覚醒後はミョルニルの表面がひび割れ大きく脈打ち、オリハルコンの石畳が溶けるほどの高温を発する。
- 鉄の手袋(ヤールングレイプル)
トールの持つもう一つの神器で、天界最強の防具とされている。
伝説ではミョルニルの力からトールの身を守るために着けているものとされているが、作中では逆にトール自身の力をその内に抑え、覚醒前のミョルニルを握りつぶさないために存在している。
技
- 闘神の雷槌(トールハンマー)
ヤールングレイプルに雷を纏い、両手でミョルニルを持ち、上体を後方へ倒れんばかりに仰け反らせた構えから放つトールの必殺技。
その威力は、直撃せずとも風圧で巨人の体がひしゃげて臓物が弾け飛び、血の雨が降るほど。
- 覚醒雷槌(ゲイルロズトールハンマー)
覚醒したミョルニルをヤールングレイプルを外して全力を出した状態で投擲し、自分のもとへ返ってきたときの遠心力と速度をギリギリまで矯めて相手に放つトールの必殺技。
ラグナロクで使用する前には数千年前に宿敵ヨルムンガンドを屠ったときに一度だけ使用された。
過去
太古の昔、神々の国(アースガルズ)はある年に突如攻勢を強めた霧の巨人(ヨトゥン)軍の巨人66体に襲撃され、壊滅の危機に瀕していた。
衛兵団や騎士団が手も足も出ず、住民たちも巨人に嬲られ殺されていく中でただ一人トールのみが退屈していた。
「つまらん」
巨人の一体を闘神の雷槌(トールハンマー)で屠り、上記の言葉をつぶやくとそのまま残りの巨人全てを独力で殲滅してしまう。
他の誰も彼もが容易く破壊されてしまう巨人の膂力をもってしてもトールが全力を出すには至らず、このまま退屈な神生を送り続けるかに思われた。
神vs人類最終闘争(ラグナロク)で呂布奉先と出会うまでは。
神vs人類最終闘争(ラグナロク)にて(以下ネタバレあり)
神vs人類最終闘争(ラグナロク)にて神側先鋒として出場。
試合開始直後、肩に担いでいたミョルニルを下ろし呂布と同様にノーガードのまま間合いを詰めて互いに相手に一撃を打ち込む。しかし、己の一撃を受けてなお倒れなかった呂布に対して思うところがあったのかトールは構えを取り、闘神の雷槌(トールハンマー)を繰り出す。ムニン曰く少しは呂布のことを認めたのだろうとのこと。
だが、呂布は闘神の雷槌(トールハンマー)を受けてもピンピンしており、更にはトールに傷を負わせる。
これに対してトールは称賛を送り、作中で初めての笑みを浮かべている。
しばらくは武器の打ち合いが続いたがヤールングレイプルを破壊されたことで、トールはミョルニルを振るえなくなりそのまま勝負がつくかに思われた。
しかし、直後にミョルニルが覚醒したことでトールはようやく全力を出せるようになる。
素手でミョルニルを握りしめ呂布の名前を呼ぶと「死ぬなよ」と声をかけ、最高の笑顔とともに覚醒雷槌(ゲイルロズトールハンマー)を放つ。
そうして、覚醒雷槌(ゲイルロズトールハンマー)を受け止めたことで両足を負傷して動けなくなった呂布に対し、暗い表情のままとどめを刺そうとするも、乱入してきた赤兎馬や呂布軍たちの応援を受け立ち上がる様子を見て歯をのぞかせて再び歓喜の笑みを溢す。
こうして、赤兎馬にまたがり機動力を得た呂布との最後の打ち合いが始まる。
覚醒したミョルニルに自分と同じ昂ぶりを感じたトールは、呂布と同様に次なる一撃こそが生涯最高の一撃になると直感し、理性のタガが外れたような満面の笑顔で覚醒雷槌(ゲイルロズトールハンマー)を撃つ。
迎えた結末
呂布の放った天喰にトールはほとんど怪我無く立っていた。
対する呂布は武器も左腕も失い、右腕も使い物にならない満身創痍。
そうして、かろうじてくっ付いているだけの右腕を食いちぎり、全てを出し切ったと満足げな顔で向かってくる呂布を介錯するかのように、
トールもまた優し気な表情でミョルニルを振るいその命を奪う。
こうしてラグナロク第一試合は神側の勝利に終わったが、勝ったはずのトールに笑顔は無く、ヘイムダル曰く気の毒なくらい辛気くさい顔で会場を後にしようとする。
ところが、呂布の後を追うように自身へ挑んでくる陳宮や赤兎ら呂布軍を目にしてその口元には笑みが浮かぶ。
「よかろう… あの漢への… 呂布奉先(我が友)への手向けだ」
その言葉とともにミョルニルを構え、呂布軍を一掃したのち、魂の完全消滅(ニブルヘル)によって砕け散りゆく魂たちをどこか寂し気な横顔で見送る。
試合後
その後はどこかの観覧席で試合を見ているようで、時たま試合以前のような退屈そうな顔が見られる。だが、釈迦の人類側での出場表明の映像を見ると笑みを浮かべていた。
関連人物
神vs人類最終闘争(ラグナロク)の対戦相手。
生まれながらに最強という共通項があり、戦いを通して互いを認め合い、最高の好敵手となる。
オーディン
トールの父であり、北欧神話の主神。
普段は両肩の乗せたフギンとムニンという二羽のカラスがしゃべっているが、トールが入場した際や闘神の雷槌(トールハンマー)を放つ時には直接声援(?)を送っている。
フォルセティ
北欧神話の平和の神。
過去に巨人の脅威から救われて以降トールに心酔している様子。